第59回 もしやアタシの「生霊」???
この世にはそっくりさんが3人いるという
大学1年生のときのこと、自分の学び舎から遠く離れた立教大学のキャンパスで、高校時代の同級生が「アタシ」とすれ違ったそうです。ツンととりすます彼女に「おい、無視するなよ」と追いかけて肩に手をかけたとたんに、(当然と言えば当然の)見事な平手打ち。彼はあっけにとられて相手の顔をつくづくと眺めました。
「背の高さといい、やせ具合といい、怒ったときの眉毛の吊り上り方といい、どうみてもアンタなのよ。いやぁ、狐につままれたみたい」その晩、興奮して電話してきたのを聞きながら、「この世にはそっくりさんが3人いるそうだけど、年齢や体つきも酷似するものか」と驚いたものです(事情ありの双子の生き別れなんていう話は絶対にありえないと、これは親族一同の証言)。
花の立教大学の「アタシもどき」は「遊び屋」さんだったようで、「新宿のアシベに彼氏といたわね」「赤坂のゴーゴークラブで踊ってなかった?」「スポーツカーの助手席に乗ってたじゃん」等々の目撃談があちこちから飛び込んできました。口惜しいことに、郊外の大学の寮住まいだったからそんなところに行ったこともないし、遊ぶ連れもいない。ひょっとしたら源氏物語の葵上を呪って夜な夜な六条御息所の生霊が現れたように、都会の夜の華やかさに魅かれたアタシの生霊がフラフラしていたのかもしれませんネ。
「背の高さといい、やせ具合といい、怒ったときの眉毛の吊り上り方といい、どうみてもアンタなのよ。いやぁ、狐につままれたみたい」その晩、興奮して電話してきたのを聞きながら、「この世にはそっくりさんが3人いるそうだけど、年齢や体つきも酷似するものか」と驚いたものです(事情ありの双子の生き別れなんていう話は絶対にありえないと、これは親族一同の証言)。
花の立教大学の「アタシもどき」は「遊び屋」さんだったようで、「新宿のアシベに彼氏といたわね」「赤坂のゴーゴークラブで踊ってなかった?」「スポーツカーの助手席に乗ってたじゃん」等々の目撃談があちこちから飛び込んできました。口惜しいことに、郊外の大学の寮住まいだったからそんなところに行ったこともないし、遊ぶ連れもいない。ひょっとしたら源氏物語の葵上を呪って夜な夜な六条御息所の生霊が現れたように、都会の夜の華やかさに魅かれたアタシの生霊がフラフラしていたのかもしれませんネ。
もう一人のアタシの人生もイロイロ?
その後40年間、少なからぬ見知らぬヒトたちから「お久しぶり。○○さんでしょ?」「おや、いつ東京に戻ってきたの?」と声をかけられ、深夜に編集者と飲んでると「大丈夫、このことは内緒にしておきますよ」とウインクするヒトもいれば、「あのお金、早く返してね」と眉をひそめるヒトもいて、「もう一人のアタシ」の人生も決して平々凡々なものではなかったようです。
一度その方にお会いしたものだと思いながら月日が過ぎ、ここ10年すっかり忘れていたら、先月、とある温泉の露天風呂で「あらぁ、こんなところで偶然ね」とすり寄ってらしたオバはんがおりました。
「私よ、ワタシ。相模原の・・・」(新手のオレオレ詐欺か?)
「相模原って、ゴルフ場で?」(ここ何年かは行ってませんけど)
「ゴルフ?何言ってらっしゃるの。ほら、駅でよく・・・」オバはんはこのあたりでハッとして、つくづくと茹だっている私の顔を眺めていましたが、「トボケてるんじゃないですよね?」とポツン。
そして脱衣場でもジロジロ全身を見ながら「それにしても似てらっしゃるわぁ」。どうやら「もう一人のアタシ」は、義理堅く顔の老け具合や崩れぎみの体型まで似たプロセスをたどってくれたらしい。
一度その方にお会いしたものだと思いながら月日が過ぎ、ここ10年すっかり忘れていたら、先月、とある温泉の露天風呂で「あらぁ、こんなところで偶然ね」とすり寄ってらしたオバはんがおりました。
「私よ、ワタシ。相模原の・・・」(新手のオレオレ詐欺か?)
「相模原って、ゴルフ場で?」(ここ何年かは行ってませんけど)
「ゴルフ?何言ってらっしゃるの。ほら、駅でよく・・・」オバはんはこのあたりでハッとして、つくづくと茹だっている私の顔を眺めていましたが、「トボケてるんじゃないですよね?」とポツン。
そして脱衣場でもジロジロ全身を見ながら「それにしても似てらっしゃるわぁ」。どうやら「もう一人のアタシ」は、義理堅く顔の老け具合や崩れぎみの体型まで似たプロセスをたどってくれたらしい。
「蜂の一刺し」の榎本さん、お元気ですか?
1981年、ロッキード裁判で田中角栄氏を有罪に追い込む「蜂の一刺し」証言をした、元首相秘書の妻の榎本三恵子さんともよく間違えられました。年齢差はありますが、横顔や表情が似ていて、彼女がマスコミに露出したころはパパラッチに追いかけられたこともあります。地元のプールで潜って顔を水面に出したとたんにマイクがつきつけられ、「なぜ、こんなところで泳いでる?」とフラッシュがバシャバシャ。「人違いです」と言っても聞き入れてもらえず、しかたなくプールサイドに出て背丈が彼女より10センチぐらい低いのを見せて、やっと納得してもらいました。
それから10年後に、六本木の美容院で写真家の加納典明氏に「ご無沙汰しています」と挨拶されましたが、こちらも榎本さんと間違えられた由。
こうなるとそっくりさんの残りの2人のうちの1人は彼女のような気がしてきました。週刊誌の「あのヒトは今」の特集では榎本さんは常連ですから、「お元気かしら」と気になって必ず一冊買ってしまいます。
そのうち、フェイス・ブックでも始めて、「おーい、アタシはがんばってるよ、お二人はいかが?」とでも呼びかけてみましょうか。
こうなるとそっくりさんの残りの2人のうちの1人は彼女のような気がしてきました。週刊誌の「あのヒトは今」の特集では榎本さんは常連ですから、「お元気かしら」と気になって必ず一冊買ってしまいます。
そのうち、フェイス・ブックでも始めて、「おーい、アタシはがんばってるよ、お二人はいかが?」とでも呼びかけてみましょうか。
次回は、3月25日更新予定です。
(2011年3月11日)
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