第3回 豚児に餌を与えるべからず
ニートや同棲より「食べてくれない」のを悩む母親
以前、「18歳の息子のひきこもり」の悩み相談のオブザーバーをしたことがありました。食事は3食、手作り料理を2階の息子の部屋の前にデリバリー。シャワーもトイレも使用時に顔を合わさず使用するので、しばらくは彼の部屋に見知らぬ女の子が住みついているのに気がつかなかったとか。
そのうち夜はカップルで外出し、昼日中は眠りこける生活パターンになりました。
そのうち夜はカップルで外出し、昼日中は眠りこける生活パターンになりました。
と焦ったのは私のほうで、しゃべり続ける母親は彼女を迷いこんだ猫ほども気にせず、息子以外は眼中にない様子。「いま一番困っているのは…」とため息をつくと、
「私が運ぶ料理に全く手をつけなくなったのよ。コンビニ弁当と外食ばかりじゃ体によくないわ。どうやったら食べてくれるのかしら…」
と眉を曇らせます。体を育てて心を育てていないゾ。
何というアホ親かと、あたしゃ憤怒で卒倒寸前。子育ては「肥えさせる」のと同義語ではありません。
「大丈夫、あんたの息子は女を引っ張り込めるほど十分に育っている。もうそれ以上餌を与えずともよろしい。ついでに夜遊びする体力のある息子を叩き出せ!」
とアドバイスしたら、目を三角にしてにらまれてしまいました。
どんな御馳走でも毎度「孤食」ならドッグフードと大差なし。パソコン相手に暮らしたってコミュニケーション力も社会常識も育ちません。悩むべきはよその大事なお嬢さんを早く親元に帰す方策と、息子をいつまでも3歳児扱いしているアンタの頭の中身ではないかと思いましたよン。
この不況は精神的へその緒を切る千載一隅のチャンス
さて、このタイプの子どもが曲がりなりにも社会人になり、家庭を作れたとしても、精神的な親離れは非常にムズカシイと思われます。稼ぎを一銭も家に入れずに小遣いにし、衣食住すべて親にパラサイトする独身貴族になるか、結婚・出産費用から子育てまで親にツケをまわしたあげく、「実家のものはアタシのもの」と冷蔵庫の卵から使いかけのシャンプーまで失敬していく「鍵を持ったドロボー」になりかねません。
なにしろ頭の中ではいつまでも3歳児の息子や娘であります。せがまれれば「NO」と言えない「大甘の熟年世代」は数知れず。せがまれなくても「愛もどきの過保護」を与え続ける親がいるから、「オレオレ詐欺」が後を絶たないのでしょう。座右の銘として部屋中に(とくに受話器に)「豚児に餌を与えるべからず」とでも書いておかれたらよござんす。
冗談ではなく、目下100年に1度の経済不況の嵐真っ只中。投信、外貨預金、不動産はもとより、全国民レベルで資産の大幅目減りや損失を被っているはず。退職金や老後資金を失って青ざめている熟年世代も多いのではありませんか?
定年延長した方や現役の自営業の人はもとより、優雅な年金生活者でも「今月手にした収入」が来月、来年、10年後にもあるという保証はありません。「なぁに、家庭菜園をこしらえれば食うくらいなんとかなる」という戦中派の親のDNAをもらったノーテンキな人もいますが、昨今の地球環境異変も考慮に入れなくちゃね。親も子も精神的自立をして、各自でサバイバルする、これが最優先課題であります。
とどのつまり、数え切れないほどの心理学・精神医学の専門家の警告があっても終結しなかった日本型「長すぎる親子のハネムーン」は、今回の「経験したことのない大恐慌」で一挙に解決。ついでに「金の切れ目が縁の切れ目」で、金脈でつながっていた「家族関係」も崩壊(というより霧散)するというのが私の予測です。
古臭いことを言うようですが、金がなくても痩せても枯れても、人間、最後まで残るのは信頼と共感がある「友人以上、恋人未満」の関係性でしょう。「わが子は血縁」というだけの縁です。くれぐれも「不良債権」に惑わされず、「残り火の愛」を注ぐ相手を間違えませぬよう、パートナーをお大事になっさね。老婆心まで。
なにしろ頭の中ではいつまでも3歳児の息子や娘であります。せがまれれば「NO」と言えない「大甘の熟年世代」は数知れず。せがまれなくても「愛もどきの過保護」を与え続ける親がいるから、「オレオレ詐欺」が後を絶たないのでしょう。座右の銘として部屋中に(とくに受話器に)「豚児に餌を与えるべからず」とでも書いておかれたらよござんす。
冗談ではなく、目下100年に1度の経済不況の嵐真っ只中。投信、外貨預金、不動産はもとより、全国民レベルで資産の大幅目減りや損失を被っているはず。退職金や老後資金を失って青ざめている熟年世代も多いのではありませんか?
定年延長した方や現役の自営業の人はもとより、優雅な年金生活者でも「今月手にした収入」が来月、来年、10年後にもあるという保証はありません。「なぁに、家庭菜園をこしらえれば食うくらいなんとかなる」という戦中派の親のDNAをもらったノーテンキな人もいますが、昨今の地球環境異変も考慮に入れなくちゃね。親も子も精神的自立をして、各自でサバイバルする、これが最優先課題であります。
とどのつまり、数え切れないほどの心理学・精神医学の専門家の警告があっても終結しなかった日本型「長すぎる親子のハネムーン」は、今回の「経験したことのない大恐慌」で一挙に解決。ついでに「金の切れ目が縁の切れ目」で、金脈でつながっていた「家族関係」も崩壊(というより霧散)するというのが私の予測です。
古臭いことを言うようですが、金がなくても痩せても枯れても、人間、最後まで残るのは信頼と共感がある「友人以上、恋人未満」の関係性でしょう。「わが子は血縁」というだけの縁です。くれぐれも「不良債権」に惑わされず、「残り火の愛」を注ぐ相手を間違えませぬよう、パートナーをお大事になっさね。老婆心まで。
(2008年11月14日)
- 宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
- http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/