第15回 家族内奨学金のススメ
かつて五月病は「課外授業」だった
入学シーズンが一段落するとプチ・うつ的環境不適応の「5月病」が流行り出す時期だそうですね。燃え尽き症候群が回復しない、憂うつでやる気がおきない、見知らぬ人や町に適応できない、だから学校に行かない。団塊の世代の学生時代でも、そんな「流行病」がありましたっけ?
確かに高校や大学で欠席だらけの連中はいたけれど、そのかわり雀荘や喫茶店、クラブ活動の部室や合宿所、ときに怪しげな前衛劇団の練習場などに入り浸っていたようです。
学校サイドもおっとりしたもので、「十代のハシカみたいなもの。誰もがかかるけれど、重症でも夏休み明けには治るはず」と学生たちを勝手に泳がせていました。いわく、
「ああいう連中から将来大物がでる。課外授業みたいなものだ」
その「将来」がそろそろ終了期間近になったこの頃振り返ってみれば、多くは中くらいのブレイクだったようですネ。ただ、あのころ「損得勘定ぬきにウロチョロした経験」は青春の1ページに鮮やかに記載されていて、人生の岐路のたびに立ち戻る原点だったと体験者の弁。やりそびれた私は、もし「生まれ変わったら」(聖子のように、郷ひろみと結婚しなくてもいいから)、次はチョイ悪学生もやってみようと思っております。
現代の学生たちの「五月病」が「確信犯的ひきこもり」になりがちなのはパソコン・インターネット・テレビゲームという無機質な遊び相手がいるからで、刹那的には楽しいけれどどうひいき目にみても「人生の課外授業」にはなりそうにありません。
こういう場合は「正しい足の裏の使い方」を思い出し、お尻を蹴とばして家から追い出して少し世間をウロチョロさせましょう。衣食住の面倒をみた上で在籍するだけの学校に月謝を払い続けるなんてとんでもございませんことよ。
確かに高校や大学で欠席だらけの連中はいたけれど、そのかわり雀荘や喫茶店、クラブ活動の部室や合宿所、ときに怪しげな前衛劇団の練習場などに入り浸っていたようです。
学校サイドもおっとりしたもので、「十代のハシカみたいなもの。誰もがかかるけれど、重症でも夏休み明けには治るはず」と学生たちを勝手に泳がせていました。いわく、
「ああいう連中から将来大物がでる。課外授業みたいなものだ」
その「将来」がそろそろ終了期間近になったこの頃振り返ってみれば、多くは中くらいのブレイクだったようですネ。ただ、あのころ「損得勘定ぬきにウロチョロした経験」は青春の1ページに鮮やかに記載されていて、人生の岐路のたびに立ち戻る原点だったと体験者の弁。やりそびれた私は、もし「生まれ変わったら」(聖子のように、郷ひろみと結婚しなくてもいいから)、次はチョイ悪学生もやってみようと思っております。
現代の学生たちの「五月病」が「確信犯的ひきこもり」になりがちなのはパソコン・インターネット・テレビゲームという無機質な遊び相手がいるからで、刹那的には楽しいけれどどうひいき目にみても「人生の課外授業」にはなりそうにありません。
こういう場合は「正しい足の裏の使い方」を思い出し、お尻を蹴とばして家から追い出して少し世間をウロチョロさせましょう。衣食住の面倒をみた上で在籍するだけの学校に月謝を払い続けるなんてとんでもございませんことよ。
孫をダシに金をかすめとろうなんて百年早いゾ
月謝といえば、いまどきの若親たちは「孫の教育費用を祖父母に負担してもらいたい」と本気で期待しているとか。
冗談でしょと笑い飛ばしたら、「親の収入格差で子どもの未来を左右する時代に突入して、祖父母ぐるみの支援がなければいい教育は受けられないと親たちは不安がっている」とデータを前に某誌の編集者。
冗談でしょと笑い飛ばしたら、「親の収入格差で子どもの未来を左右する時代に突入して、祖父母ぐるみの支援がなければいい教育は受けられないと親たちは不安がっている」とデータを前に某誌の編集者。
その辺ならまだ可愛らしい出費額なのですが、習い事の経費はそのまま小学校期間も続き、中学入試の塾経費、学資保険の支払い、私立中高6年間の月謝の補助、修学旅行や短期研修留学の費用、部活の合宿や試合や遠征旅行費、ついでに母親同士の懇親会のお茶代からそこに着ていく洋服代まで、年間百万円単位で祖父母の退職金や年金から「おねだり」しているのが現状らしい。孫は2人、3人と増えていくので、ほとんど大手自動車産業の財政難につぎこむオバマ大統領の心境に近いでしょう。
だから「世間はともかく、ウチは少子化のままでいい」とひそかに願う熟年世代が続出するのではないかしらン。
それでいて「夫のプライドを傷つけないように妻の親から援助してもらう方法はないか?」ときたので、あたしゃ思わず逆上しましたネ。
「団塊の世代から老後資金をかすめとろうなんて百年早い。謙虚に頭を下げてお願いして借用書を書きなさい、借用書を!」
専用の通帳を作り、金の出し入れを明確化して報告し、状況によっては最優先で返す金であり、ニ世代にわたって返済義務のある「家族内奨学金」なのだという意識を甘ったれている子どもたちに持たせるべし。それをツベコベ言う婿や嫁なら次世代家族は「ハズレ」だったとあきらめて一銭も出さないでよろしい。
現に団塊の世代は十代では「身の丈にあった」教育を受け、社会に出てからも自助努力で学んで飛躍していったではありませんか。わが血を受け継いだ孫にそれができないわけはないと確信しましょう。よかれと思って無理な算段をして教育資金援助をして、続かなくなったときに親子の関係がギクシャクしては、「金の切れ目が縁の切れ目」、ヤブヘビであります。
(2009年5月8日)
- 宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
- http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/