第5回 「心のゴミ屋敷」やっていませんか?
「頭皮は無傷」という毛染め剤アレルギーにご注意!
即、美容院で断髪、丸坊主にしたら顔の腫れはみるみる引いたのですが、そこから2年近い通院治療が始まりました。
化粧厳禁、日光浴禁止、汗をかくのも禁止、プール禁止、酒・カフェイン・刺激物香料禁止…とダメダメづくしでライフスタイルは一変。夏場なのに太陽が天敵ですから、日没を見計らって外に出かける「ドラキュラ夫人」です。講演・講座は飲み会のようにキャンセルできませんからやむをえず出かけ、会う人ごとに「どうしました、その顔!?」と目を丸くして驚かれ、原因や治療の話をするのは心の重いことでした。
「わぁ、スゴイ、ヒサンねぇ、治るの? なんで? 本当にアレルギー? 不摂生したんじゃない?」などと友人知人につっこまれ心がメゲてしまい、真っ赤なイグアナちゃんは「プチ・ひきこもり」になってしまいました。
ホッとできたのは映画館の暗がりの中だけでした。通院時は大きな白いマスクに大きなサングラス、つば広帽子を目深にかぶっていましたから、東京駅の鉄道公安室は「不審者か?」とヤキモキしたことでしょう。
デマ・噂は千里を走る
酒天童子のような顔つきが遅々としてよくならないのは不安でツライものでしたねぇ。ゴマ塩頭はバサバサにのびてきて、まるで遠野の民話に出てくる山姥(やまんばのようです。友人も初対面の人も(たぶん善意から)プロポリス、よもぎ石鹸、はては拝むとご利益があるというネズミまで勧めてくださるのですが、日常生活を根掘り葉掘り聞きだして「犯人探し」に張り切られるのには戸惑いました。
もし誰か病人を励ますなら根拠がなくてもいい、「大丈夫、治るから」と言うだけにして刑事のように詮索したり、セールスマンのように「特効薬」を降り注がないほうがいいですネ。メゲている人は「好奇心丸出し」の人が苦手。追われて追い詰められて、滝壷に真っ逆さまということもあります。
命にかかわらない症状のアタクシでさえ心がボコボコでした。団塊の世代もボチボチと故障が出てくる年代ですから、身近に重病人が出たらくれぐれも言動に気をつけましょうね。
ところで公人や芸能人と違って自分の病状を公表する習慣がない一般人はそれなりに大変でした。
「抗がん剤で毛が抜けたんだって」「真っ赤な顔はピーリング(皮膚の美容整形の一方法、薬品を塗って衰えた表皮をはがし、新しい皮膚を再生する)の失敗でしょ。やはり彼女、やっていたのよ」「重症のウツで外出できないみたい」「伝染するからプールに入れないらしい」と本人の知らないところで噂千里を走っていたようです。
幸い一年後に「ほろ酔い加減の赤味」を残してイグアナ顔は消失。不死鳥のごとく(!?)よみがえったアタクシは、どんな形相・外見の人と出会ってもぎょっとしない、孔雀のトサカ髪だろうがクリカラモンモンだろうが、「何かわけがあるのだろう」と寛大に考えるようになりました。つまりこの一年は「心の大掃除」だったんですね。
もし誰か病人を励ますなら根拠がなくてもいい、「大丈夫、治るから」と言うだけにして刑事のように詮索したり、セールスマンのように「特効薬」を降り注がないほうがいいですネ。メゲている人は「好奇心丸出し」の人が苦手。追われて追い詰められて、滝壷に真っ逆さまということもあります。
命にかかわらない症状のアタクシでさえ心がボコボコでした。団塊の世代もボチボチと故障が出てくる年代ですから、身近に重病人が出たらくれぐれも言動に気をつけましょうね。
ところで公人や芸能人と違って自分の病状を公表する習慣がない一般人はそれなりに大変でした。
「抗がん剤で毛が抜けたんだって」「真っ赤な顔はピーリング(皮膚の美容整形の一方法、薬品を塗って衰えた表皮をはがし、新しい皮膚を再生する)の失敗でしょ。やはり彼女、やっていたのよ」「重症のウツで外出できないみたい」「伝染するからプールに入れないらしい」と本人の知らないところで噂千里を走っていたようです。
幸い一年後に「ほろ酔い加減の赤味」を残してイグアナ顔は消失。不死鳥のごとく(!?)よみがえったアタクシは、どんな形相・外見の人と出会ってもぎょっとしない、孔雀のトサカ髪だろうがクリカラモンモンだろうが、「何かわけがあるのだろう」と寛大に考えるようになりました。つまりこの一年は「心の大掃除」だったんですね。
不幸感は風呂敷に包んで押入れにしまおう
本物のゴミで家屋敷を埋める人は少数派ですが、心にゴミを溜めてしまう人は大勢います。たとえばどうしても忘れられない憎しみ、悔しさ、寂しさ、妬み、哀しみ、卑屈さなどは誰にでもあること。それをバネにがんばる人もいますが、「自分ほど不幸な人間はいない」と嘆き、疑心暗鬼、うらみつらみ、悪口、批判ばかりという人もいます。
「適度なストレスは単調な人生の香辛料」なのですが、小さなストレスを消化しきれずにちまちまと長年溜めていき、気がつけば「心のゴミ屋敷」ということもあります。人生の日暮れてあまり暗くならないうちに、「心の掃除」をしておくようお勧めします。
原則的に、嫌悪感や不幸感は元本保証、利子はいくらでも増えるけど実生活で役に立たないタイプの悪感情と言われます。膨らむだけの悪感情をその辺に散らかしていると、持ち主まで汚らしく見えます。この際、風呂敷に包んで心の奥の押入れにポイと収納してしまいましょう。
「生涯忘れられないけれど、とりあえず見えないところに保管する」これが自分にしかできない「不幸感」の始末の仕方です。一度入れたら決して開けない。間違えても「押入れ掃除」など思いついちゃいけません。自分の身辺を広々とフリーにしておけば、心も軽く、見た目にも美しい。こういう掃除上手の人は年齢にかかわらずスマートで居心地がよくてモテますね。年末の大掃除といっしょに、ぜひ心の掃除のやり方をマスターしてみましょう。
「適度なストレスは単調な人生の香辛料」なのですが、小さなストレスを消化しきれずにちまちまと長年溜めていき、気がつけば「心のゴミ屋敷」ということもあります。人生の日暮れてあまり暗くならないうちに、「心の掃除」をしておくようお勧めします。
原則的に、嫌悪感や不幸感は元本保証、利子はいくらでも増えるけど実生活で役に立たないタイプの悪感情と言われます。膨らむだけの悪感情をその辺に散らかしていると、持ち主まで汚らしく見えます。この際、風呂敷に包んで心の奥の押入れにポイと収納してしまいましょう。
「生涯忘れられないけれど、とりあえず見えないところに保管する」これが自分にしかできない「不幸感」の始末の仕方です。一度入れたら決して開けない。間違えても「押入れ掃除」など思いついちゃいけません。自分の身辺を広々とフリーにしておけば、心も軽く、見た目にも美しい。こういう掃除上手の人は年齢にかかわらずスマートで居心地がよくてモテますね。年末の大掃除といっしょに、ぜひ心の掃除のやり方をマスターしてみましょう。
(2008年12月12日)
- 宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
- http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/