第50回 「離婚するよりリフォームを」
「うちはヤバイ」とお気づきの諸兄へ
世界中が注目したチリの鉱山落盤救出事故は、最高のハッピーエンドで終了しましたが、なんとこの騒ぎで愛人と正妻が現場で鉢合わせになり、地上に出られたものの、不倫、離婚騒動に発展しそうなご仁もおいでになるとか。救出現場に立ち会わず、「アタシにだってプライドがある」という熟年妻の言葉に喝采を送った女性も多かったのではないでしょうか。
夫婦の「北極的温度差」があらわになってきたり、近い距離だけど間に底なしの亀裂が走っていて流氷直前状態だと気づき、「このままではいけない」という危機感を持たれたら、呆然としていないで何らかの行動に出ましょう。
ある友人は「退職金の半分をはたいて夫婦で世界一周のクルージングに行く」と言うので、おとめしました(あたしゃ旅行会社の敵です)。クルージングの標準タイプの船室の居住空間は6畳そこそこ。朝昼晩と遊びほうける才能がない典型的な日本型夫婦が閉塞空間で向き合って暮らすなんて、地雷の上にいるようなものです。平素なら維持できる関係もおじゃんになるかもしれません。「それよりその費用で住まいをリフォームすれば」とお勧めました(あたしゃ工務店のまわしものです)。
夫婦の「北極的温度差」があらわになってきたり、近い距離だけど間に底なしの亀裂が走っていて流氷直前状態だと気づき、「このままではいけない」という危機感を持たれたら、呆然としていないで何らかの行動に出ましょう。
ある友人は「退職金の半分をはたいて夫婦で世界一周のクルージングに行く」と言うので、おとめしました(あたしゃ旅行会社の敵です)。クルージングの標準タイプの船室の居住空間は6畳そこそこ。朝昼晩と遊びほうける才能がない典型的な日本型夫婦が閉塞空間で向き合って暮らすなんて、地雷の上にいるようなものです。平素なら維持できる関係もおじゃんになるかもしれません。「それよりその費用で住まいをリフォームすれば」とお勧めました(あたしゃ工務店のまわしものです)。
熟年リフォームの傾向と対策
団塊の世代ぐらいの年齢になると、全く見知らぬ土地に住み替えるのは抵抗があるもの。隣人に恵まれ、環境がよければなおさらのことでしょう。かく言うアタクシも、長屋的人情と緑の木々があふれる駅から徒歩2分の地の利にどっぷりつかって、子育て終了後もずっと団地に居続けております。
結局、数回にわたってリフォームし、雑誌やテレビでも紹介されたのですが、設計した建築家から昨今の熟年夫婦リフォームの「傾向と対策」を聞くことができました。
結局、数回にわたってリフォームし、雑誌やテレビでも紹介されたのですが、設計した建築家から昨今の熟年夫婦リフォームの「傾向と対策」を聞くことができました。
次に多いのが「広々として何でも作れるキッチン」ですが、これがくせもので、ご希望どおりに和洋中華の料理ができるキッチングッズとたくさんの食器類の収納をそろえた大がかりな調理設備は高価なわりに使われないのだとか。少人数向けの調理にはおしゃれでコンパクトなほうがシンプルで使いやすく、掃除も簡単なのでしょう。レストランの厨房のような完璧な設計をしても、そのうち「私は一生飯炊きオンナか?」と憂鬱になっちゃうんですね。「妻を台所仕事から解放してあげる」のが、キッチンづくりのポイントなのだそうです。
居間は夫婦の心模様の積み重ね
一番難しいのが居間で、「ご夫婦の希望通りのデザインや家具配置をすると、ほぼ失敗することが多い」とか。居間は生活空間の象徴で、極端に言ってしまえばそれぞれの「心模様の積み重ね」だとか。仕事人間の夫が煌々たる電灯の下、パソコンを持ち込み、専門書や書類を山積みにして、迷惑そうな妻の顔を尻目にたばこをふかして職場のサテライト気分。
一方の妻は、昼間に友人やお仲間も呼べるこじゃれた空間で、自分が癒される家具を置いて、趣味の手芸の作品を飾りたいと、これまた「夫抜きの空間」を夢見ます。双方の要望を満足させたら、おもちゃ箱をひっくりかえしたようなわけのわからない部屋になってしまうのだそうです。
「暮らすということは生きること」だと建築家は言います。
スッキリと生きたければ空間を広くとってスッキリと暮らし、重厚に生きたければ重厚な内装と家具を揃えて暮らしてみる、明るく生きたければ陽光のさすポップな彩りの部屋にして暮らしてみる。夫婦だけで決めるとどうしてもそれまでの価値観やしがらみから似たようなデザインになってしまうけど、建築家なら容赦なく捨て去って、全く違う暮らし方を提供してくれるでしょう。
一方の妻は、昼間に友人やお仲間も呼べるこじゃれた空間で、自分が癒される家具を置いて、趣味の手芸の作品を飾りたいと、これまた「夫抜きの空間」を夢見ます。双方の要望を満足させたら、おもちゃ箱をひっくりかえしたようなわけのわからない部屋になってしまうのだそうです。
「暮らすということは生きること」だと建築家は言います。
スッキリと生きたければ空間を広くとってスッキリと暮らし、重厚に生きたければ重厚な内装と家具を揃えて暮らしてみる、明るく生きたければ陽光のさすポップな彩りの部屋にして暮らしてみる。夫婦だけで決めるとどうしてもそれまでの価値観やしがらみから似たようなデザインになってしまうけど、建築家なら容赦なく捨て去って、全く違う暮らし方を提供してくれるでしょう。
「離婚したい」は「生き方を変えたい」
私も長いこと電話相談のカウンセラーをやったことがありますが、そこで聴く妻たちの「離婚したい」願望は必ずしも「籍を抜きたい」ではなく、「今とは違う生き方をしてみたい」というだけだったりします。「とりあえず暮らし方を変える、180℃転換するくらい住環境を変えてみてはいかが?そうしたら生き方も自然にかわりますよ」が私のアドバイス。
テレビ番組の『ビフォーアフター』は、もしかしたら「離婚防止」のために政府が操作している啓蒙番組なのではないかと、アタクシは常々勘ぐっておりますのよン。
次回は、11月12日(金)掲載予定です。
テレビ番組の『ビフォーアフター』は、もしかしたら「離婚防止」のために政府が操作している啓蒙番組なのではないかと、アタクシは常々勘ぐっておりますのよン。
次回は、11月12日(金)掲載予定です。
(2010年10月22日)
- お知らせ
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宮本まき子先生の新刊本が、12月16日、PHP研究所より出版されました。
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
ご注文の際は、直接出版元にお問い合わせください。
※書店でのお取り扱いはありません
ご連絡先 : PHP研究所 通販普及課 マナビカ係 075-681-8818
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宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/