第12回 夫婦の「延命措置」に思い出旅行を
桜の花は世界中にあるけど、イメージ違いで…
春ですねぇ。今頃あちこちで桜が満開ですか…。
パアーッと咲いては潔く散っていくこの花は、日本人の情緒にマッチするのでしょう。この時期になると別れと旅立ち、新たな出会いと、心のあや模様にハラハラと花びらが降りかかるような、鼻の奥がすこし熱くなるような思い出をお持ちの方も多いのではないかと思います。
そういえば10年ほど前の4月に渡米した時のこと。忙しさにかまけて「今年は花見をしそびれたワ」とため息をついたら、ニューヨーカーの友人が「桜なら当地にもある」と八重桜が咲き誇る、駅前広場の桜の名所(?)に連れて行ってくれました。
八重桜は濃い桃色で、薄墨色のソメイヨシノと交互に植えられていたりするとグラデーションができてそれは美しいものですね。しかし、NYのチェリー・ブロッサムは一輪が小型のツツジぐらいのサイズ。ド派手というか、毒々しいほどのショッキング・ピンク色で七重八重と重なってソフト・ボール大のボンボンのよう。
それが存在感たっぷりにドカンと重たげに枝からぶらさがっているのは、これでもかというグラマー女優のような華やかさでありました。(余談ですが、アメリカで育つと何でもビッグ・サイズになるのかしらン?)
英国はスコットランドに在住した友人の話では、春先の気温が冷蔵庫並みのことが多く、桜は咲いても即、保冷されてしまうらしい。ソメイヨシノなどは小さく半開きのまま地味な風情で1か月近くも枝にしがみついているので、初めて見る日本人はてっきり造花だと思うそうな。
枝を「夫」、花を「妻」に見立てると、「お国柄かなぁ、日本の女性はさっさと見切りをつけて散るし…」と妙に納得しちゃいましたネ。この季節になるたびに思い出す「サクラ的夫婦論」であります。
パアーッと咲いては潔く散っていくこの花は、日本人の情緒にマッチするのでしょう。この時期になると別れと旅立ち、新たな出会いと、心のあや模様にハラハラと花びらが降りかかるような、鼻の奥がすこし熱くなるような思い出をお持ちの方も多いのではないかと思います。
そういえば10年ほど前の4月に渡米した時のこと。忙しさにかまけて「今年は花見をしそびれたワ」とため息をついたら、ニューヨーカーの友人が「桜なら当地にもある」と八重桜が咲き誇る、駅前広場の桜の名所(?)に連れて行ってくれました。
八重桜は濃い桃色で、薄墨色のソメイヨシノと交互に植えられていたりするとグラデーションができてそれは美しいものですね。しかし、NYのチェリー・ブロッサムは一輪が小型のツツジぐらいのサイズ。ド派手というか、毒々しいほどのショッキング・ピンク色で七重八重と重なってソフト・ボール大のボンボンのよう。
それが存在感たっぷりにドカンと重たげに枝からぶらさがっているのは、これでもかというグラマー女優のような華やかさでありました。(余談ですが、アメリカで育つと何でもビッグ・サイズになるのかしらン?)
英国はスコットランドに在住した友人の話では、春先の気温が冷蔵庫並みのことが多く、桜は咲いても即、保冷されてしまうらしい。ソメイヨシノなどは小さく半開きのまま地味な風情で1か月近くも枝にしがみついているので、初めて見る日本人はてっきり造花だと思うそうな。
枝を「夫」、花を「妻」に見立てると、「お国柄かなぁ、日本の女性はさっさと見切りをつけて散るし…」と妙に納得しちゃいましたネ。この季節になるたびに思い出す「サクラ的夫婦論」であります。
若かった二人は海を越えて頑張ったね
思えば団塊の世代は、二十代の若さで、未経験なまま外国に転勤を命じられた世代でした。同じ頃に深田佑介の「新西洋事情」で駐在員の悲喜劇が紹介されたものですが、アタクシの同級仲間も続々と海を渡ったので、おもしろい話には事欠きません。
親友の披露宴で花婿の上司たちに「あの花嫁はん、英語話せまっか?」と尋ねられ、そこはご祝儀気分で「外国人みたいにペーラペラ」と答えたら、即、花婿にロサンゼルス行きの内示です。
「僕、英語はからっきしダメです」と焦りまくるも、「お前なんかどうでもいい。奥さんが英語圏で暮らせるかどうかが問題だ」と一蹴。入国審査で絶句したというこの夫婦は、かの地で10年頑張ったというからご立派です。
妊娠中に赴任してニューヨークで出産した友人夫妻は、当時日本では知られていなかった「ラマーズ法立会出産」を強要されます。
予備知識も心構えもないまま分娩室に放りこまれた夫君は「ヒッヒッフー」のやりすぎで過呼吸になり、ほぼ失神。しかも産後2日目に出勤したら、「父親失格、離婚されるぞ」と同僚たちにしかられ、無理やり育児休暇をとらされたとか。パパの子育ての先駆者であります。
すし屋も日本料理屋も無い地に飛ばされた同級生は、だんなさまの仕事相手の接待とパーティの賄いに明けくれます。
巻きずし、スキヤキと一通り試したあげく、一番人気は天ぷらと判明。それも高価なエビや白身の魚は不人気で、最も安価のニンジン・玉ねぎ・ピーマンが「うまい、うまい」と大好評だったそうな。
「おかげで会社からのパーティ用接待費はほとんど私のフトコロに。毛皮と宝石にバケたわ」とご機嫌でした。
団塊の世代の若かりし頃、海外に限らず、国内の僻地・遠隔地へ行くのにも単身赴任など思いもよりませんでした。何をやるにも、病気になっても頼れるのはパートナーのみの極限状況で、必死で「支えあった」思い出を持たれているご夫婦も多いと思います(2年で別れる芸能人夫婦とは根性が違いましたネ)。
親友の披露宴で花婿の上司たちに「あの花嫁はん、英語話せまっか?」と尋ねられ、そこはご祝儀気分で「外国人みたいにペーラペラ」と答えたら、即、花婿にロサンゼルス行きの内示です。
「僕、英語はからっきしダメです」と焦りまくるも、「お前なんかどうでもいい。奥さんが英語圏で暮らせるかどうかが問題だ」と一蹴。入国審査で絶句したというこの夫婦は、かの地で10年頑張ったというからご立派です。
妊娠中に赴任してニューヨークで出産した友人夫妻は、当時日本では知られていなかった「ラマーズ法立会出産」を強要されます。
予備知識も心構えもないまま分娩室に放りこまれた夫君は「ヒッヒッフー」のやりすぎで過呼吸になり、ほぼ失神。しかも産後2日目に出勤したら、「父親失格、離婚されるぞ」と同僚たちにしかられ、無理やり育児休暇をとらされたとか。パパの子育ての先駆者であります。
すし屋も日本料理屋も無い地に飛ばされた同級生は、だんなさまの仕事相手の接待とパーティの賄いに明けくれます。
巻きずし、スキヤキと一通り試したあげく、一番人気は天ぷらと判明。それも高価なエビや白身の魚は不人気で、最も安価のニンジン・玉ねぎ・ピーマンが「うまい、うまい」と大好評だったそうな。
「おかげで会社からのパーティ用接待費はほとんど私のフトコロに。毛皮と宝石にバケたわ」とご機嫌でした。
団塊の世代の若かりし頃、海外に限らず、国内の僻地・遠隔地へ行くのにも単身赴任など思いもよりませんでした。何をやるにも、病気になっても頼れるのはパートナーのみの極限状況で、必死で「支えあった」思い出を持たれているご夫婦も多いと思います(2年で別れる芸能人夫婦とは根性が違いましたネ)。
きっと効果てきめん、あと5〜10年ぐらいは持つんじゃないかと私は思うのですけど…。
(2009年3月27日)
- 宮本まき子先生ラジオ出演のお知らせ
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4月6日(月)18:00より、NHK FM(千葉県はメイン周波数80.7MHz)の「まるごと千葉60分」のコーナーに生出演されます。
テーマは「婚活? 熟年離婚? 変わりゆく家族事情」です。
どうぞご期待ください。