第55回 嬉しい誤算と困った誤算
言い訳とともに暮れ、グータラと明けた新年
「雑用がありすぎる、無理をして風邪をひいた、一年間の疲れがドッと出た、眠り姫のように眠い、2、3日遅れたって頼まれた仕事じゃないんだから・・・etc.」と無限に広がるアタクシの言い訳の数々。他人に厳しく(?)自分に甘い体質がバレバレであります。
年が明け、例年のごとくに1月2、3日はテレビの前でお座敷ブタになり、「箱根駅伝」を延々と観戦し、勝者と敗者にもらい泣きして、オバサンのささやかな正月は終わりました。これって、外出がおっくうになってきた世代の平均的な正月の過ごし方かもしれないから、たとえ経営危機に陥ったとしても、日テレ幹部の皆様。どうか「箱根駅伝」の完全中継だけは仕分け、リストラしないでくださいましね。
「欠席裁判」の噂は脚色されてどこまでも
時節柄、「忘年会」「新年会」と、同期の団塊世代が集う機会が続きました。「アイツどうしたんだろう?」という幽霊会員が何十年ぶりに姿を現すサプライズから、会の集合写真が定点観測になって毎年、髪の毛の後退ぶりがわかる常連もいます。出席者の顔ぶれはいつも同じで、「結局、いまが幸せだとか、まぁまぁ成功したとか言うやつしか出てこないんだよなぁ」という、これまた決まり文句が。
アタクシが万難排しても出かけるのは、うっかりすると「欠席裁判」されて、あることないこと、いろいろ噂されちゃうからでして・・・。
20年ほど前のこと、しばらく欠席し続けたら、「ダンナとの仲が危ないらしい」から始まった伝言ゲームが、いつしか「決定的な破局を迎えた」ところまで脚色されて、心配した友人たちから「アパートの無償提供」の申し出や「いい人がいるけど再婚する気はないか?」などという問い合わせがきてビックリしたことがありました。
「○○の奥さんは癌の最末期で落胆してる」とか「××は自己破産をして夜逃げしたらしい」などという噂を酒の肴にした翌月に、リュックを背負って元気よくトレッキングに出かける○○夫人や、ハワイのゴルフから真っ黒に日焼けして帰ってきた××氏にバッタリ出会ったりして・・・。ホンに欠席裁判ほどアテにならぬものはありませんわなぁ。
アタクシが万難排しても出かけるのは、うっかりすると「欠席裁判」されて、あることないこと、いろいろ噂されちゃうからでして・・・。
20年ほど前のこと、しばらく欠席し続けたら、「ダンナとの仲が危ないらしい」から始まった伝言ゲームが、いつしか「決定的な破局を迎えた」ところまで脚色されて、心配した友人たちから「アパートの無償提供」の申し出や「いい人がいるけど再婚する気はないか?」などという問い合わせがきてビックリしたことがありました。
「○○の奥さんは癌の最末期で落胆してる」とか「××は自己破産をして夜逃げしたらしい」などという噂を酒の肴にした翌月に、リュックを背負って元気よくトレッキングに出かける○○夫人や、ハワイのゴルフから真っ黒に日焼けして帰ってきた××氏にバッタリ出会ったりして・・・。ホンに欠席裁判ほどアテにならぬものはありませんわなぁ。
パラサイト・シングルと本音で話し合おう
さて、今回の新年会の話題はもっぱら「介護」と「結婚しない息子と娘」に集中しました。団塊の世代の親の平均年齢は90歳近く、子どもの平均年齢が30代後半です。全般に、親の長寿は「嬉しい誤算」で、パラサイトしている子どもの非婚は「困った誤算」ということらしい。「親を看て、子の世話もする」時間がまだまだ続くと思うと、「オチオチ年もとっていられない」から、実年齢より5歳は気分を若返らせている、でも体はキツイと口を揃えて言うんですねぇ。
なかでも、四捨五入すればアラフォーという娘を持っている親たちは「困った、困った」を連発するわりには一様に鷹揚で、「そのうちいい相手が出てくると思う」という希望的観測で締めくくっていました(浜崎あゆのような「突然婚」もアリなわけだし・・・)。
アタクシ思うに、もし根拠がない「そのうち」で、本音が「さっさと嫁に行け」なら、腫れ物に触るようにそっとしておくのではなく、できるだけ早急に娘と膝をつきあわせて徹底的に話し合ったほうがよろしい。時間は待ってくれません。確信犯的に「結婚しない」のか、たまたま「結婚できない」のかをハッキリさせておかないと、本人の意思と親の期待が完全にすれ違うことがよくあるからです。
なかでも、四捨五入すればアラフォーという娘を持っている親たちは「困った、困った」を連発するわりには一様に鷹揚で、「そのうちいい相手が出てくると思う」という希望的観測で締めくくっていました(浜崎あゆのような「突然婚」もアリなわけだし・・・)。
アタクシ思うに、もし根拠がない「そのうち」で、本音が「さっさと嫁に行け」なら、腫れ物に触るようにそっとしておくのではなく、できるだけ早急に娘と膝をつきあわせて徹底的に話し合ったほうがよろしい。時間は待ってくれません。確信犯的に「結婚しない」のか、たまたま「結婚できない」のかをハッキリさせておかないと、本人の意思と親の期待が完全にすれ違うことがよくあるからです。
精神年齢を男は三歳プラスし、女は三歳マイナスする
以前、カルチャーセンターで「結婚できない男女のための結婚講座」なるものを主催したことがあり、その時も感じたことですが、全般的に男は実年齢より年上に見られたがり、女は若く見られたがる傾向があります。同じ36歳でも「40代が目前で」という男と、「気分は30歳そこそこ」という女が自身の結婚観を語るとき落差が出るんですね。
「もう家庭に落ち着きたい男」と「恋や仕事をゲットしたい女」では、いつまでたっても話が交差してこない。実年齢を認めないと、同年齢での組み合わせはますます難しくなります。「子どもを欲しい男」が照準を年下女にあわせるのに対して、「パートナーが欲しい女」は年上から年下まで幅広く網を打ちます。で、獲物がかからないと「かったるい」「面倒くさい」「忙しい」と、棚上げしてしまいがち。建て前は「大人なんだから自分で決めること」なれど、実際は周囲がお膳立てしないと何の動きもなくなってしまうケースが多いのです。
「結婚だけが人生ではない」「人生、仕事だけで悔いはなし」「一人のほうが気楽」と並べ立てるわが子に対し、「本当にそのとおりだ」と心から同意できるなら、笑い飛ばしてもいいでしょう。
「家族は努力して作るもの、大事にするもの」「仕事だけが人生じゃない」と、おなかの中で思っていたら、それを口に出して言ってみましょう。人生を積んだ重みのある言葉で指摘されて初めて、若者は「自分の発想で自分の暮らしの設計」を考えることができるのだと思います。
次回は、1月28日(金)掲載予定です。
「もう家庭に落ち着きたい男」と「恋や仕事をゲットしたい女」では、いつまでたっても話が交差してこない。実年齢を認めないと、同年齢での組み合わせはますます難しくなります。「子どもを欲しい男」が照準を年下女にあわせるのに対して、「パートナーが欲しい女」は年上から年下まで幅広く網を打ちます。で、獲物がかからないと「かったるい」「面倒くさい」「忙しい」と、棚上げしてしまいがち。建て前は「大人なんだから自分で決めること」なれど、実際は周囲がお膳立てしないと何の動きもなくなってしまうケースが多いのです。
「結婚だけが人生ではない」「人生、仕事だけで悔いはなし」「一人のほうが気楽」と並べ立てるわが子に対し、「本当にそのとおりだ」と心から同意できるなら、笑い飛ばしてもいいでしょう。
「家族は努力して作るもの、大事にするもの」「仕事だけが人生じゃない」と、おなかの中で思っていたら、それを口に出して言ってみましょう。人生を積んだ重みのある言葉で指摘されて初めて、若者は「自分の発想で自分の暮らしの設計」を考えることができるのだと思います。
次回は、1月28日(金)掲載予定です。
(2011年1月14日)
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宮本まき子先生の書籍
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
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