第32回 金の切れ目が親子の縁の切れ目?
結婚しても経済的なへその緒はつながったまま
12月に「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
という本を出版。各社の担当編集から「意外に骨太」「新家族論だね」とおおむね好評で、週刊新潮にも書評を載せてもらいました。おもしろいのは30代の若い読者がそろって反応したのが「現代は物理的に距離を持ちながら金ヅルでつながっている(見えにくい)大家族システムである」というくだりだったようです。
民間の経済研究所や生命保険会社、厚生労働省などの資料をかきあつめて数値を出したところ、最近の既婚者の4人に3人が親から結婚資金(披露宴や新婚旅行の費用、新生活の準備、アパートの敷金や家賃など)の援助を受けていました。20代の男性の約40%が貯蓄ゼロかスズメの涙程度の預金なので、親は出さざるを得なかったようですが、子ども世代のほとんどか「援助ではない、お祝金だ」と思っている。引け目も恩義も感じていない様子なんですね。(ケシカラン!)
この傾向は結婚後も続き、親と同居または隣居する場合は40%以上が月に5〜7万円の生活援助を受けているとか。(ますますケシカラン!)結婚後の4人に1人が住宅ローン、家賃、生活費など、日常的な支援を受けているというデータ(1995年調べ)もあります。20代の平均年収が250〜350万円なのに対し、50代のそれが600万円前後ですから、子ども世代が「うちは合計800〜1000万円の年収の中流生活」と錯覚しちゃうんですね。(図々しい!)こと、「家計」に関してはへその緒が切れていないようなのです。
民間の経済研究所や生命保険会社、厚生労働省などの資料をかきあつめて数値を出したところ、最近の既婚者の4人に3人が親から結婚資金(披露宴や新婚旅行の費用、新生活の準備、アパートの敷金や家賃など)の援助を受けていました。20代の男性の約40%が貯蓄ゼロかスズメの涙程度の預金なので、親は出さざるを得なかったようですが、子ども世代のほとんどか「援助ではない、お祝金だ」と思っている。引け目も恩義も感じていない様子なんですね。(ケシカラン!)
この傾向は結婚後も続き、親と同居または隣居する場合は40%以上が月に5〜7万円の生活援助を受けているとか。(ますますケシカラン!)結婚後の4人に1人が住宅ローン、家賃、生活費など、日常的な支援を受けているというデータ(1995年調べ)もあります。20代の平均年収が250〜350万円なのに対し、50代のそれが600万円前後ですから、子ども世代が「うちは合計800〜1000万円の年収の中流生活」と錯覚しちゃうんですね。(図々しい!)こと、「家計」に関してはへその緒が切れていないようなのです。
ハゲタカ若夫婦の計算違い
年収が300万円の若夫婦所帯に200万円の新車があり、家賃が10万円の借家でエアコンを3台稼働させて、夫婦のケータイも含めた電話代・インターネット接続料が合計5万円になってもケロリとしているのは、ローンや家賃、光熱費の引き落としが親の口座だからという話。子どもを連れてのイベントや遊園地などの行楽費用も全て老親が払って当たり前、「さもなきゃ一緒に連れて行ってやらないもん」と開き直りもはなはだしい。(なんと甘いやっちゃ!)
ここに幼稚園の費用や塾の月謝、そのうち私立学校の教育費などが加わってきて、祖父母の通帳がみるみるやせ細っていくのですが、子どもは気にせず孫は知らず。定年退職すると今度は退職金と年金が「ハゲタカ若親夫婦」の獲物になっていくんですね。(あな、恐ろしや…)
つまり、「金の切れ目が(親子の)縁の切れ目になるおそれがあるので、生活費に組み込まれて、しかも預金口座から定期的に落ちていくような、「見えにくい援助」はおやめなさい。週末にファミレスでごちそうしたり、おもちゃや自転車でもプレゼントするくらいの「見える援助、その場で感謝される援助」までにしておきなさいと新刊書の中でアピールしたわけです。(同感の諸君は拍手をどうぞ、パチパチ…)
「無ければ無いように暮らす」ことを教えよう
この「ゆるやかに金ヅルでつながる大家族」に「あれっ?」と首をかしげるのは団塊の世代あたりまででしょうか。親はやがて「持たざる頼りなきヒト」、成長した子は「支えるたくましいヒト」になるはずが、いつのまに逆転しちゃったのかしらン?(鳩山サンちでは、そんなこと不思議に思わなかったのかしらねぇ)
アタクシがどうしても納得がいかないのは、実収入以上の生活を享受しているのを実感できておらず、親夫婦世代が爪に火をともす思いで捻出する援助金を「当然の分け前」として遊興費に使っちゃう子夫婦世代の無神経さです。「楽しいことをやるのに、親の金をローンで借りるようなもの。そのうち老後の世話という実働で返すから」なんて殊勝なセリフに親はホロリと感涙しちゃダメよ。スズメの涙金で何ができるものですか。
まだまだ続く不況の中、貧しさを体感したことのある団塊世代は「あるときはあるように暮らす、無いときは無いように暮らす」という大原則を、アホ息子・アホ娘たちにわからせなくちゃいけません。
一本の大根の葉っぱの先からしっぽまで使い尽くし、電気代の節約に湯たんぽに布団をかけてコタツ代わりにした自分たちの新婚時代を思い出してみるべし。ラーメン屋で一皿の餃子を分け合って、「早く一皿ずつ食べたいね」とささやきあう苦しかったけど夢があった時代があったからこそ、今のささやかな豊かさが嬉しい。私たちはそのことを忘れちゃいけません。
次回は、2月12日(金)掲載予定です。
アタクシがどうしても納得がいかないのは、実収入以上の生活を享受しているのを実感できておらず、親夫婦世代が爪に火をともす思いで捻出する援助金を「当然の分け前」として遊興費に使っちゃう子夫婦世代の無神経さです。「楽しいことをやるのに、親の金をローンで借りるようなもの。そのうち老後の世話という実働で返すから」なんて殊勝なセリフに親はホロリと感涙しちゃダメよ。スズメの涙金で何ができるものですか。
まだまだ続く不況の中、貧しさを体感したことのある団塊世代は「あるときはあるように暮らす、無いときは無いように暮らす」という大原則を、アホ息子・アホ娘たちにわからせなくちゃいけません。
一本の大根の葉っぱの先からしっぽまで使い尽くし、電気代の節約に湯たんぽに布団をかけてコタツ代わりにした自分たちの新婚時代を思い出してみるべし。ラーメン屋で一皿の餃子を分け合って、「早く一皿ずつ食べたいね」とささやきあう苦しかったけど夢があった時代があったからこそ、今のささやかな豊かさが嬉しい。私たちはそのことを忘れちゃいけません。
次回は、2月12日(金)掲載予定です。
(2010年1月22日)
- お知らせ
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宮本まき子先生の新刊本が、12月16日、PHP研究所より出版されました。
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
ご注文の際は、直接出版元にお問い合わせください。
※書店でのお取り扱いはありません
ご連絡先 : PHP研究所 通販普及課 マナビカ係 075-681-8818
「PHP子育てNet」
ホームページからもご購入できます。 -
宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/