第48回 山路をのぼりながら(最近のニュースを)こう考えた
選挙のプロより政治のプロこそ現れて
「情に棹させば流される」民主党代表選挙は、ポイント得点では「大差」ということだけど、「国会の勢力は真っ二つだったのか」ということがハッキリしてきました。ギリギリまで票が読めなかったというのは、二人の政策・信条・品格などで「この人に心酔」となったわけでなく、日和見的に「勝ち馬に乗る」「沈みかけた船から逃げ出す」ことにきゅうきゅうとしていた国会議員もいたということでしょう。私ら凡人にはそのへんがイマイチわかりにくく、ときには、何考えてんじゃとあきれることがあります。「思ったより国会議員の票が少なかったのがショックだった」と小沢陣営は口を揃えるけど、党員・サポーター票が少なかったのはショックじゃなかったんですか?
「一般人は烏合の衆」扱いなら、サポーター諸君はもっと怒ったほうがよろしい。今回かかわった民主党関係者は31万人ですが、「一国の総理を決める」オセロゲーム的選挙に、完全に締め出しをくった1億420万人の総有権者こそ、もっと怒ってもいいと私は思います。
3か月前に政府をガタガタにして「今期で引退したい」なんて漏らしていた元首相がゾンビみたにによみがえり、ひっかきまわして2週間も政治空白をこしらえたのだから、早急に予算審議等を再開して、徹夜国会をしてでも山積する政治、経済社会問題を解決してください。いま国民が本当に必要としているのは「選挙のプロ」ではなく、「政治のプロ」だということを肝に銘じてほしいですね。
3か月前に政府をガタガタにして「今期で引退したい」なんて漏らしていた元首相がゾンビみたにによみがえり、ひっかきまわして2週間も政治空白をこしらえたのだから、早急に予算審議等を再開して、徹夜国会をしてでも山積する政治、経済社会問題を解決してください。いま国民が本当に必要としているのは「選挙のプロ」ではなく、「政治のプロ」だということを肝に銘じてほしいですね。
超高齢者が幽霊在籍する戸籍制度は必要か?
200歳の老人の戸籍が残っていると聞いて、日本の戸籍制度の不備に苦笑した方も多いかもしれません。明治生まれだった私の祖母は縁談といえばすぐに「戸籍謄本を見せて」と急かせた人でした。「本籍地はどこか」「当人が嫡子(正妻の子)か庶子(妾の子)かを調べる」「親類縁者に怪しげな人がいれば断る」のを原則にしていましたから、昔の人は「お役所仕事の正確さ」に絶対的な信頼を寄せていたんですね。
20年ほど前でも、会津藩士を先祖に持つという百歳近い祖父が孫娘の恋人の本籍地が山口県と知るや、「幕末の遺恨がある。長州との縁組は絶対にまかりならぬ」と怒り狂ったと福島県に住む知人が嘆いていましたから、戸籍は本来、ご先祖さまもご一緒にいるところなのでしょう。本籍地を自由に動かせる現代では、住民票とさしてかわらない存在価値になりつつあります。戸籍制度の存続も含めて、そろそろ検討の時期に入ってもいいのではないかと思います。
20年ほど前でも、会津藩士を先祖に持つという百歳近い祖父が孫娘の恋人の本籍地が山口県と知るや、「幕末の遺恨がある。長州との縁組は絶対にまかりならぬ」と怒り狂ったと福島県に住む知人が嘆いていましたから、戸籍は本来、ご先祖さまもご一緒にいるところなのでしょう。本籍地を自由に動かせる現代では、住民票とさしてかわらない存在価値になりつつあります。戸籍制度の存続も含めて、そろそろ検討の時期に入ってもいいのではないかと思います。
話は飛びますが、40年前に一週間ほど滞在した京都の二条城近くの町屋には、幕末の勤王の志士が斬り合いでつけたという傷が柱に残っておりました。友人の下宿にころがりこんで安上がりな京都見物をしていたのですが、家主のおばあちゃまが「うちかて昔のご本がぎょうさんありましてん」と自慢なさるんですね。「この間の戦争でみんな焼かれてしもうて…」とさかんに口惜しがる。「えっ、京都も米軍の空襲にあったんですか?」と驚くと、無知な女子大生を哀れむような口調で「何言うてますの、鳥羽・伏見の焼き討ちですワ」とシレッとしておっしゃる。うーむ、150年前が「この間」なら、彼女の「昔」は応仁の乱のへんまでさかのぼるのかもしれない。聞けば家の系図は寺に残る過去帳で400年は辿れるというから、戸籍簿もまっつあぉ、「恐るべし、京都」でありました。
究極のエコライフは高齢者に学ぼう
このおばあちゃま(ご存命であれば110歳以上)の暮らしぶりはいまでいう「エコライフ」、当時の下宿学生たちは「ケチ、シマツヤ」と噂していましたが、ともかく徹底していました。作って出してくれる食事は一汁一菜、美味しかったけど余りようがないほど量が少なくて、きれいさっぱり平らげてしまいました。彼女が着ているものはよそ行き以外はすべてお嫁入りしたときのキモノの(何度もの)染め直し、縫い直しで、モトの模様などわからないほど黒っぽくて、和風「魔女」のごとしです。膝や肩が傷めば縫い直し、継ぎ直しして、生地が少なくなれば羽織や前掛けになり、手製割烹着になり、やがて座布団生地になって最後は竈へ。ちり紙や紙くずはもちろん、野菜の切りくずやミカンの皮まで全部日に干してカラカラにしてから、これまたオクドサンという竈にくべて燃やし、薪を節約します。竈の灰は水にひたしてうわずみをとり、これが食器を洗う洗剤になりました。油などさっぱりと落ちましたね。小さな庭と植木鉢の植栽はよく見ると豆や茄子やカボチャで、緑と花を楽しむと食材になり、枯れたあとはこれも薪になります。
次回は、10月8日(金)掲載予定です。
(2010年9月24日)
- お知らせ
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宮本まき子先生の新刊本が、12月16日、PHP研究所より出版されました。
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
ご注文の際は、直接出版元にお問い合わせください。
※書店でのお取り扱いはありません
ご連絡先 : PHP研究所 通販普及課 マナビカ係 075-681-8818
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http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/