第54回 ゆく年、くる年、思う年
あな嬉し、ケータイからの悩ましき声
1歳半になる孫が、おそろしいほどの観察力と集中力で次々に生活力(?)をつけていくのは知っていましたが、まさかアタクシのケータイの「リダイヤル」を押してジージにラブ・コールを送っていたとは驚きです。このぶんでは娘夫婦のケータイのボタンもあちこち押して、「アハーン・・・」と悩ましい声をそこいら中に残していたに違いありません。
日本中の赤ちゃんが同じようなことをしてくれて、「もしかして、これは彼女の吐息かため息か・・・?」と、ほんの一瞬でもときめいちゃったりする紳士諸君が大勢いたりしてネ。ちょっぴり心寂しき熟年世代にそんな「楽しい誤解」のクリスマスプレゼント&お年玉が届くことを期待して、何はともあれ、団塊世代・熟年世代のみなさま。「メリー・クリスマス!」ついでに「新年あけましておめでとうございます」
ゆく年くる年、アタクシの思うこと
いやはや、2010年もいろいろありました。数年前の年金記録の大量紛失あたりから、国民の多くが政府への信頼を疑い始めました。昨年は過大な期待とともに民主党へと日本国丸の舵取りを取り替えてみたけど、鳩山氏という「摩訶不思議に言葉の軽い政治家」に振り回され、その後、顔のいい管氏がとってかわっても、船底にあいた穴は即座には修復不能。ああでもない、こうでもないと議論ばかりするうちに、穴はもっと大きく崩壊していく気配じゃありませんか。
政治経済のプロや評論家でも「やばい、本当に沈むんじゃないか?」と浮き足立ってくる人、ベテラン政治家でも「もういい、誰が船頭をやっても同じだ、沈まばもろとも」と自暴自棄に開き直る人が続出しました。でも「実のところ、いま、どうなってんの?」と疑似タイタニック号の船底、三等船室の通路で迷って当惑しているアタクシが、2010年のもっとも平均的な日本人だったような気がします。
「情報は山のようにあるが、本当に必要な情報が出ていない。解決策も山のようにあったが、どれも決定的な解決にならなかった」という混迷の時代にまっとうな日本人にできることは何か?来年のアタクシの課題になりそうです。
政治経済のプロや評論家でも「やばい、本当に沈むんじゃないか?」と浮き足立ってくる人、ベテラン政治家でも「もういい、誰が船頭をやっても同じだ、沈まばもろとも」と自暴自棄に開き直る人が続出しました。でも「実のところ、いま、どうなってんの?」と疑似タイタニック号の船底、三等船室の通路で迷って当惑しているアタクシが、2010年のもっとも平均的な日本人だったような気がします。
「情報は山のようにあるが、本当に必要な情報が出ていない。解決策も山のようにあったが、どれも決定的な解決にならなかった」という混迷の時代にまっとうな日本人にできることは何か?来年のアタクシの課題になりそうです。
なぜに人気か「ゲゲゲの女房」と「坂の上の雲」
今年のNHK制作の朝ドラとスペシャルドラマは社会現象となるほどの人気でした。原因の一つは週刊新潮(12月23日号)が指摘したように、他局のテレビ番組の幼児化現象でっしゃろね。
スポンサー収入が減り、製作費が大幅に削られ、脚本も出演者もレベルダウンして子どもだましで、「おとなの鑑賞に堪えうる作品」が出てこない。「テレビはつまらない」「ドラマの原作がコミックばかり」という批判の中で、この2作品に共通していたのはブレない脚本の中の「貧乏なんかこわくない」という体験的主張と、「友情や家族の温かさ」への憧れでした。
「ゲゲゲ・・・」はモデルのご夫婦が健在で成功されているのだから、結果はわかっているのに「大丈夫か?米もない、味噌もないで、子どもは育つのか?」といい年した男たちまでが毎朝ハラハラ。娘の危機とばかりに乗り込んでくる頑固おやじ(大杉漣、役者だった!)の心情も泣かせてくれましたねぇ。
スポンサー収入が減り、製作費が大幅に削られ、脚本も出演者もレベルダウンして子どもだましで、「おとなの鑑賞に堪えうる作品」が出てこない。「テレビはつまらない」「ドラマの原作がコミックばかり」という批判の中で、この2作品に共通していたのはブレない脚本の中の「貧乏なんかこわくない」という体験的主張と、「友情や家族の温かさ」への憧れでした。
「ゲゲゲ・・・」はモデルのご夫婦が健在で成功されているのだから、結果はわかっているのに「大丈夫か?米もない、味噌もないで、子どもは育つのか?」といい年した男たちまでが毎朝ハラハラ。娘の危機とばかりに乗り込んでくる頑固おやじ(大杉漣、役者だった!)の心情も泣かせてくれましたねぇ。
無縁社会の不安の中で「縁あって」を再確認する
「坂の上・・・」でも、ひたすら弟を案じる年長の兄と、「あにさん」を尊敬して慕うやんちゃな弟の兄弟愛が主軸となっています。第8話では兄弟夫婦ら親子三代を前にして総領の当主が「縁あってみんなが秋山家の人になったこと」への感謝の念が語られました。
大家族制が実質崩壊してだいぶ経ちます。夫の兄弟姉妹を心情的には「自分の家族」とカウントしない若妻が100%近くになり、盆暮れには夫も妻もそれぞれの実家に「里帰り」するのが普通になった現代で、「縁あって家族」の言葉の重さはズシンと心に響いたことでしょう。いわんや、親類縁者との付き合いが疎遠になり、親子でさえ長い間連絡をとりあっていない。葬儀や遺骨の引き取りも拒否されてしまう「無縁社会」が身近にある現代人には、「もう一度、あそこに戻ってもいいんじゃないか」と家族観を見直したくなる作品なのだろうと思います。
大家族制が実質崩壊してだいぶ経ちます。夫の兄弟姉妹を心情的には「自分の家族」とカウントしない若妻が100%近くになり、盆暮れには夫も妻もそれぞれの実家に「里帰り」するのが普通になった現代で、「縁あって家族」の言葉の重さはズシンと心に響いたことでしょう。いわんや、親類縁者との付き合いが疎遠になり、親子でさえ長い間連絡をとりあっていない。葬儀や遺骨の引き取りも拒否されてしまう「無縁社会」が身近にある現代人には、「もう一度、あそこに戻ってもいいんじゃないか」と家族観を見直したくなる作品なのだろうと思います。
最後の最後にヒトを救い上げる心のセーフティ・ネットは「愛」であり、実際に動くのは「ヒトの手」であり、基盤は「家族」であるという私の持論を再確認したドラマでありました。
次回は、1月14日(金)掲載予定です。
次回は、1月14日(金)掲載予定です。
(2010年12月24日)
- お知らせ
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宮本まき子先生の新刊本が、12月16日、PHP研究所より出版されました。
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
ご注文の際は、直接出版元にお問い合わせください。
※書店でのお取り扱いはありません
ご連絡先 : PHP研究所 通販普及課 マナビカ係 075-681-8818
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宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/