第36回 ペットの効用と存在理由
ヨークシャテリアより手がかかるヒトがいればペットは不要
「あなたのところはペットを飼わないの?」とよく尋ねられます。飼いたい!とこのン十年間、どれほど願ったことでしょう。獣と名のつくものを毛嫌いした父親に育てられ、女子大の寮は全てのオスが敷地内立ち入り禁止、結婚後はペット厳禁の貸家を転々としました。その間、1年間だけ田舎の戸建ての官舎に住んだとき、隣の家のネコちゃんが引越しで取り残されたのを見かねて引き取ったことがあります。
雑種ながら真っ白な毛並みでブルーの瞳の美ニャン子君は「我輩は猫である」という認識に欠けていて、「ごはんですよ」と呼べば真っ先に娘の幼児用椅子にちょこんと座り、夜は娘の布団にもぐりこんで娘を蹴落とし、自分が枕をして眠っておりました。
雑種ながら真っ白な毛並みでブルーの瞳の美ニャン子君は「我輩は猫である」という認識に欠けていて、「ごはんですよ」と呼べば真っ先に娘の幼児用椅子にちょこんと座り、夜は娘の布団にもぐりこんで娘を蹴落とし、自分が枕をして眠っておりました。
トイレは玄関前の畑にこだわります。夜中に尿意があるとうるさく鳴きますが、無視しているとタンスの上から布団をめがけてドーンとダイブ。おこしてドアを開けさせる知恵があり、私は年中睡眠不足でした。
つまり、ほとんど「ペット」の役割をしていないのですが、やることだけはちゃんとやっていたらしく、近所のメス猫が産んだ子猫たちの片目がブルーだったとかで、「責任をとってくれ」とねじこまれたこともありました。この野生児ネコちゃんの生き生きとした楽しい生活を思い出すにつけ、マンションの一室にペットを閉じ込めるなんてとてもようできません。次に飼うのは野原の一軒家に住むときと決めております。
それに我が家にはヨークシャテリアよりもっと手がかかるのが「ボクをかまって、かまって」「ごはん、お茶」とうるさく飛び跳ねていますからねぇ。いまのところ、こちらの世話だけで精一杯ですのよン。
つまり、ほとんど「ペット」の役割をしていないのですが、やることだけはちゃんとやっていたらしく、近所のメス猫が産んだ子猫たちの片目がブルーだったとかで、「責任をとってくれ」とねじこまれたこともありました。この野生児ネコちゃんの生き生きとした楽しい生活を思い出すにつけ、マンションの一室にペットを閉じ込めるなんてとてもようできません。次に飼うのは野原の一軒家に住むときと決めております。
それに我が家にはヨークシャテリアよりもっと手がかかるのが「ボクをかまって、かまって」「ごはん、お茶」とうるさく飛び跳ねていますからねぇ。いまのところ、こちらの世話だけで精一杯ですのよン。
他者の世話を焼くものは自分の面倒をみない
ヒトというのは徹底的に誰かの面倒をみちゃうタイプと、徹頭徹尾「自分」の面倒しかみないタイプの二種類に分かれるようです。後者はいわずとしれた「わがまま、自己チュー、お山の大将俺一人タイプ」。前者は多くの場合、「底抜けにお人よし、優しさのバーゲンセール中、尽くして尽くして報われないタイプ」だとか。これはその成育歴に問題アリで、「本当は自分がそうやって面倒みられたいのに、やってもらえない代償行為で無意識に他者の面倒をみる」という複雑な心理が働いていると言われます。
例えば最年長の姉や兄で、幼い時もっと親たちに世話をされたかったけど、結局は下の弟や妹の面倒をよく見た「総領タイプ」とか、子ども時代に病弱だったり、多忙すぎる親を助けて「親孝行な子だ」とほめられたようなヒトたちがこのパターンを繰り返すのです。
心の中の幼かったころの自分は「ホントはね、抱きしめて甘えさせてほしかった。あれもこれもやりたいようにやらせて欲しかった。子どもらしい子どもでいたかった!」と本音を叫んでいるんだけど、行動は「そうやってほしかった幻の親」をやってしまうらしい。こういうタイプがわがままな配偶者や介護の必要な親を持つと、自分のことは後回しにしてとことん「尽くしちゃう」傾向があります。そしてそのわりには「報われなかった求愛行動」にへこんじゃうんですね。
心理学では「他者の世話をよくみるヒトは自分の面倒をみない」と言われます。自分はどうもそういうタイプらしい、今ドツボにはまっていると気がついたら、過労死する前に小休止してみたらいかがざんしょ。
例えば最年長の姉や兄で、幼い時もっと親たちに世話をされたかったけど、結局は下の弟や妹の面倒をよく見た「総領タイプ」とか、子ども時代に病弱だったり、多忙すぎる親を助けて「親孝行な子だ」とほめられたようなヒトたちがこのパターンを繰り返すのです。
心の中の幼かったころの自分は「ホントはね、抱きしめて甘えさせてほしかった。あれもこれもやりたいようにやらせて欲しかった。子どもらしい子どもでいたかった!」と本音を叫んでいるんだけど、行動は「そうやってほしかった幻の親」をやってしまうらしい。こういうタイプがわがままな配偶者や介護の必要な親を持つと、自分のことは後回しにしてとことん「尽くしちゃう」傾向があります。そしてそのわりには「報われなかった求愛行動」にへこんじゃうんですね。
心理学では「他者の世話をよくみるヒトは自分の面倒をみない」と言われます。自分はどうもそういうタイプらしい、今ドツボにはまっていると気がついたら、過労死する前に小休止してみたらいかがざんしょ。
ペットには「報酬」を求めないからストレスがない
「親孝行」を自認するヒトこそペットを飼ったらよろしいのです。人間になら「何でこんなことを!」と憤るところが、「この脳みその大きさじゃ、しょうがないか」と思ったり、「あんた手がなくて足ばっかりだから、水道の栓もまわせないのね」と鷹揚になれます。第一、「世話したのだから感謝してほしい」という潜在的な欲求も「言葉をしゃべれないのだから仕方ない」と諦めがつきます。それに誰も動物に「私の面倒をみて」なんて思わないし、熱心に世話しても「報酬」を求めないからストレスもありません。これこそペットの効用でしょう。
それでも諸事情で飼えないというヒトは、アタクシのように身近な誰かさんを、騒がしいヨークシャテリアだと思えばよろしいのです。
次回は、4月9日(金)掲載予定です。
それでも諸事情で飼えないというヒトは、アタクシのように身近な誰かさんを、騒がしいヨークシャテリアだと思えばよろしいのです。
次回は、4月9日(金)掲載予定です。
(2010年3月26日)
- お知らせ
-
宮本まき子先生の新刊本が、12月16日、PHP研究所より出版されました。
「自分も幸せになる「姑道」十カ条」
ご注文の際は、直接出版元にお問い合わせください。
※書店でのお取り扱いはありません
ご連絡先 : PHP研究所 通販普及課 マナビカ係 075-681-8818
「PHP子育てNet」
ホームページからもご購入できます。 -
宮本まき子先生へのお問い合わせはホームページから
http://homepage3.nifty.com/makiko-miyamoto/