介護について理解と認識を深め、国民への啓発を重点的に実施するための日として、介護の日が11月11日に決められたのが、今から3年前。今年の「いい日、いい日」も全国各地で介護にちなんださまざまな取り組みがなされました。
今回はそのなかでも、2005年から先駆けて介護の日をつくり、啓発に取り組んできた「がんばらない介護生活を考える会」によるセミナーを紹介します。
今回はそのなかでも、2005年から先駆けて介護の日をつくり、啓発に取り組んできた「がんばらない介護生活を考える会」によるセミナーを紹介します。
Vol.106 2011年11月11日は「介護の日」――全国各地でイベント開催される
介護とは、相手の身になって考えること
2011年11月11日と1が6つ並んだ今年は、東日本大震災の爪痕も癒されない中、助けあいと自立をテーマに、東京・イイノホールで多くの来場者を迎えての開催です。前半は、がんばらない介護生活を考える会の委員代表である鎌田實さんによる「助けあいで、希望の持てる社会へ」と題した講演です。
来場者に対して鎌田さんが強調したのは、「相手の身になって考える」こと。鎌田さん自身、37年前に寝たきり老人をみた際、自分だったらこの状態はつらいなと思い、看護・介護の手を差し伸べてきました。「介護が入ると、寝たきり老人がいきいきしてきたんです」と鎌田さん。その後も、日本発の高齢者デイケアを立ち上げるなど、自分に置き換えて考え、実践してきたといいます。
来場者に対して鎌田さんが強調したのは、「相手の身になって考える」こと。鎌田さん自身、37年前に寝たきり老人をみた際、自分だったらこの状態はつらいなと思い、看護・介護の手を差し伸べてきました。「介護が入ると、寝たきり老人がいきいきしてきたんです」と鎌田さん。その後も、日本発の高齢者デイケアを立ち上げるなど、自分に置き換えて考え、実践してきたといいます。
社会とつながり、支え合える人
話は3月11日の東日本大震災にも触れ、石巻と福島に応援に行った際には、被災者が今、何を欲しているかを考え、おでんとビールを持参し、被災者に大変喜ばれたそうです。
講演の最後には、ピック病を抱えた茅ヶ崎市役所の元職員・中村成信さんを壇上に迎え、認知症の人が地域とつながり、暮らしていくことの大切さを伝えました。先日、中村さんが著した本「ぼくが前を向いて歩く理由」には「ぼくが人とのつながりで大切にしているのは、相手の立場になって、その人が喜んでくれることをすること。」とあります。決して「介護をされる人」ではなく、社会とつながり、支え合える人になるという中村さんの強い決意が伝わってきます。
明日からどのように考え、行動するのか
皆さんの中にも、各地で行われたイベントに参加された人がいるかもしれません。こうしたイベントは得てして打ち上げ花火に終わりですが、大切なことは何を感じ、何を持ち帰り、何を実践するかです。「がんばらない介護生活を考える会」のセミナーでは、何かを感じている来場者が多かったように思えます。明日からどのように考え、行動するのか、それは皆さん次第です。
介護をする人、される人だけではなく、社会全体で考えて行動していくきっかけになれば、幸せな介護生活への第一歩を踏み出すことができます。