1999年に福島で開催された第1回を皮切りに、高齢者施設のユニットケアを後押ししてきた全国セミナーも、今年で12回目を迎えました。今回はユニットケアのみならず、「施設の暮らし」をテーマに、デイサービスや宅老所、自治体などからの発表と、バラエティに富んだ内容となりました。
Vol.90 ユニットケアの出口は地域?―
第12回ユニットケア全国セミナー開催
管理職らの参加も目立った今回のセミナー
600名余りの参加者を集めた今回の全国セミナー。ユニットケアセミナーといえば現場の職員の参加が多いのが特徴でしたが、今回は施設長などの管理職の参加が目立つと、セミナー実行委員長の武田和典さんはいいます。
分科会には「これからの施設経営」を考えるコースもあり、また一歩すすんだ地域とのかかわりを模索する施設に向けた、デイサービス・夢のみずうみ村やつどい場さくらちゃん、井戸端介護といった宅老所の実践発表があったことが、管理職らの心を動かしたのかもしれません。
なかでも豊重哲郎さんによる鹿児島県の柳谷自治体(やねだん)の実践発表は、限界集落寸前だった柳谷集落を再生した軌跡として、過疎化に悩む地域の施設には、役割づくりや世代間交流の良いヒントとなったことでしょう。
分科会には「これからの施設経営」を考えるコースもあり、また一歩すすんだ地域とのかかわりを模索する施設に向けた、デイサービス・夢のみずうみ村やつどい場さくらちゃん、井戸端介護といった宅老所の実践発表があったことが、管理職らの心を動かしたのかもしれません。
なかでも豊重哲郎さんによる鹿児島県の柳谷自治体(やねだん)の実践発表は、限界集落寸前だった柳谷集落を再生した軌跡として、過疎化に悩む地域の施設には、役割づくりや世代間交流の良いヒントとなったことでしょう。
「ユニットケア」全国セミナーとしての存在感
とはいうものの、全国を見渡せば、これからユニットケアに取り組む、取り組んでいるけれどうまくいかないという施設が未だ多数あるのも事実です。こうした施設の職員がヒントを求めて参加したのならば、少し違和感を感じるかもしれません。ある施設長は「私たちはユニットケアの先ということで地域づくりなどもしているが、ユニットケア自体をおろそかにすれば、そこから漏れてしまう施設が出てしまう」との危惧を漏らしていました。
本大会はその名のとおり、ユニットケアを応援するのが本筋。どの層に焦点を絞るのかは悩ましいところですが、愚直なまでにユニットの直接的ケア・変革を応援することで、全体の底上げにつなげることが役割なのではないでしょうか。
なお来年は、同時期に同じ名古屋の地で開催される予定です。
本大会はその名のとおり、ユニットケアを応援するのが本筋。どの層に焦点を絞るのかは悩ましいところですが、愚直なまでにユニットの直接的ケア・変革を応援することで、全体の底上げにつなげることが役割なのではないでしょうか。
なお来年は、同時期に同じ名古屋の地で開催される予定です。