このマーク、ご存じですか?文字通り、介護している方がつけるマーク。よく見ると、介護の介の字が、介護をしているイラストになっています。
これは静岡県が4月から発行する「介護マーク」。NHKなどのニュースでも話題になったので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
先日、中央法規が発行している介護職のための専門誌「おはよう21」の取材に同行し、「介護マーク」に込められた思いを静岡県長寿政策局の皆さんに伺ってきましたので、その内容をけあサポで少しだけご紹介したいと思います。
※詳細は「おはよう21」7月号(5月27日発売)をご覧ください。
これは静岡県が4月から発行する「介護マーク」。NHKなどのニュースでも話題になったので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
先日、中央法規が発行している介護職のための専門誌「おはよう21」の取材に同行し、「介護マーク」に込められた思いを静岡県長寿政策局の皆さんに伺ってきましたので、その内容をけあサポで少しだけご紹介したいと思います。
※詳細は「おはよう21」7月号(5月27日発売)をご覧ください。
Vol.95 静岡発「介護マーク」
思いやりの輪よ、全国へ
静岡県健康福祉部長寿政策局、宮城島局長(左)が持っているのが実物大。大石課長(右)が持っている大きい方は宣伝用です。
県民の声がきっかけに
事の発端は、今から遡ること1年半、定期的に行われている県民とのタウンミーティングで、認知症家族会との対話をしたときのことでした。
「夫が妻を介護をしているとき、トイレや下着売り場で不審な目で見られる」
家族会から何とかできないかとの要望を受け、県は検討に乗り出します。
「今までは認知症の方が外へ出ることは少なかったが、時代の流れでそういった方々が外出するようになった。男性の介護者も増えており、特に認知症のような内部障害や内部疾患がある人の介護は、車イスや白杖もなく周囲にわかりにくい。そこで、介護をしていることが分かるものができないかと知恵を絞りました。」(宮城島局長)
その後、国の「認知症を支える地域モデル事業」として300万円の予算をつけることができ、家族会との意見交換を経て、ようやく今年4月から県内の市町村を通じ、要望のある家族に無償配布することになりました。
「夫が妻を介護をしているとき、トイレや下着売り場で不審な目で見られる」
家族会から何とかできないかとの要望を受け、県は検討に乗り出します。
「今までは認知症の方が外へ出ることは少なかったが、時代の流れでそういった方々が外出するようになった。男性の介護者も増えており、特に認知症のような内部障害や内部疾患がある人の介護は、車イスや白杖もなく周囲にわかりにくい。そこで、介護をしていることが分かるものができないかと知恵を絞りました。」(宮城島局長)
その後、国の「認知症を支える地域モデル事業」として300万円の予算をつけることができ、家族会との意見交換を経て、ようやく今年4月から県内の市町村を通じ、要望のある家族に無償配布することになりました。
介護マークに込めた「さりげない思いやりの心」
「また、このマークは女性のトイレに入れるなどの免罪符ではありません。お年寄りの運転者のもみじマークや、妊婦さんがつけるマタニティマークと同じように、周囲に何気なく気づいてもらい、思いやりを持って接してもらう。そういう目的のものです。法的な拘束力は何もないんです。それに、今回は静岡発ですが、これは静岡だけの問題ではないし、みんなが使ってくれたらいい。ですから、あえて静岡県などの文字も入れていません。静岡発なので、お茶の色にしましたが(笑)」
実際に、県外からもこのマークを使えないか、また障害をもつ方への介護の時に用いたい、という声もあるそうで、要望があれば趣旨を説明した上で配布することも考えているそうです。
最近、「性善説」・「性悪説」を考えさせられる話題が多い中、このマークも一つ間違えれば、悪い人たちの道具にされてしまうかもしれません。しかし、静岡県はあえて人の優しい心を思い起こさせるこの介護マークを推進しようとしています。
「躊躇していたらなにもできない。走りながら、考えればいい。」
いまの暗い社会に、何より自治体に、こんな活力があることに少し驚いてしまいました。今後は要介護認定時や、戸別訪問をするような業態の民間企業等と連携し、普及に努めるそうです。
介護マークを通じて、思いやりの心が全国に広まることを願うばかりです。
「躊躇していたらなにもできない。走りながら、考えればいい。」
いまの暗い社会に、何より自治体に、こんな活力があることに少し驚いてしまいました。今後は要介護認定時や、戸別訪問をするような業態の民間企業等と連携し、普及に努めるそうです。
介護マークを通じて、思いやりの心が全国に広まることを願うばかりです。