特別養護老人ホーム(以下、特養)において介護職が一定の条件の下、たんの吸引と経管栄養の管理を行うことが可能という通知が出されたのは記憶に新しいところです(詳細はキャッチ・アップVol.80を参照)。
7月5日には、特養以外の介護サービスにおける同様の行為の実施に向けた検討会が開始されました。現場の介護職の関心も高く、今後の介護職のあり方を左右する事柄です。そこで今回のキャッチ・アップでは、同検討会の第1回目の様子をお伝えします。
7月5日には、特養以外の介護サービスにおける同様の行為の実施に向けた検討会が開始されました。現場の介護職の関心も高く、今後の介護職のあり方を左右する事柄です。そこで今回のキャッチ・アップでは、同検討会の第1回目の様子をお伝えします。
Vol.82 特養以外にも拡大? 介護職のたんの吸引等の実施に向けて
来年の通常国会への法案提出を視野に
7月5日に第1回目が開催された本検討会の正式名称は「『介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会』」。識者、職能を始めとする各種団体、当事者、家族の代表などで構成された18名の委員が、当日はそれぞれの立場から、介護職の医行為(主にたんの吸引)に関する意見が取り交わされました。
会の冒頭あいさつした長妻昭厚生労働大臣は「いろいろな論点があるので、十分に議論をして適切な判断を示してほしい。早ければ来年の国会に提出する法案の中に盛り込んでいきたい」と話し、現場の待ったなしのニーズに応えるべく、適切かつ十分な議論を委員にお願いしました。
たんの吸引や経管栄養のうちの一定の行為については、これまで特養・在宅・特別支援学校において、一定の条件の下、認められてきた経緯があります。しかし、現場の職員の意見として委員の発言にもあったように、法整備がなされていない状況での実施は、職員に過度なストレスを強い、何かあったときの担保も不十分であるのが現状です。そこで本委員会では、こうした行為について法改正を視野に入れた法的な担保を提供することを含めて、待ったなしの当事者に対して迅速な対応を提供することを目的としています。
会の冒頭あいさつした長妻昭厚生労働大臣は「いろいろな論点があるので、十分に議論をして適切な判断を示してほしい。早ければ来年の国会に提出する法案の中に盛り込んでいきたい」と話し、現場の待ったなしのニーズに応えるべく、適切かつ十分な議論を委員にお願いしました。
たんの吸引や経管栄養のうちの一定の行為については、これまで特養・在宅・特別支援学校において、一定の条件の下、認められてきた経緯があります。しかし、現場の職員の意見として委員の発言にもあったように、法整備がなされていない状況での実施は、職員に過度なストレスを強い、何かあったときの担保も不十分であるのが現状です。そこで本委員会では、こうした行為について法改正を視野に入れた法的な担保を提供することを含めて、待ったなしの当事者に対して迅速な対応を提供することを目的としています。
必要な人に必要なサービスを届ける―「医行為」そのものを議論するのば別の機会に
今回は第1回目ということもあり、各自意見を述べるにとどまりましたが、当事者らが一刻も早い実施を望んでいるのに対して、現場職員には慎重な意見が多かったのが印象的です。そのためにも法整備ならびに研修が大切とのことですが、在宅のヘルパーの場合、その多くが登録型であり、適切かつ十分な研修が履修できるかといえば疑問の残るところです。ですから、研修があっても十分に受けられず、それでも行為をしなければならないといった事態が危惧されます。
また、今回の検討会では「医行為」とは何かという議論もなされ、たんの吸引や経管栄養の管理をそれらから外してはどうかという意見もありましたが、座長の大島伸一さん(国立長寿医療研究センター総長)は「医行為そのものをどう考えるのかは、本検討会の議論ではなく、必要な人に必要なこと(サービス)を届けるためにどうするかを検討する」として、喫緊の課題である「たんの吸引」などについて、介護職が行うために必要な「法整備」「研修」を検討するとしました。
今後は8月上旬まで議論を重ね、試行事業を行ったうえで、必要であれば法改正という流れになる予定です。特養で認められた時点でこの流れは必然といえますが、医行為そのものをどう考えるか、介護職がどこまでかかわるのかといった根本的な議論は別の機会に譲られることになります。しかし近い将来、同じような議論が別の行為でもなされることも予想されます。医療と科学の進歩によって、医療が一般にも身近になりました。医療と医療でないグレーゾーンをどう考えるか、これからも議論は続いていくことになりそうです。
また、今回の検討会では「医行為」とは何かという議論もなされ、たんの吸引や経管栄養の管理をそれらから外してはどうかという意見もありましたが、座長の大島伸一さん(国立長寿医療研究センター総長)は「医行為そのものをどう考えるのかは、本検討会の議論ではなく、必要な人に必要なこと(サービス)を届けるためにどうするかを検討する」として、喫緊の課題である「たんの吸引」などについて、介護職が行うために必要な「法整備」「研修」を検討するとしました。
今後は8月上旬まで議論を重ね、試行事業を行ったうえで、必要であれば法改正という流れになる予定です。特養で認められた時点でこの流れは必然といえますが、医行為そのものをどう考えるか、介護職がどこまでかかわるのかといった根本的な議論は別の機会に譲られることになります。しかし近い将来、同じような議論が別の行為でもなされることも予想されます。医療と科学の進歩によって、医療が一般にも身近になりました。医療と医療でないグレーゾーンをどう考えるか、これからも議論は続いていくことになりそうです。