今でこそ「ユニットケア」は高齢者ケアの一般的な手法として認知されていますが、元々は、一部の熱心な施設が試行錯誤の上に編み出したケアです。ソフトのみならず、ハードも整備され、ユニットケアを実践するための環境はこの10年で大分整備されました。今後は、環境を普遍化するためのシステムやフォームが必要とされます。
一般社団法人日本ユニットケア推進センターは、毎年「ユニットケア研修フォーラム」と題し、現場で取り組む職員を応援しています。今年度は初の地方開催(名古屋)でしたが、1200名を超える参加者が集い、盛況のうちに幕を閉じました。
今回のキャッチアップでは、本フォーラムの模様をお伝えします。
一般社団法人日本ユニットケア推進センターは、毎年「ユニットケア研修フォーラム」と題し、現場で取り組む職員を応援しています。今年度は初の地方開催(名古屋)でしたが、1200名を超える参加者が集い、盛況のうちに幕を閉じました。
今回のキャッチアップでは、本フォーラムの模様をお伝えします。
Vol.124 介護は、人生の最期のケアを通して職員が成長できる仕事 ――ユニットケア研修フォーラム2013(2013/03/22)
○看取りにおけるユニットケアの役割
今回の特徴として、日本ユニットケア推進センターの秋葉都子センター長は「看取りを考える」「一般・学生コーナー」を新設したことを挙げます。ユニットケアの実施有無にかかわらず、近年は高齢者施設での終末期ケアが大きなテーマとなっています。生活単位と介護単位を小さく一致させるユニットケアであれば、終末期においても入居者の生活支援により良い効果が期待できます。分科会においても、「重度化対応と認知症ケア」「高齢者施設における看取りを考える」には参加者が多数詰めかけ、関心の高さをうかがわせました。
一般・学生コーナーについては、巷間聞かれる「高齢者施設はどこも同じ」という認識に対して、一般の人にも介護の中身を知ってもらう意図があります。企業展示はこれまでのフォーラムにおいて最多となる30の企業が出店し、介護の最先端を肌で感じる機会が設けられました。
一般・学生コーナーについては、巷間聞かれる「高齢者施設はどこも同じ」という認識に対して、一般の人にも介護の中身を知ってもらう意図があります。企業展示はこれまでのフォーラムにおいて最多となる30の企業が出店し、介護の最先端を肌で感じる機会が設けられました。
24Hシートは魔法の杖ではない
分科会では午前・午後それぞれ5つに分かれて、現場から発表がありました。今回は、日本ユニットケア推進センターが考案したアセスメントシート「24H(じかん)シート」を使ったケアの展開が多数報告され、その有効性が改めて認識されたところです。分科会の座長を務めた福本京子さん(有吉病院)は言います。「24Hシートは魔法の杖ではありません。使うのはスタッフです。利用者の生活はこれでいいのか?と立ち止まって見直すことで利用者の変化を呼び起こします。24Hシートはケアの一部分ですが、それをどう活用するのかは、職員一人ひとりの思いにかかっています」。
また、24Hシートを早くから導入してきたちょうふ花園(東京都)からは、導入のポイントとして「必要性の認識」「権限の範囲」「範囲を活かした伝達」「内容の整理」「抵抗勢力」「着眼大局、着手小局」という6つのキーワードを掲げます。シートを埋めて満足していては、周囲の圧力や日常業務に忙殺されるうちに形骸化してしまいます。先駆施設の教訓を活かした活用が、成功のカギとなるのはいうまでもありません。
ユニットケアの今を知る本フォーラム、来年は2月21日に神奈川・パシフィコ横浜で開催される予定です。
また、24Hシートを早くから導入してきたちょうふ花園(東京都)からは、導入のポイントとして「必要性の認識」「権限の範囲」「範囲を活かした伝達」「内容の整理」「抵抗勢力」「着眼大局、着手小局」という6つのキーワードを掲げます。シートを埋めて満足していては、周囲の圧力や日常業務に忙殺されるうちに形骸化してしまいます。先駆施設の教訓を活かした活用が、成功のカギとなるのはいうまでもありません。
ユニットケアの今を知る本フォーラム、来年は2月21日に神奈川・パシフィコ横浜で開催される予定です。