7月5日に第1回目が行われた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」については、本欄Vol.82でお伝えしました。7月29日には第3回の検討会が行われ、試行事業の内容および実施に向けたスケジュール案が示されました。
Vol.84 介護職員等によるたんの吸引等の試行事業案示される
安全・確実さとスピード感を大切に
会の冒頭、山井和則厚生労働大臣政務官は、安全・確実性とスピード感をポイントとして掲げ、「すでに(たんの吸引等を)行っている人が行うことができなくなっては困るので、安全・確実さとスピード感とあわせて前向きに(議論を)前進させてほしい」と検討会への期待を寄せました。
3回目の検討会では、前半は法的な位置づけをどうするのか、具体的には平成17年7月26日に出された通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」と同様の扱いとするのかなどが議論されました。
試行事業の概要
会の後半は、配布された試行事業案の概要に基づいて、委員がそれぞれの立場から意見や要望が出されました(図参照)。議論になったのは、主に次の2点です。一つは実施する「介護職員」の資格、もう一つは実施研修の対象となる施設です。
「介護職員」については、介護福祉士およびホームヘルパー2級を要件とするのか、または(無資格者を含めて)オープンとするのかは議論の分かれたところです。特別支援学校等で行われている現状を鑑みると、介護福祉士や2級資格者に限定することは現実的ではないといえます。政務官の挨拶にあったように、法の整備によって、現在行っている人が行えなくなることは避けなければなりません。
実施研修の対象施設については、案では「特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、障害者(児)施設等(医療施設を除く)、訪問介護事業者(在宅)」とされていますが、委員から、介護療養型も入れてはどうかという提案がなされました。安全の担保という意味からも、周囲に医療職のいる病院での実施は有効と思われますが、次回以降の検討とされました。
次回の検討会は8月9日に開催予定です。検討会での合意をもとに、スケジュール案でいけば今年10月をめどに指導者講習が行われ、基本研修、実施研修を経て、来年3月には試行となる見込みです。
実施研修の対象施設については、案では「特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、障害者(児)施設等(医療施設を除く)、訪問介護事業者(在宅)」とされていますが、委員から、介護療養型も入れてはどうかという提案がなされました。安全の担保という意味からも、周囲に医療職のいる病院での実施は有効と思われますが、次回以降の検討とされました。
次回の検討会は8月9日に開催予定です。検討会での合意をもとに、スケジュール案でいけば今年10月をめどに指導者講習が行われ、基本研修、実施研修を経て、来年3月には試行となる見込みです。