6月15日から17日、日本ケアマネジメント学会の第10回研究大会が開催されました。
15日の午前中には、地域包括ケアを謳う平成24年度施行の介護保険改正法が成立していますが、大会の中心テーマも、今後の地域におけるケアマネジメントを考える大会となりました。
15日の午前中には、地域包括ケアを謳う平成24年度施行の介護保険改正法が成立していますが、大会の中心テーマも、今後の地域におけるケアマネジメントを考える大会となりました。
Vol.99 地域包括ケアを考える
日本ケアマネジメント学会 第10回研究大会開催
地域包括ケアの理念
大会には全国から約800名のケアマネジャーが集いました。今回の研究大会は、日本老年学会の一環として開催されたもので、ケアマネジメント学会の参加者は、他の老年医学学術集会や日本老年精神医学会の分科会、シンポジウムも聴講できます。興味のある他学会の会場へと積極的に歩き回る参加者も目立ちました。
16日に行われた大会長・田中滋氏の講演では「地域包括ケアの実現に向けて」と題し、一般的に知られる地域包括ケアの概念について、そのベースには「住まい」があることなどが強調されました。地域包括ケアは、介護保険が拡大した様相ではなく、互助・共助・公助が重層的に補完し合って個人の自立と自助を支える理念であるということが改めて語られました。
16日に行われた大会長・田中滋氏の講演では「地域包括ケアの実現に向けて」と題し、一般的に知られる地域包括ケアの概念について、そのベースには「住まい」があることなどが強調されました。地域包括ケアは、介護保険が拡大した様相ではなく、互助・共助・公助が重層的に補完し合って個人の自立と自助を支える理念であるということが改めて語られました。
続く記念講演は、岡本祐三氏による「自宅ではない在宅は可能か―ケアマネジメント方法論再考」。岡本氏は田中氏とともに高齢者介護・自立支援システム研究会のメンバーで、介護保険制度の基礎を築いた一人です。介護の歴史を示す写真を示しつつ、ロングタームケア方法論や要介護高齢者にとっての居住空間の重要性等を語るとともに、『ケアマネジメントの標準化』の重要性を指摘しました。
震災やOJT ―いまケアマネジャーが直面する課題は
ワークショップでは、地域包括ケアについての論議が目玉のプログラムが続きます。
「地域包括ケアとケアマネジメント〜安全・安心・健康を支えるシームレスケアを目指して」では、阪神・淡路大震災の経験と、復興の長い道のりのなかで培われた地域連携や見守り体制についての報告もあり、今回の震災でも直面していくであろう課題のなかで、ケアマネジメントと地域包括支援センターが果たし得る役割などの示唆がみられる内容となっていました。
各分科会では、多職種協働やターミナルケアなど、現場実践の報告や研究がバラエティに富んだ発表がありました。
ケアマネジャーの力量の向上のためのスーパービジョンやOJTに関するミニ研修も人気で、ここでも『ケアマネジメントの標準化』というキーワードが語られていました。
「地域包括ケアとケアマネジメント〜安全・安心・健康を支えるシームレスケアを目指して」では、阪神・淡路大震災の経験と、復興の長い道のりのなかで培われた地域連携や見守り体制についての報告もあり、今回の震災でも直面していくであろう課題のなかで、ケアマネジメントと地域包括支援センターが果たし得る役割などの示唆がみられる内容となっていました。
各分科会では、多職種協働やターミナルケアなど、現場実践の報告や研究がバラエティに富んだ発表がありました。
ケアマネジャーの力量の向上のためのスーパービジョンやOJTに関するミニ研修も人気で、ここでも『ケアマネジメントの標準化』というキーワードが語られていました。
17日の本大会後に行われた、認定ケアマネジャーの会の全体研修会では、対人援助職トレーナーの奥川幸子氏による「ケアマネジャーの対人援助技術を鍛える」で会場はいっぱいでした。
第一人者によって語られる、対人援助職の根幹として必要な視点や態度に、参加者は熱心に耳を傾けます。
第一人者によって語られる、対人援助職の根幹として必要な視点や態度に、参加者は熱心に耳を傾けます。
法律で大枠は決まったものの、運用の実際はいまだ不確定要素の多い新しい地域包括ケア体制。しかしケアマネジャーという職種の基盤は、制度に揺さぶられることのない対人援助職としての向上を目指す態度であること、そしてそれを現場のケアマネジャーも感じていることが印象的な大会となりました。