認知症介護研究・研修東京センターユニットケア推進室主催による第3回ユニットケア研修フォーラムが去る3月17日、日本青年館(東京都新宿区)で開催されました。定員1300名のところに1500名を超える応募があったほど、注目されるフォーラムです。
今回のキャッチアップは、熱い視線が寄せられた本セミナーについてお伝えします。
今回のキャッチアップは、熱い視線が寄せられた本セミナーについてお伝えします。
Vol.76 第3回ユニットケア研修フォーラムが開催
「暮らしの場」としての施設を知ってもらうために
午前中に行われた「家族・地域から見たユニットケア」と題した全体会(講演)では、秋葉都子さん(認知症介護研究・研修東京センターユニットケア推進室長)、大川昭雄さん(一万人市民委員会宮城県民の会代表理事)、日比野浩之さん(高齢者福祉施設岩崎あいの郷施設長)が登壇し、地域の人にいかに施設の取り組み(ユニットケア)を知ってもらうかという意見交換が行われました。
アンケート調査によれば、将来老人ホームに入居したいと思っている一般の人はわずか30%。要介護状態になったら入居すると答えた人が60%でした。入居する際に個室がいいと答えた人は66%で、相部屋でもいいと答えた人はわずか12%。この結果からも、個室のニーズが高いことがわかります。また、ユニットケアを知っているかという質問には74%が「はい」と回答し、これまでのユニットケア啓発活動の成果を実感しました。
このようなアンケート結果ではありましたが、地域における老人ホームの活動の認知度は未だ低いため、従来の病院型モデルではなく、「暮らしの場」としての施設をどのように世間に広めていくのかが今後の課題として見えてきた全体会となりました。
アンケート調査によれば、将来老人ホームに入居したいと思っている一般の人はわずか30%。要介護状態になったら入居すると答えた人が60%でした。入居する際に個室がいいと答えた人は66%で、相部屋でもいいと答えた人はわずか12%。この結果からも、個室のニーズが高いことがわかります。また、ユニットケアを知っているかという質問には74%が「はい」と回答し、これまでのユニットケア啓発活動の成果を実感しました。
このようなアンケート結果ではありましたが、地域における老人ホームの活動の認知度は未だ低いため、従来の病院型モデルではなく、「暮らしの場」としての施設をどのように世間に広めていくのかが今後の課題として見えてきた全体会となりました。
集団処遇から個別ケア
そのあと、7つの分科会に分かれて現場実践者による発表が行われました。ここで紹介するのは、秋葉さんが登壇した第一分科会「確かめよう!ユニットケアだから出来ること!〜ユニットケアの基本と実践〜」の様子です。
特別養護老人ホームができた1963年から、日本人の暮らしは大きく変わりました。暮らしの変化とともにケアも変わり、ユニットケアが誕生しました。一家に一台洗濯機がない時代であれば、ケアが集団処遇であってもそこまで不具合を感じません。しかし、今は一人一台の携帯電話をもち、一家に一台車をもつ時代です。ケアだって一人ひとり違うものでなければなりません。秋葉さんは「個別ケアとは必要な時に必要な量の介護をすることであって、Aさんはおむつ、Bさんはトイレ介助、Cさんはパッドと個別に方法を変えただけで同じ時間に排泄介助をするのは“勘違い個別ケア”」と言います。一日の暮らしの基本である「食べて・出して・寝る」を、その人が必要なときに必要な分だけサポートするというのが個別ケアの大切な視点だということを改めて認識しました。
また、ユニットケアがうまくいかない、今の介護職のスキルではユニットケアをやっていけないという声に対し、秋葉さんは「ラーメン屋の起業」を例に出し、それなりの勉強と準備の必要性を謳いました。ユニットケアを行うことによるケアの質の向上、職員のスキルアップ、真剣に取り組むほど様々な効果を得られるのがユニットケアの奥深さだと感じました。
特別養護老人ホームができた1963年から、日本人の暮らしは大きく変わりました。暮らしの変化とともにケアも変わり、ユニットケアが誕生しました。一家に一台洗濯機がない時代であれば、ケアが集団処遇であってもそこまで不具合を感じません。しかし、今は一人一台の携帯電話をもち、一家に一台車をもつ時代です。ケアだって一人ひとり違うものでなければなりません。秋葉さんは「個別ケアとは必要な時に必要な量の介護をすることであって、Aさんはおむつ、Bさんはトイレ介助、Cさんはパッドと個別に方法を変えただけで同じ時間に排泄介助をするのは“勘違い個別ケア”」と言います。一日の暮らしの基本である「食べて・出して・寝る」を、その人が必要なときに必要な分だけサポートするというのが個別ケアの大切な視点だということを改めて認識しました。
また、ユニットケアがうまくいかない、今の介護職のスキルではユニットケアをやっていけないという声に対し、秋葉さんは「ラーメン屋の起業」を例に出し、それなりの勉強と準備の必要性を謳いました。ユニットケアを行うことによるケアの質の向上、職員のスキルアップ、真剣に取り組むほど様々な効果を得られるのがユニットケアの奥深さだと感じました。
午後の勉強会は7つの分科会に分かれて、各施設の施設長・主任クラスの方による講義が行われました。体系だった発表によって、より深い専門的な知識を勉強できる場となりました。
最後の全体会では、秋葉さんによるユニットケア運営実態の報告がありました。入居者の実態・職員配置についてなど、会場全体がどよめくような数字も明らかになり、新たな気付きを得ることができました。
大盛況をみせた本セミナー。ユニットケアに対する関心の高さを実感しました。次回も今年以上の申し込みが予想され、より充実したセミナーになること間違いありません。
大盛況をみせた本セミナー。ユニットケアに対する関心の高さを実感しました。次回も今年以上の申し込みが予想され、より充実したセミナーになること間違いありません。