病院・施設と在宅の中間施設である介護老人保健施設の大きな目的の一つは「在宅復帰」です。在宅で高齢者が暮らしていくためには、その人がもつ「力」を引き出す専門職のかかわりが求められます。その「老健力」を向上すべく、全国の介護老人保健施設が岡山に集いました。
Vol.92 「老健力」を「老人力」に活かす――第21回全国介護老人保健施設大会開催
地域で過ごす。そのとき老健は
現在、国では介護保険の改正に伴う議論が活発化していますが、その視点の一つは「地域で暮らし続ける」ために必要なサービスを整備することです。24時間巡回型サービスの提案は最たるものでしょう。
しかし同時に、一度施設に入所・入居してしまうと、自宅や地域に戻るのが容易でないのも現実です。老人保健施設は医療とリハビリ、介護の専門家が集う場です。地域で暮らしていくための個別的なかかわりが提供できる条件が整っているゆえ、専門家や国民の期待も高まっています。
21回を数える今大会(11月10日〜12日)では「老人力と老健力」をテーマに、5000人を超える参加者が老健の可能性を追求しました。
しかし同時に、一度施設に入所・入居してしまうと、自宅や地域に戻るのが容易でないのも現実です。老人保健施設は医療とリハビリ、介護の専門家が集う場です。地域で暮らしていくための個別的なかかわりが提供できる条件が整っているゆえ、専門家や国民の期待も高まっています。
21回を数える今大会(11月10日〜12日)では「老人力と老健力」をテーマに、5000人を超える参加者が老健の可能性を追求しました。
今こそ「老健力」を発揮!
「○○力」といえば、最近のベストセラー書籍のタイトルによくみられるフレーズです。高齢者が本来もっている力を引き出し、サポートするのが老健の役割だとすれば、それはまさに「老健力」といえます。老人力を引き出す老健力の向上――集まった関係者は、それぞれの発表を聞きながら、また自ら発表・提案することで、その老健力を磨いていました。さらに、老人力を謳う本大会の記念講演には、75歳を超えてなお現役プロスキーヤーの三浦雄一郎さんと、「バカの壁」などのベストセラー作家・養老孟司さんらが招かれ、参加者はその「老人力」の源泉に触れることができました。
大会期間中2日間にわたって行われた口頭発表は1300を超え、ポスター発表も100を数えました。リハビリからターミナルケア、医療と介護の協働まで、扱われるテーマは多岐にわたり、そのどれもが多くの参加者で賑わう光景は、皆何かを得て帰り、利用者に還元しようという熱意の現われでしょう。小規模ケアが推奨され、大型施設の存在意義が問われる昨今ですが、多くの専門職が集い、研鑽する老人保健施設もやはり、高齢者介護には不可欠な存在である、そう確信させられる大会でした。
なお来年の第22回大会は、2011年7月27日から29日にかけて、岩手県盛岡市で開催される予定です。
大会期間中2日間にわたって行われた口頭発表は1300を超え、ポスター発表も100を数えました。リハビリからターミナルケア、医療と介護の協働まで、扱われるテーマは多岐にわたり、そのどれもが多くの参加者で賑わう光景は、皆何かを得て帰り、利用者に還元しようという熱意の現われでしょう。小規模ケアが推奨され、大型施設の存在意義が問われる昨今ですが、多くの専門職が集い、研鑽する老人保健施設もやはり、高齢者介護には不可欠な存在である、そう確信させられる大会でした。
なお来年の第22回大会は、2011年7月27日から29日にかけて、岩手県盛岡市で開催される予定です。