2000年に開催された「第1回日本認知症ケア学会大会」の参加者はおよそ430名でした。介護保険制度の開始や認知症介護研究・研修3センターの開設などもあり、この10年、認知症ケアに関する専門職や一般の人々の関心は高まり、10月31日、11月1日に東京国際フォーラムで開催された第10回大会では、参加者は3500名を超えました。
認知症ケア専門士の取得者も1万4000名を超え、まさに今、認知症ケアは次の10年に向けて羽ばたこうとしています。
認知症ケア専門士の取得者も1万4000名を超え、まさに今、認知症ケアは次の10年に向けて羽ばたこうとしています。
Vol.66 次の10年に向けて――第10回日本認知症ケア学会大会
認知症の人を地域で支えている?
今回の大会テーマは「認知症の人を地域で支える」。この10年、介護保険制度がスタートし、痴呆が認知症に呼称変更されるなど、認知症本人とその家族を取り巻く環境は劇的な変化を遂げてきました。しかし、果たして現在、地域で支えていると胸を張っていえる環境でしょうか? 本間昭大会長は「認知症ケアをめぐる課題は今だ山積していて、その一つが認知症の人たちを地域で支える仕組みではないか」と問題提議しています。
認知症ケア学会が認定する認知症ケア認定士が1万人を超え、質の標準化はすすんでいるといえます。それはこの10年の活動の成果ではありますが、他職種を手を組み、地域で認知症の人を支えていく仕組みづくりについては、次の10年のステップといえます。
認知症ケア学会が認定する認知症ケア認定士が1万人を超え、質の標準化はすすんでいるといえます。それはこの10年の活動の成果ではありますが、他職種を手を組み、地域で認知症の人を支えていく仕組みづくりについては、次の10年のステップといえます。
実践者の明日につなげる
質の担保とは、認知症の人にかかわる際の基本的な知識の習得に他なりませんが、この知識を活かすためには、認知症の人に寄り添い、その人の暮らしを支える実践が欠かせません。次の10年はまさに、暮らしを支えるための10年といえます。
今回の参加者には看護師も多く含まれますが、医療の立場から生活にかかわることでできることは少なくありません。読売認知症ケア賞「功労賞」を受賞した長谷川和夫さん(認知症介護研究・研修東京センター 名誉センター長)は特別講演のなかで、認知症ケアには次の5つの視点が大切だと触れています。
・認知症の基礎知識をもつ
・認知症ケアについて明確な理念をもつ
・ゆっくりとした時の流れと馴染みの環境・空間づくり
・コミュニケーションの工夫
・介護する者の感性を育てる
認知症は病気であり、かかわり方次第で安寧な生活を送れることは、現場の実践からも明らかです。認知症にかかわる専門家が一堂に集い、情報を交換する本大会が、実践者の明日につながることを期待します。
なお、次回11回大会は平成22年10月23日〜24日、神戸・国際展示場にて開催される予定です。
今回の参加者には看護師も多く含まれますが、医療の立場から生活にかかわることでできることは少なくありません。読売認知症ケア賞「功労賞」を受賞した長谷川和夫さん(認知症介護研究・研修東京センター 名誉センター長)は特別講演のなかで、認知症ケアには次の5つの視点が大切だと触れています。
・認知症の基礎知識をもつ
・認知症ケアについて明確な理念をもつ
・ゆっくりとした時の流れと馴染みの環境・空間づくり
・コミュニケーションの工夫
・介護する者の感性を育てる
認知症は病気であり、かかわり方次第で安寧な生活を送れることは、現場の実践からも明らかです。認知症にかかわる専門家が一堂に集い、情報を交換する本大会が、実践者の明日につながることを期待します。
なお、次回11回大会は平成22年10月23日〜24日、神戸・国際展示場にて開催される予定です。