福祉用具の見本市といえば、国際福祉機器展(通称HCR)。今年は10月5日から7日にかけて、東京・有明の東京ビックサイトで開催されました。
Vol.105 福祉用具をもっと身近に
第38回国際福祉機器展開催される
防災関連商品が充実
510社・団体が出展した今年のHCR。2万点あまりの福祉機器が所狭しと並び、来場者の関心をひきつけていました。中でも震災の影響からか、防災関連のブースは多数の関心を集め(写真1)、災害時の避難用品や避難所生活での便利用品のデモンストレーションも行われていました。
避難では、寝たきりの高齢者をどのように避難させるかが重要なテーマですが、展示されていたラック(写真2)や担架(写真3)があれば、移動手段に戸惑うことなく、スムーズな避難が期待されます。
避難では、寝たきりの高齢者をどのように避難させるかが重要なテーマですが、展示されていたラック(写真2)や担架(写真3)があれば、移動手段に戸惑うことなく、スムーズな避難が期待されます。
展示会といえば、最先端の技術に触れる機会でもあります。今回も「福祉機器開発最前線」と称して、現在研究・開発中のものを中心に、最先端の技術を活かした機器が紹介されました。ここでは、そのいくつかを紹介します。
まずは空港で使われる竹フレームの車いすです(写真4)。通常の車いすは金属探知機に反応してしまうため、車いす利用者はそのつど不便を強いられます。本作品は乗ったまま探知機を通過することができ、負担も軽減。現在、日本の空港でも徐々に導入され始めているとのことです。
次は浮力を用いた移動用具、通称「空飛ぶいす」「空飛ぶ座布団」です(写真5)。車輪を使わずに、空気の力で地面との摩擦を軽減し、小さな力で移動させることができます。座布団型にはいすを固定することも可能です。
最後は車いすを載せて悪路を走る電動車いすベース「スカウト クローラー」(写真6)。雪道や砂浜、砂利などを、普通の車いすを上に載せて走ることができます。災害時、道路が変形した際に威力を発揮することでしょう。
まずは空港で使われる竹フレームの車いすです(写真4)。通常の車いすは金属探知機に反応してしまうため、車いす利用者はそのつど不便を強いられます。本作品は乗ったまま探知機を通過することができ、負担も軽減。現在、日本の空港でも徐々に導入され始めているとのことです。
次は浮力を用いた移動用具、通称「空飛ぶいす」「空飛ぶ座布団」です(写真5)。車輪を使わずに、空気の力で地面との摩擦を軽減し、小さな力で移動させることができます。座布団型にはいすを固定することも可能です。
最後は車いすを載せて悪路を走る電動車いすベース「スカウト クローラー」(写真6)。雪道や砂浜、砂利などを、普通の車いすを上に載せて走ることができます。災害時、道路が変形した際に威力を発揮することでしょう。
スマートフォンを用いた記録システムが充実
また近年、福祉業界に限らず注目を集めているのが、携帯電話やスマートフォンの活用です。今回は記録支援システムとして、スマートフォンや携帯ゲーム機を活用した展示がいくつかみられました(写真7、8)。今後は記録のみならず、在宅支援や見守りシステムなど、幅広い活用が期待されます。
高齢社会に向けた一般への普及
近年のHCRの特徴として、福祉関係者のみならず一般の関心を集めていることが挙げられます。現在、65歳以上の人は全人口の23.1%を占め、高齢者が安心して暮らせるための用具へのニーズも高まることが予想されます。
今年もシルバーカーや杖を始め、要介護になる前から福祉用具を使ってそれまでの暮らしを続ける工夫が数多く紹介されていました(写真9〜11)。
今年もシルバーカーや杖を始め、要介護になる前から福祉用具を使ってそれまでの暮らしを続ける工夫が数多く紹介されていました(写真9〜11)。
毎年新たな発見があるHCR。東京だけでなく、全国各地で同様の福祉機器展が開催されています(例:10月14日〜16日「いきいき福祉・健康フェア2011」、10月22日〜23日「とくしま福祉機器展」、11月18日〜20日「西日本国際福祉機器展」など)。ワクワク・ドキドキを探しに、皆さんも近くの福祉機器展に足を運んでみてはいかがでしょうか。なお来年は、9月26日から28日にかけて、東京ビックサイトで開催される予定です。