日本とインドネシア間の経済連携協定(EPA)により、インドネシア人看護師・介護師候補者が日本で働き始めました。慣れない土地や職場、人間関係に悪戦苦闘しながら資格取得を目指す彼らを支援しようと、有志らが「ガルーダ・サポーターズ」を設立し、6月14日にJICA地球ひろば(東京・広尾)にて設立の集いが開催されました。
今回のキャッチアップでは、この集いの模様をお伝えします。
今回のキャッチアップでは、この集いの模様をお伝えします。
Vol.50 外国人看護師・介護士の自己実現を支えるために
「ガルーダ・サポーターズ」設立の集いが開催
新しいかたちの市民運動
当日は候補者や受け入れ施設に加え、関係者やマスコミら総勢120名を超える人たちが集まりました。共同代表の宮崎和加子さん(健和会・看護介護政策研究所所長)は、同会設立の目的について、次のように話します。
「昨年7月にインドネシアを訪問し、関係者らから話を聞く中で、日本で候補者を受け入れるシステムをきちんと整えたほうがよいと感じました。そこで、有志の皆さまにご協力いただき、本日、設立の集いを開催するに至りました。今回来日した方、これから来日する方が、よい思いで暮らし、きちんと研修・勉強に励んで資格を取得し、自己実現してほしいと思います」
同会は企業や団体からの大きなバックアップがあるわけではなく、有志を始めとするボランティアの活動に依る部分が大きく、それゆえに「新しいかたちの市民運動になる」(宮崎さん)といいます。
なお、今後予定される活動内容は、次のとおりです。
・SOS相談コール対応…毎日21時まで、専用の携帯電話を設置して対応
・日本語の学習支援…プロジェクトを立ち上げ、検討を開始
・パソコンや携帯電話の提供の可能性の模索
・受け入れ介護施設・病院への訪問
・ホリディ、ホームステイ事業の検討
・ニュースの発行、ホームページの立ち上げ
「昨年7月にインドネシアを訪問し、関係者らから話を聞く中で、日本で候補者を受け入れるシステムをきちんと整えたほうがよいと感じました。そこで、有志の皆さまにご協力いただき、本日、設立の集いを開催するに至りました。今回来日した方、これから来日する方が、よい思いで暮らし、きちんと研修・勉強に励んで資格を取得し、自己実現してほしいと思います」
同会は企業や団体からの大きなバックアップがあるわけではなく、有志を始めとするボランティアの活動に依る部分が大きく、それゆえに「新しいかたちの市民運動になる」(宮崎さん)といいます。
なお、今後予定される活動内容は、次のとおりです。
・SOS相談コール対応…毎日21時まで、専用の携帯電話を設置して対応
・日本語の学習支援…プロジェクトを立ち上げ、検討を開始
・パソコンや携帯電話の提供の可能性の模索
・受け入れ介護施設・病院への訪問
・ホリディ、ホームステイ事業の検討
・ニュースの発行、ホームページの立ち上げ
まずは日本語の学習。国試合格に向けて最大限の支援体制を
当日は受け入れ施設からの現状報告もありました。2名の介護士を受け入れている特別養護老人ホーム「やさと」(茨城県石岡市)の入所課主任、田中良和さんは、受け入れ当初はさまざまな戸惑いが双方にみられたものの、現在ではコミュニケーションに加え、風習・文化の違いについて理解を深め、大きなトラブルもなく働いているといいます。「利用者の中には拒否反応もありましたが、今では逆に、利用者にかわいがられています」(田中さん)。
看護師2名を受け入れている永生病院(東京都八王子市)の法人本部・宮澤美代子さんは「昨年8月に来日し、日本語研修の間にもメールなどで連絡をとっていましたが、当初はあいさつ程度の日本語しかできず、メールもローマ字が大半でした」といい、病院としてスタッフの協力をもとに、生活・勉強の支援を行っているといいます。病院では5月から、看護師の国家試験対策を週1回開始しています。
看護師2名を受け入れている永生病院(東京都八王子市)の法人本部・宮澤美代子さんは「昨年8月に来日し、日本語研修の間にもメールなどで連絡をとっていましたが、当初はあいさつ程度の日本語しかできず、メールもローマ字が大半でした」といい、病院としてスタッフの協力をもとに、生活・勉強の支援を行っているといいます。病院では5月から、看護師の国家試験対策を週1回開始しています。
彼らが日本を好きになり、自己実現できるよう、取り巻く課題を一つひとつクリアしなければなりません。給与や福祉厚生など「EPAは無理がある中身になっている」(宮崎さん)という指摘もあります。
それだけに、ガルータ・サポーターズの担う役割は大きいといえるのではないでしょうか。