去る5月16日と17日、名古屋国際会議場にて、全国認知症グループホーム協会主催による「全国認知症グループホーム大会 2009年フォーラムin愛知」が開催されました。
今回は、1200名を超える参加者を集めた同大会をレポートします。
今回は、1200名を超える参加者を集めた同大会をレポートします。
Vol.46 全国認知症グループホーム大会が開催
厳しい時期だからこそ、一致団結!
近年、介護職員の現場離れが叫ばれ、厚生労働省においてもさまざまな人材確保対策が打ち出されています。なかでもグループホームの職員は、待遇の改善が急務といえます。今回の大会は、そうした現場の思いを斟酌し、それでも一致団結して、目の前の利用者の生活支援に尽力していこうという思いが込められていました。
そのためにも、社会的な認知・周知を高める必要性があります。そこで現在、NPO法人格である全国認知症グループホーム協会は公益法人化(一般社団法人)を目指しています(3月16日登記済み)。開会を宣言した代表理事の木川田典彌氏も、会としての団結を参加者に説き、大会の盛況を願いました。
そのためにも、社会的な認知・周知を高める必要性があります。そこで現在、NPO法人格である全国認知症グループホーム協会は公益法人化(一般社団法人)を目指しています(3月16日登記済み)。開会を宣言した代表理事の木川田典彌氏も、会としての団結を参加者に説き、大会の盛況を願いました。
パーソン・センタード・ケアの認識
「本人がどのような状態になっていようと、一緒の輪に入っていると本人が感じられるように行動すること、のけ者にされていると感じさせないようにすることがパーソン・センタード・ケアです」(水野さん)
利用者を尊重せよという傍らでスタッフを怒鳴ったり、書類や体裁を整えることにのみ尽力していたり、指示されすれば連携だと思い込んでいるのは決してパーソン・センタード・ケアとはいえないと水野さん。多くのものを望みすぎるあまり、職員がバーンアウトする現実を考えると、互いに相手を思いやることから現場を変えていく必要があると感じられる講演でした。
「婆さん(認知症の人)を支えるためには、家族かそれ以外(専門職)の力が必要とされます。いわば専門職とは『家族の代替業務』みたいなものです。家族であれば一人の婆さんを支えることができますが、専門職は9名の婆さんによる共同生活を応援します。そこから専門性を探ることが必要です」
引き続き行われた対談「スウェーデンにおける認知症緩和ケアとその具体的な事例」でも触れられていましたが、急速な高齢化に悩むスウェーデンでは、高負担高福祉による福祉社会を私たちに見せています。日本がどの方向に舵をとるのかは明確ではありませんが、国民に専門職の必要性を投げかけ、訴えていくことが、現場の待遇の改善につながり、ひいては認知症の人が普通に暮らせる町づくりにつながります。