平成19年22.8%、18年20.5%。ここ数年、介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は約20%で推移しています。いまや社会福祉士国家試験よりもハードルの高い、介護・福祉関係の資格試験では最難関のものといえるでしょう。晴れて合格─の後にも、ケアマネジャーの基本となる業務への姿勢、技術などを学ぶ「介護支援専門員実務研修」が控えています。実務に就く前の最後の頑張りどころ、実務研修について概説します。
Vol.35 難関突破の後は─介護支援専門員実務研修を知ろう!(5)モニタリング
特定非営利活動法人神奈川県介護支援専門員協会理事
社会福祉法人いきいき福祉会 ラポール三ツ沢開設準備室長
荻原満寿美
今回は、実務研修カリキュラムの「モニタリング(評価)」についてです。
モニタリングとは、何でしょうか? 英語のMonitorは「監視する、監督する」といった意味で使われる言葉ですが、モニタリングはすでに日本語になってきており、「日常的・継続的な点検のこと」といったように使われているようです。
ケアマネジメントでは「利用者を見守り、継続的に介護サービスが適合しているか点検する」ことだと言えます。
モニタリングとは、何でしょうか? 英語のMonitorは「監視する、監督する」といった意味で使われる言葉ですが、モニタリングはすでに日本語になってきており、「日常的・継続的な点検のこと」といったように使われているようです。
ケアマネジメントでは「利用者を見守り、継続的に介護サービスが適合しているか点検する」ことだと言えます。
モニタリングの機能と実際の方法
モニタリングには、いくつかの機能があります。利用者が介護サービスを利用されたら、「サービスはうまく行っているかしら。サービスを利用した効果がでて、利用者さんは元気になったかしら」とケアマネジャーなら当然気になります。これを確かめるのもモニタリングの機能といえます。大切な機能であるために、居宅介護支援の運営基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準)でも「モニタリングの実施」について示され、実施のルールがあります(第13条13)。
運営基準では、「居宅サービス作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握」=モニタリングとしており、少なくとも月に一回は利用者の居宅を訪問し利用者に面接し、そのモニタリング結果を記録することを基準としています。
さらに、居宅サービス計画で位置付けた介護サービスが課題に適しているか、利用者の課題が解決へと変化しているかに留意するために、モニタリングが実施されるとしています。利用者の変化をみていくことは、再度アセスメントすることになるため、モニタリングには、「再アセスメント」の意味があり、継続的なアセスメント機能があるといえます。
これらのことを考え、モニタリングの機能をまとめると、
・居宅サービス計画書どおりに実施されているか(サービス実績の確認)
・居宅サービス計画のサービスは目標を達成するために適切か
・利用者や家族に変化がなく、新しい課題や問題が発生していないか
・利用者や家族は、サービスに満足しているか
・次月のサービスの予定や負担額などの説明
などが挙げられます。
さらに、「居宅サービス計画書の目標は達成されているか」という点においては、サービスに効果があったかどうかも含め、重要な事項であり、これは「評価」の機能になります。モニタリングには、この評価機能があり、次回の「予防」で詳しく述べます。
運営基準では、「居宅サービス作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握」=モニタリングとしており、少なくとも月に一回は利用者の居宅を訪問し利用者に面接し、そのモニタリング結果を記録することを基準としています。
さらに、居宅サービス計画で位置付けた介護サービスが課題に適しているか、利用者の課題が解決へと変化しているかに留意するために、モニタリングが実施されるとしています。利用者の変化をみていくことは、再度アセスメントすることになるため、モニタリングには、「再アセスメント」の意味があり、継続的なアセスメント機能があるといえます。
これらのことを考え、モニタリングの機能をまとめると、
・居宅サービス計画書どおりに実施されているか(サービス実績の確認)
・居宅サービス計画のサービスは目標を達成するために適切か
・利用者や家族に変化がなく、新しい課題や問題が発生していないか
・利用者や家族は、サービスに満足しているか
・次月のサービスの予定や負担額などの説明
などが挙げられます。
さらに、「居宅サービス計画書の目標は達成されているか」という点においては、サービスに効果があったかどうかも含め、重要な事項であり、これは「評価」の機能になります。モニタリングには、この評価機能があり、次回の「予防」で詳しく述べます。
モニタリング記録について
モニタリングの機能はたくさんあります。モニタリングでの訪問面接では、さまざまな内容について利用者や家族と確認しあいます。
「月に一回記録すること」というルールがありますが、国はその内容を記載する様式は決めていません。「支援経過記録」のケース記録に記載すればよいことになっています。
しかし、効果的にモニタリング・評価し、利用者の変化を発見し、面接の内容を簡潔・的確に記述することは容易なことではありません。
神奈川県介護支援専門員協会では、「モニタリング実践記録表」の様式を提案しています。神奈川県では、この実務研修でモニタリングの機能を十分解説したのち、この実践記録様式の紹介を行っています。
モニタリング実践記録表やそのほかのプロセスに沿った様式を提案した書籍を紹介させていただきますので、ぜひ、参考にしてください。
◆NPO法人 神奈川県介護支援専門員協会編集 『オリジナル様式から考えるケアマネジメント実践マニュアル(居宅編)』中央法規出版
◆社団法人 かながわ福祉サービス振興会編集/NPO法人 神奈川県介護支援専門員協会編集協力『居宅介護支援・介護予防支援給付管理 業務マニュアル』中央法規出版
「月に一回記録すること」というルールがありますが、国はその内容を記載する様式は決めていません。「支援経過記録」のケース記録に記載すればよいことになっています。
しかし、効果的にモニタリング・評価し、利用者の変化を発見し、面接の内容を簡潔・的確に記述することは容易なことではありません。
神奈川県介護支援専門員協会では、「モニタリング実践記録表」の様式を提案しています。神奈川県では、この実務研修でモニタリングの機能を十分解説したのち、この実践記録様式の紹介を行っています。
モニタリング実践記録表やそのほかのプロセスに沿った様式を提案した書籍を紹介させていただきますので、ぜひ、参考にしてください。
◆NPO法人 神奈川県介護支援専門員協会編集 『オリジナル様式から考えるケアマネジメント実践マニュアル(居宅編)』中央法規出版
◆社団法人 かながわ福祉サービス振興会編集/NPO法人 神奈川県介護支援専門員協会編集協力『居宅介護支援・介護予防支援給付管理 業務マニュアル』中央法規出版