平成19年22.8%、18年20.5%。ここ数年、介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は約20%で推移しています。いまや社会福祉士国家試験よりもハードルの高い、介護・福祉関係の資格試験では最難関のものといえるでしょう。晴れて合格─の後にも、ケアマネジャーの基本となる業務への姿勢、技術などを学ぶ「介護支援専門員実務研修」が控えています。実務に就く前の最後の頑張りどころ、実務研修について概説します。
Vol.30 難関突破の後は─介護支援専門員実務研修を知ろう!(2)介護支援サービスの基本に関する講義
特定非営利活動法人神奈川県介護支援専門員協会理事
社会福祉法人いきいき福祉会 ラポール三ツ沢開設準備室長
荻原満寿美
いよいよ今回から、実務研修のカリキュラムの内容を説明します。国の示した実務研修はシラバスに添いながら、カリキュラムのなかでも特に重要と思われる箇所をピックアップして解説をしていきます。
講義の内容は、全国の都道府県によって若干異なることもあります。最近は、「より実践の業務にそった内容を理解し、介護支援専門員としての業務ができるように」と工夫された内容となっているようです。講義を担当する講師も、現役のケアマネジャーをはじめ、専門分野の専門家(医師や薬剤師など)や、大学の教員などさまざまです。
講義の内容は、全国の都道府県によって若干異なることもあります。最近は、「より実践の業務にそった内容を理解し、介護支援専門員としての業務ができるように」と工夫された内容となっているようです。講義を担当する講師も、現役のケアマネジャーをはじめ、専門分野の専門家(医師や薬剤師など)や、大学の教員などさまざまです。
介護支援サービスの意義、目的
カリキュラムの最初は、介護支援サービスとケアマネジメントの意義や目的を改めて考え、理解する講義です。ここでは「介護保険制度の理念と介護支援専門員」(2時間)「介護支援サービス(ケアマネジメント)の基本」(2時間)を取り上げます。
皆さんもすでに勉強されてきていることですが、介護支援サービスは介護保険上の位置づけでは、ケアマネジメントというソーシャルワークの一手法で実践されています。
「介護を支援するサービス」とは、利用者にとって必要な介護をマネジメントし支援を行うことです。ご存じのとおり、要介護者や家族が希望する介護サービスの導入を支援することだけではなく、利用者の自立とは何かを考え、そして、必要なケアが受けられるように支援することです。
ケアマネジメントによる支援とは、経験則で行われるものではなく、利用者の身体状況の他、心理面、社会的状況や家族の状況など多くをアセスメントし、そこから導かれた解決すべき課題やニーズを把握し、ケアサービスをプランニングする。そして、支援や介護サービスが効果的に実施され、課題を解決しているか評価する、という一連のプロセスと技術を用いて実施されることです。また、要介護者の自立や自己実現、そして介護状態にならないための予防という観点からケアマネジメントが行われているかということが、ケアマネジメントの効果に大きくかかわります。なお、支援する介護サービスは各専門スタッフによって実施されることから、チームによるアセスメントや評価、そしてサービス担当者会議による合意というチームアプローチの手法で行っていきます。また、施設におけるケアマネジメントでは、特に身体拘束の禁止や権利擁護の視点が利用者の生活の安定に重要なカギになっています。
このように、ケアマネジメントは必要なケアサービスをパッケージするだけではなく、利用者の生活の支援を「利用者本位、自立支援、公平中立」といった視点で行うことが重要となるのです。そのため、初日には介護支援専門員の倫理や基本姿勢についての講義が中心におかれている訳です。
*
倫理・基本姿勢と聞くと退屈そうなお題目といったイメージがあるかもしれませんが、ケアマネジャーにとっては業務の出発点となるところです。また、講義を受けただけで培われるものではありません。講義での内容を忘れずに、現場に出てからも実践のなかで折に触れ振り返ることが大切です。
皆さんもすでに勉強されてきていることですが、介護支援サービスは介護保険上の位置づけでは、ケアマネジメントというソーシャルワークの一手法で実践されています。
「介護を支援するサービス」とは、利用者にとって必要な介護をマネジメントし支援を行うことです。ご存じのとおり、要介護者や家族が希望する介護サービスの導入を支援することだけではなく、利用者の自立とは何かを考え、そして、必要なケアが受けられるように支援することです。
ケアマネジメントによる支援とは、経験則で行われるものではなく、利用者の身体状況の他、心理面、社会的状況や家族の状況など多くをアセスメントし、そこから導かれた解決すべき課題やニーズを把握し、ケアサービスをプランニングする。そして、支援や介護サービスが効果的に実施され、課題を解決しているか評価する、という一連のプロセスと技術を用いて実施されることです。また、要介護者の自立や自己実現、そして介護状態にならないための予防という観点からケアマネジメントが行われているかということが、ケアマネジメントの効果に大きくかかわります。なお、支援する介護サービスは各専門スタッフによって実施されることから、チームによるアセスメントや評価、そしてサービス担当者会議による合意というチームアプローチの手法で行っていきます。また、施設におけるケアマネジメントでは、特に身体拘束の禁止や権利擁護の視点が利用者の生活の安定に重要なカギになっています。
このように、ケアマネジメントは必要なケアサービスをパッケージするだけではなく、利用者の生活の支援を「利用者本位、自立支援、公平中立」といった視点で行うことが重要となるのです。そのため、初日には介護支援専門員の倫理や基本姿勢についての講義が中心におかれている訳です。
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倫理・基本姿勢と聞くと退屈そうなお題目といったイメージがあるかもしれませんが、ケアマネジャーにとっては業務の出発点となるところです。また、講義を受けただけで培われるものではありません。講義での内容を忘れずに、現場に出てからも実践のなかで折に触れ振り返ることが大切です。