専門的知識と技術をもって介護サービスを提供するのならば、それに見合った報酬と待遇は当然の権利です。しかしながら、現場の方々は肌で感じています。男性職員が寿退社し、欠員は補充されない(募集しても応募がない)現実は、志ある者の志を折ってしまうことを。
未成熟である介護という職業だからこそ、国民皆で考えていこう――現場の介護福祉士たちが今、立ち上がりました。
未成熟である介護という職業だからこそ、国民皆で考えていこう――現場の介護福祉士たちが今、立ち上がりました。
Vol.27 介護福祉士の訴え 少子高齢化時代の介護は誰が担う?
―人材確保対策における全国集会に1000人が集う
集まった1000人の思いが、国を動かす
というのも、介護保険制度は3年に1度、介護報酬の見直しがなされますが、2003年、06年の改定ではいずれも全体ではマイナス改定だったことで、09年の見直しに期待する現場の思いには熱いものがあります。本集会では、自由民主党を始め与野党の国会議員が登壇しましたが、現場の思いを汲み取り、何とか介護報酬をプラス改定したいという頼もしいメッセージも聞かれました。
質の高いサービスには、金銭的な担保を
しかし、介護報酬がプラス改定されれば現状の問題がすべて解決するかといえば、それほど事態は単純ではありません。まず、介護報酬のプラス分がそのまま介護職員の給与に反映されるとは限りません。現状の人手不足を考えると、まずは人手の確保のために投資する部分が多いと予測されます。そのためにも、介護福祉士やサービス提供責任者、さらにはスキルアップなどに対して加算をつけることも必要かもしれません。
本集会で現場職員や識者から指摘されていましたが、訪問介護事業所のサービス提供責任者は、配置義務はあっても報酬がついていません。介護福祉士のファーストステップ研修修了者に対する加算なども合わせて、今後は「質の高い人材が提供するサービスには、それなりの金銭的担保を伴う」仕組みを構築していかなければ、現場の疲弊は解消されないといえます。
登壇した現場職員の中には、来春から現場で働く男子学生の姿もありました。彼らはさまざまな思いをもって介護の門を叩きますが、これからの人材に未来を描させることのできないことには、誰も幸せにはなりません。医療が人の命を救う仕事であるのならば、介護は人の「思い」をつなぐ仕事です。その思いを形にするためにも、今、現場で働いている方々が声を上げて自分の思いを伝えるときではないでしょうか。
本集会で現場職員や識者から指摘されていましたが、訪問介護事業所のサービス提供責任者は、配置義務はあっても報酬がついていません。介護福祉士のファーストステップ研修修了者に対する加算なども合わせて、今後は「質の高い人材が提供するサービスには、それなりの金銭的担保を伴う」仕組みを構築していかなければ、現場の疲弊は解消されないといえます。
登壇した現場職員の中には、来春から現場で働く男子学生の姿もありました。彼らはさまざまな思いをもって介護の門を叩きますが、これからの人材に未来を描させることのできないことには、誰も幸せにはなりません。医療が人の命を救う仕事であるのならば、介護は人の「思い」をつなぐ仕事です。その思いを形にするためにも、今、現場で働いている方々が声を上げて自分の思いを伝えるときではないでしょうか。
■資料■人材確保対策全国集会宣言〜介護現場の危機を救え!!〜
介護保険制度が国民の介護ニーズに応えるよう十分機能して行くためには、介護サービスを担う質の高い人材の安定的な確保が欠かせません。
しかしながら、介護の現場は安い賃金などから、働くことを希望しているものが多くいるにもかかわらず、離職を余儀なくされているのが現状です。
早急に介護労働の改善を図るため、介護報酬の引き上げ等を含めた抜本的な措置を取らなければ日本の介護現場は崩壊します。私たち介護福祉士はこの危機を乗り越えるべく全国の介護現場から立ち上がりました。
私たち介護福祉士は、この要求が実現されることを強く要望し、今後も国民が安心して暮らすことが出来るように介護サービスの質を向上させ、日本の介護を守っていきます。
平成20年9月29日
しかしながら、介護の現場は安い賃金などから、働くことを希望しているものが多くいるにもかかわらず、離職を余儀なくされているのが現状です。
早急に介護労働の改善を図るため、介護報酬の引き上げ等を含めた抜本的な措置を取らなければ日本の介護現場は崩壊します。私たち介護福祉士はこの危機を乗り越えるべく全国の介護現場から立ち上がりました。
●介護の仕事が魅力ある職業として確立できるように、介護福祉士の賃金向上などの労働環境の改善やキャリアアップの仕組みの構築など「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」で示されている人材確保のための諸施策を「介護従事者処遇改善法案」において具体化すること。
●介護労働の安全と、ゆとりあるサービスのために人員配置基準の見直しを図ること。
●国民が安心して生活できるよう、経済中心、福祉抑制の考え方を改め、真に豊かな福祉社会の構築に向け政策を転換し、社会保障の充実に努めること。
●介護労働の安全と、ゆとりあるサービスのために人員配置基準の見直しを図ること。
●国民が安心して生活できるよう、経済中心、福祉抑制の考え方を改め、真に豊かな福祉社会の構築に向け政策を転換し、社会保障の充実に努めること。
私たち介護福祉士は、この要求が実現されることを強く要望し、今後も国民が安心して暮らすことが出来るように介護サービスの質を向上させ、日本の介護を守っていきます。
平成20年9月29日
社団法人日本介護福祉士会 「人材確保対策全国集会」