法務省と厚生労働省は、2009年度予算要求で、刑務所を出所した高齢者・障害者を福祉サービスへつないでいく対策を拡充させることを明らかにしました。
再犯防止緊急対策として、法務省から約23億5千万円、厚生労働省から約6億1千万円が予算として計上されました。
再犯防止緊急対策として、法務省から約23億5千万円、厚生労働省から約6億1千万円が予算として計上されました。
Vol.25 高齢者・障害者の再犯防止、ソーシャルワーカーに期待
刑務所の現状
現在、刑務所(刑事施設)を出所しても、自立した生活を送ることができず、再犯に至るケースが増えています。その理由の一つが、社会復帰の問題です。刑務所に収容されている人の高齢化が進み、障害や疾患のある人などさまざまな事情を抱える人も増えているため、出所後、社会復帰がうまくいかず、生活苦に陥り、それを理由に再犯に至ることも多いようです。
そのため、出所後の円滑な社会復帰の促進を目的として、刑務所内へのソーシャルワーカーの配置が検討され、昨年度から、正式に社会福祉士・精神保健福祉士が配置されています。
今回取り上げた再犯防止対策の面とは異なりますが、刑務所に収容されている人々の介護の問題も発生してきており、刑務所の介護施設化という問題も見え始めています。
そのため、出所後の円滑な社会復帰の促進を目的として、刑務所内へのソーシャルワーカーの配置が検討され、昨年度から、正式に社会福祉士・精神保健福祉士が配置されています。
今回取り上げた再犯防止対策の面とは異なりますが、刑務所に収容されている人々の介護の問題も発生してきており、刑務所の介護施設化という問題も見え始めています。
社会福祉士をすべての刑務所に配置
現在、全国に78ある刑務所のうち、8施設に社会福祉士が配置されていますが、法務省の来年度予算計上では、社会福祉士の配置は全国の刑務所に拡大することとされました(精神保健福祉士は、医療刑務所を含む8施設への配置が行われているが、現状維持)。
また、更生保護施設は、刑務所を出所しても身寄りのない人が、一定期間入所し、社会復帰を図る施設ですが、その更生保護施設に、年間900人の高齢者・障害者を一人当たり3か月委託できる予算が計上されました。
そして、全国に101ある更生保護施設に、57人の社会福祉士を新たに配置し、退所後を見据えた支援を行うこととされました。
このほか、全国に52ある少年院にも、現在は社会福祉士・精神保健福祉士は配置されていないため、社会福祉士を3施設に、精神保健福祉士を医療少年院2施設に配置することとされました。
また、更生保護施設は、刑務所を出所しても身寄りのない人が、一定期間入所し、社会復帰を図る施設ですが、その更生保護施設に、年間900人の高齢者・障害者を一人当たり3か月委託できる予算が計上されました。
そして、全国に101ある更生保護施設に、57人の社会福祉士を新たに配置し、退所後を見据えた支援を行うこととされました。
このほか、全国に52ある少年院にも、現在は社会福祉士・精神保健福祉士は配置されていないため、社会福祉士を3施設に、精神保健福祉士を医療少年院2施設に配置することとされました。
地域生活定着支援センター
こうした法務省の対策に加えて、厚生労働省は、服役中の段階から社会復帰を見据えた支援を行う機関として「地域生活定着支援センター(仮称)」を設ける方針を示しました。この機関では、保護観察所と連絡を取り合いながら、出所後すぐに年金受給や障害者手帳の発給ができるように準備を進める予定となっています。各都道府県に1ヶ所ずつ設置する予定とし、社会福祉法人やNPO法人に運営を委託する予定となっています。
配置人数は3人程度で、配置職員の資格要件は未定とされていますが、ソーシャルワーカーが配置されることが予想されています。
このように、現状にあわせた再犯防止・社会復帰支援を目的として、司法福祉の分野においても高齢者・障害者を中心とした福祉サービスの拡充が図られています。そして、その要として、ソーシャルワーカーの役割が期待されているのです。
配置人数は3人程度で、配置職員の資格要件は未定とされていますが、ソーシャルワーカーが配置されることが予想されています。
このように、現状にあわせた再犯防止・社会復帰支援を目的として、司法福祉の分野においても高齢者・障害者を中心とした福祉サービスの拡充が図られています。そして、その要として、ソーシャルワーカーの役割が期待されているのです。