Vol.12　受験が終われば、現場にGO！　働く場の実際と心構え

【お話を伺った人】
阿部弥生さん
社会福祉法人十日町寿福祉会
「ケアセンター　三好園しんざ」
業務課長
所有資格：介護福祉士、介護支援専門員

　特別養護老人ホームで業務課長を務める阿部弥生さんは、入職20年を迎えるベテラン介護職。ショートステイを含む70名の利用者にかかわる専門職を束ねる、頼れる姉御です。
　そんな阿部さんの頭を最近悩ませているのが、職員のコミュニケーション能力。
　「若い職員は利用者と話す際に、話題や引き出しが少なく、天気の話をして後が続かないという状況があります。全体的に職員が若く、真似できる先輩が少ないもの原因かもしれませんね」
　阿部さん自身、ユニットケアを開始した当初は、それまでの業務優先的な仕事ぶりが抜けずに悩んだといいます。最近の施設では、利用者の暮らしを創造する「生活支援」に力点が置かれていますが、若い職員などは、高齢者の過ごしてきた「暮らし」がイメージできずに苦心するようです。「ご飯が炊けない、掃除ができない」（阿部さん）職員は、逆に、利用者から教えてもらいながら成長していきます。

　阿部さんはまた、介護支援専門員（ケアマネジャー）の有資格者でもあります。現場で５年の実務経験を積むことで受験資格が得られますが、最近では福祉系の受験者が増えていることが、受験者のデータでも明らかです。介護福祉士のみならず、さまざまな有資格者が試験を受けますが、「現場を経験した介護職は、利用者の一番身近にいた分、その人が望むニーズを感じることができる」（阿部さん）と言います。 　「介護の仕事を楽しんでほしい」 　阿部さんを始めとする先輩職員は、皆さんの輝く姿を楽しみに待っています！