ケアマネジャー試験を終えた皆さんのために、「実務研修」までの心がまえを林和美センセイが伝授します。
Vol.8 介護支援専門員実務研修とは?
その5 林センセイの「実務研修」大解剖(4) アセスメント、ニーズの把握の方法
実務研修も前半がそろそろ終るところも多い頃でしょうか? 参加した感想はどのようなものでしたか?
講義を聴くという体験は久々の方もいらっしゃったのではないでしょうか。えっ?「つらかった」? そんな声も聞こえてきそうですね(笑)。さて、研修カリキュラムでは前半の講義中心から後半の演習中心へと実務研修は変わってきます。もちろんこの間に「要介護認定の実際」と「ケアプラン作成」の宿題があったりしますね。そしてそれを持ち寄って後半の研修がはじまることになります。といっても「対象者の選定」や「アセスメントの方法」など課題は残っていますね。都道府県によっては、アセスメント方式について、それぞれ個別の研修会が企画してあって、参加される方も多いと思います。わたし自身がアセスメント方式について考えることは、専門職である「大工さん」と同じだということです。
講義を聴くという体験は久々の方もいらっしゃったのではないでしょうか。えっ?「つらかった」? そんな声も聞こえてきそうですね(笑)。さて、研修カリキュラムでは前半の講義中心から後半の演習中心へと実務研修は変わってきます。もちろんこの間に「要介護認定の実際」と「ケアプラン作成」の宿題があったりしますね。そしてそれを持ち寄って後半の研修がはじまることになります。といっても「対象者の選定」や「アセスメントの方法」など課題は残っていますね。都道府県によっては、アセスメント方式について、それぞれ個別の研修会が企画してあって、参加される方も多いと思います。わたし自身がアセスメント方式について考えることは、専門職である「大工さん」と同じだということです。
専門職としてのアセスメントとは
大工さんは、家を建てるときに「設計図」をもとに、様々な道具を使い、家を建てます。道具はもちろんプロ仕様ですし、自分の手にあうように加工してあったりするのです。
皆さんもケアプラン作成の専門職なわけですから、自分にあった道具を持つべきだと思います。ただ道具はいっぱい取り揃えるより、使いこなせることが重要ですね。つまりアセスメント様式は、道具であり、その道具を使って何をするのか理解できていなければならないのです。アセスメント様式を網羅して情報収集すれば、目的が達成されるとは限らないからです。あくまでもアセスメント様式は、その目的である「生活の全体像の把握」と「生活課題の把握」のための道具なのです。情報を収集して、専門職として生活課題を分析し、利用者と共有することがなければ意味がないのです。以前はどの様式が優れているとかの不毛の論議もありましたが、要するに「生活課題」であるニーズを分析しやすいかどうかがポイントになると思います。基本テキストでも学習した「ニーズ優先アプローチ」のために、正確にニーズをつかむまでには、数多くの経験が必要になります。
例えば、利用者の困りごと(主訴)を聞いたら、開口一番に「お風呂に入りたい」と答えられました。介護支援専門員として、次にどうしますか?「それならデイサービスへいきましょぅか?」「週に3回ぐらいにしますか?」なんて展開をしている場面に遭遇したことがあります。たしかに「ニーズ優先」ですが……。考えなければならないのは、なぜ「お風呂に入りたい」と答えたのかということです。その背景にはいろいろなことが考えられます。その背景を理解するのがアセスメントなのです。「○○が××なので、誰かに助けてもらって自宅でお風呂に入りたい」というニーズであれば、「デイサービス」を組むことは、ニーズとは違うサービスとなってしまいます。つまり、ニーズの背景やそれぞれの関係性を分析するチカラが専門職たるゆえんだと思います。こうしたことは経験やスーパーバイズを受けながら高めていくものだと思います。今の時点では、完璧な宿題を完成しなくてもいいのだと思います。
全てが勉強だと思って、ケアプランの作成に取り組んでください。後半の演習では、自分の意見を言うことと、他の人の意見を素直に聞けるという姿勢で臨んでみてください。
皆さんもケアプラン作成の専門職なわけですから、自分にあった道具を持つべきだと思います。ただ道具はいっぱい取り揃えるより、使いこなせることが重要ですね。つまりアセスメント様式は、道具であり、その道具を使って何をするのか理解できていなければならないのです。アセスメント様式を網羅して情報収集すれば、目的が達成されるとは限らないからです。あくまでもアセスメント様式は、その目的である「生活の全体像の把握」と「生活課題の把握」のための道具なのです。情報を収集して、専門職として生活課題を分析し、利用者と共有することがなければ意味がないのです。以前はどの様式が優れているとかの不毛の論議もありましたが、要するに「生活課題」であるニーズを分析しやすいかどうかがポイントになると思います。基本テキストでも学習した「ニーズ優先アプローチ」のために、正確にニーズをつかむまでには、数多くの経験が必要になります。
例えば、利用者の困りごと(主訴)を聞いたら、開口一番に「お風呂に入りたい」と答えられました。介護支援専門員として、次にどうしますか?「それならデイサービスへいきましょぅか?」「週に3回ぐらいにしますか?」なんて展開をしている場面に遭遇したことがあります。たしかに「ニーズ優先」ですが……。考えなければならないのは、なぜ「お風呂に入りたい」と答えたのかということです。その背景にはいろいろなことが考えられます。その背景を理解するのがアセスメントなのです。「○○が××なので、誰かに助けてもらって自宅でお風呂に入りたい」というニーズであれば、「デイサービス」を組むことは、ニーズとは違うサービスとなってしまいます。つまり、ニーズの背景やそれぞれの関係性を分析するチカラが専門職たるゆえんだと思います。こうしたことは経験やスーパーバイズを受けながら高めていくものだと思います。今の時点では、完璧な宿題を完成しなくてもいいのだと思います。
全てが勉強だと思って、ケアプランの作成に取り組んでください。後半の演習では、自分の意見を言うことと、他の人の意見を素直に聞けるという姿勢で臨んでみてください。