ケアマネジャー試験を終えた皆さんのために、「実務研修」までの心がまえを林和美センセイが伝授します。
Vol.5 介護支援専門員実務研修とは?
その3 林センセイの「実務研修」大解剖(2) 実務研修までに身につけておきたいこと
介護保険制度の理念と介護支援専門員
今回は、皆さんがケアマネ試験に挑戦する時に勉強した「介護保険制度の理念」について改めて取り上げます。復習のつもりで読んでくださいね。
介護支援専門員には、介護保険制度をより効果的に利用者に提供するという重要な役割があります。言い換えれば、利用者本位の自立支援を提供できるかどうかは、介護支援専門員にかかっているということです。
したがって、介護支援専門員は介護保険制度の基本理念を熟知している必要があり、ここは実務研修でも初めに講義されることになります。
介護保険制度の創設は、介護を個人の問題ととらえるのではなく社会的なシステムで支えるという、いわゆる「介護サービスの社会化」が目的でした。また、介護保険により、保健・医療・福祉の分野にまたがっていた介護に関するサービスを一本化し、利用しやすくするのも目的のひとつに挙げられます。介護保険法第1条にある、「尊厳の保持」「自立した日常生活」「共同連帯」といった介護保険のキーワードが思い浮かんだ方もいらっしゃると思いますが、同第2条には介護支援専門員として介護保険制度とどう向かいあうのかというキーワードもあります。それは、「軽減または悪化の防止」「医療との十分な連携」「利用者の選択」「総合的・効率的な提供」「可能な限り、その居宅において」「自立した日常生活」といった言葉です。
端的に言ってしまえば、介護保険制度による保険給付の目的は「自立支援」です(最近は全てが自立支援といった方向性ですね。児童も障害者も生活保護も……)。
デンマークには、「生活の継続性の尊重」「自己決定の尊重」「残存能力の活用」という高齢者福祉サービスの3原則があるのですが、上記のキーワードと通ずるものがありますね。このように、介護の理念を自立支援としたことには大いに意義があることです。
そして、そこで重要となるのが、介護支援専門員が「どう使命をもって、動くか」ということです。
つまり、皆さん──介護支援専門員──に求められているのは、上記の介護保険法の理念を認識した上で、利用者本位の計画と援助をしていくというマネジメント能力であり、利用者の生活の質そのものが改善されていくようなかかわりが期待されているのです。えっ、自信がない? 介護支援専門員の仕事は、試験に受かれば誰でもすぐにできるという性質のものではありませんので、心配も当然のことかもしれませんね。まずは、実践に備えて知識を深めることが重要です。時間があったら、改めてテキストを読み返すようにしましょう。ここで触れた内容は、『四訂 介護支援専門員基本テキスト』の第1巻44〜46ページに掲載されています。
介護支援専門員には、介護保険制度をより効果的に利用者に提供するという重要な役割があります。言い換えれば、利用者本位の自立支援を提供できるかどうかは、介護支援専門員にかかっているということです。
したがって、介護支援専門員は介護保険制度の基本理念を熟知している必要があり、ここは実務研修でも初めに講義されることになります。
介護保険制度の創設は、介護を個人の問題ととらえるのではなく社会的なシステムで支えるという、いわゆる「介護サービスの社会化」が目的でした。また、介護保険により、保健・医療・福祉の分野にまたがっていた介護に関するサービスを一本化し、利用しやすくするのも目的のひとつに挙げられます。介護保険法第1条にある、「尊厳の保持」「自立した日常生活」「共同連帯」といった介護保険のキーワードが思い浮かんだ方もいらっしゃると思いますが、同第2条には介護支援専門員として介護保険制度とどう向かいあうのかというキーワードもあります。それは、「軽減または悪化の防止」「医療との十分な連携」「利用者の選択」「総合的・効率的な提供」「可能な限り、その居宅において」「自立した日常生活」といった言葉です。
端的に言ってしまえば、介護保険制度による保険給付の目的は「自立支援」です(最近は全てが自立支援といった方向性ですね。児童も障害者も生活保護も……)。
デンマークには、「生活の継続性の尊重」「自己決定の尊重」「残存能力の活用」という高齢者福祉サービスの3原則があるのですが、上記のキーワードと通ずるものがありますね。このように、介護の理念を自立支援としたことには大いに意義があることです。
そして、そこで重要となるのが、介護支援専門員が「どう使命をもって、動くか」ということです。
つまり、皆さん──介護支援専門員──に求められているのは、上記の介護保険法の理念を認識した上で、利用者本位の計画と援助をしていくというマネジメント能力であり、利用者の生活の質そのものが改善されていくようなかかわりが期待されているのです。えっ、自信がない? 介護支援専門員の仕事は、試験に受かれば誰でもすぐにできるという性質のものではありませんので、心配も当然のことかもしれませんね。まずは、実践に備えて知識を深めることが重要です。時間があったら、改めてテキストを読み返すようにしましょう。ここで触れた内容は、『四訂 介護支援専門員基本テキスト』の第1巻44〜46ページに掲載されています。
- 関連リンク
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けあサポ 福祉専門職サポーターズ
「技術の基本・ケアマネジメント実践ノート」
「困ったときのQ&A・ケアマネジメント全般」
「プロフェッショナルブログ・高室成幸の『ケアマネさん、いらっしゃい!』」
中央法規出版
「特集・ケアマネジャーさん必読書籍」
「保健・医療・福祉のクロスオーバーマガジン『ケアマネジャー』」
日本介護支援専門員協会