「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験された皆様、本当にお疲れさまでした。
夜遅くまで仕事をしながら、育児や家事に追われながら――。ほとんどの方がそうだと思いますが、どうにか時間を捻出しての、久しぶりの試験勉強だったのではないでしょうか?
さて、実務研修受講試験は毎年、合格率が下がっており、昨年度は20.5%という低い合格率でした。初めて試験に臨んだ方も、何度かトライしている方も、まずは、頑張った自分自身をほめてあげてはいかがでしょうか?
夜遅くまで仕事をしながら、育児や家事に追われながら――。ほとんどの方がそうだと思いますが、どうにか時間を捻出しての、久しぶりの試験勉強だったのではないでしょうか?
さて、実務研修受講試験は毎年、合格率が下がっており、昨年度は20.5%という低い合格率でした。初めて試験に臨んだ方も、何度かトライしている方も、まずは、頑張った自分自身をほめてあげてはいかがでしょうか?
Vol.3 介護支援専門員実務研修とは?
その1 研修の概要と流れ
「介護支援専門員実務研修」の概要
それでは、実務研修受講試験が終わった後のスケジュールをみていきましょう。
毎年度10月下旬(今年度は10月28日)に試験が実施され、試験の実施主体である都道府県によって、12月上旬頃から合格発表がされます。
ただし、実務研修受講試験に合格したからといって、即座にケアマネジャーの資格が取得できるわけではなく、合格者を対象として行われる「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があります。
合格通知とともに、実務研修の概要や受講案内等が同封されているケースが多いので、うっかり間違えることはないと思いますが、原則として、試験終了後1年以内に44時間以上のカリキュラムで実施されることになります。
実務研修は、早いところでは合格発表から1週間ほどで始まる都道府県もありますが、試験の翌年1月以降からというケースが多いようです。
具体的な実施方法や日数は、厚生労働省によって定められている研修課程と時間数にしたがって都道府県が決めますが、大体は<前期講義・演習―実習―後期講義・演習>という形で実施されるようです(*詳細は「介護支援専門員資質向上事業の実施について」(平成18年6月5日老発第0615001号)を参照ください)。
実務研修は、実習を除いて、<前期><後期>ともに、数百名を集めて一斉に行われます。グループ学習では、専門が異なる分野の人が均等に配分されるため、さまざまな人と知り合うチャンスといえるでしょう。積極的に交流を図って、ケアマネジャーとして実務に就いた後もかかわりをもてる関係性を築けると、困った際の拠り所として、非常に心強い仲間になると思います。
実務研修を修了すると修了証が発行され、介護支援専門員名簿に登録され、研修終了後1か月ほどで登録証明書が発行されます。なお、詳細は都道府県によって異なることがありますので、受験要綱で確認するようにしてください。
次回からは、実務研修を受けるまでに身につけておきたいことや心構えについて、紹介していくこととします。どうぞご期待ください。
毎年度10月下旬(今年度は10月28日)に試験が実施され、試験の実施主体である都道府県によって、12月上旬頃から合格発表がされます。
ただし、実務研修受講試験に合格したからといって、即座にケアマネジャーの資格が取得できるわけではなく、合格者を対象として行われる「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があります。
合格通知とともに、実務研修の概要や受講案内等が同封されているケースが多いので、うっかり間違えることはないと思いますが、原則として、試験終了後1年以内に44時間以上のカリキュラムで実施されることになります。
実務研修は、早いところでは合格発表から1週間ほどで始まる都道府県もありますが、試験の翌年1月以降からというケースが多いようです。
具体的な実施方法や日数は、厚生労働省によって定められている研修課程と時間数にしたがって都道府県が決めますが、大体は<前期講義・演習―実習―後期講義・演習>という形で実施されるようです(*詳細は「介護支援専門員資質向上事業の実施について」(平成18年6月5日老発第0615001号)を参照ください)。
実務研修は、実習を除いて、<前期><後期>ともに、数百名を集めて一斉に行われます。グループ学習では、専門が異なる分野の人が均等に配分されるため、さまざまな人と知り合うチャンスといえるでしょう。積極的に交流を図って、ケアマネジャーとして実務に就いた後もかかわりをもてる関係性を築けると、困った際の拠り所として、非常に心強い仲間になると思います。
実務研修を修了すると修了証が発行され、介護支援専門員名簿に登録され、研修終了後1か月ほどで登録証明書が発行されます。なお、詳細は都道府県によって異なることがありますので、受験要綱で確認するようにしてください。
次回からは、実務研修を受けるまでに身につけておきたいことや心構えについて、紹介していくこととします。どうぞご期待ください。
介護支援専門員資格取得までの流れ
◆受験申し込み
↓
◆受験資格審査
↓
◆受験票発送
↓
◆介護支援専門員実務研修受講試験
↓
◆合格発表
↓
◆介護支援専門員実務研修受講
↓
◆介護支援専門員名簿登録
↓
◆介護支援専門員登録証明書発行
↓
◆受験資格審査
↓
◆受験票発送
↓
◆介護支援専門員実務研修受講試験
↓
◆合格発表
↓
◆介護支援専門員実務研修受講
↓
◆介護支援専門員名簿登録
↓
◆介護支援専門員登録証明書発行
《参考》介護支援専門員実務研修の研修課程等
「介護支援専門員資質向上事業の実施について〈別添1〉より抜粋。
【前期第1日目】
○介護保険制度の理念と介護支援専門員(講義2時間)
介護保険制度の基本理念を理解し、利用者の自立支援を図るために必要な介護支援専門員の機能や役割を認識させる。居宅サービス計画等の作成、保険給付、給付管理等の関係性についての基本的な理解を図るための講義を行う。
○介護支援サービス(ケアマネジメント)の基本(講義2時間)
介護支援サービスの意義と目的、介護支援サービスにおけるチームケア、プロセスについての講義を行う。居宅介護支援と施設サービス計画の双方についてケアマネジメントの対象であることを踏まえて、利用者の権利擁護の視点に立った介護支援専門員の倫理と基本姿勢、身体拘束廃止の意義等についての講義を行う。
○要介護認定等の基礎(講義2時間)
要介護認定等に係る認定調査や要介護認定基準の基本的な視点と概要を理解し、利用者の状態がどのように要介護度等に反映されるかについての講義を行う。主治医意見書の記載内容を理解する。また、要介護認定に係る認定調査とアセスメントの関連等についての講義を行う。
介護保険制度の基本理念を理解し、利用者の自立支援を図るために必要な介護支援専門員の機能や役割を認識させる。居宅サービス計画等の作成、保険給付、給付管理等の関係性についての基本的な理解を図るための講義を行う。
○介護支援サービス(ケアマネジメント)の基本(講義2時間)
介護支援サービスの意義と目的、介護支援サービスにおけるチームケア、プロセスについての講義を行う。居宅介護支援と施設サービス計画の双方についてケアマネジメントの対象であることを踏まえて、利用者の権利擁護の視点に立った介護支援専門員の倫理と基本姿勢、身体拘束廃止の意義等についての講義を行う。
○要介護認定等の基礎(講義2時間)
要介護認定等に係る認定調査や要介護認定基準の基本的な視点と概要を理解し、利用者の状態がどのように要介護度等に反映されるかについての講義を行う。主治医意見書の記載内容を理解する。また、要介護認定に係る認定調査とアセスメントの関連等についての講義を行う。
【前期第2日目】
○介護支援サービス(ケアマネジメント)の基礎技術
・受付及び相談と契約(講義1時間)
介護サービスの利用を希望して介護支援専門員に相談する利用者だけでなく、介護支援サービス各種介護サービスを必要とする利用者の発見とそれらの者を介護支援サービスに結びつけることが必要であることの理解を図るための講義を行う。また、契約は契約は重要事項の説明を経た法律行為であり、利用者が主体者であることを保障するために苦情申し立てや権利擁護が制度化され、利用者が主体者であることを認識し、利用者の自立を支援する視点の必要性についての講義を行う。
・アセスメント、ニーズの把握の方法(講義1時間・演習4時間)
アセスメントにより解決すべき生活全般の課題が明らかになることを理解し、的確な情報の把握と分析の必要性についての講義を行う。情報の収集に当たり、利用者の希望や要望の背景を把握し、理解することの必要性及び利用者の生活の現況から生活機能(WHO国際生活機能分類による)とその背景を把握し、理解する視点の必要性を認識する。また、収集された情報からアセスメントにより解決すべき課題を明らかにしていく方法と技術について演習をとおして理解する。双方向のコミュニケーションが重要であり、アセスメントは介護支援専門員と利用者の共同作業であることに留意する。
・受付及び相談と契約(講義1時間)
介護サービスの利用を希望して介護支援専門員に相談する利用者だけでなく、介護支援サービス各種介護サービスを必要とする利用者の発見とそれらの者を介護支援サービスに結びつけることが必要であることの理解を図るための講義を行う。また、契約は契約は重要事項の説明を経た法律行為であり、利用者が主体者であることを保障するために苦情申し立てや権利擁護が制度化され、利用者が主体者であることを認識し、利用者の自立を支援する視点の必要性についての講義を行う。
・アセスメント、ニーズの把握の方法(講義1時間・演習4時間)
アセスメントにより解決すべき生活全般の課題が明らかになることを理解し、的確な情報の把握と分析の必要性についての講義を行う。情報の収集に当たり、利用者の希望や要望の背景を把握し、理解することの必要性及び利用者の生活の現況から生活機能(WHO国際生活機能分類による)とその背景を把握し、理解する視点の必要性を認識する。また、収集された情報からアセスメントにより解決すべき課題を明らかにしていく方法と技術について演習をとおして理解する。双方向のコミュニケーションが重要であり、アセスメントは介護支援専門員と利用者の共同作業であることに留意する。
【前期第3日目】
・居宅サービス計画等の作成(講義2時間・演習4時間)
アセスメントから明らかになった生活の目標と課題について、自立支援の理念を具現化し、利用者の生活の目標を実現するための居宅サービス計画等の原案作成の演習等をとおして理解をすすめる。生活の目標を実現するためのサービス資源の活用方法、予測される生活の状況、課題解決の視点と方法、具体化するための技術等についての講義及び演習を行う。また、サービスの実施状況の確認方法等についての知識を得る。利用者ならびにサービス事業者に交付することに留意し、利用者が理解できる表現を心がけると同時にケアプランに組み込んだ個別サービス計画であることを理解する。作成した計画は原案であり、確定するにはサービス担当者会議を経る必要があることを強調する。
・実習オリエンテーション(講義1時間)
介護支援サービス(ケアマネジメント)の基礎技術に関する実習
これまでの講義や演習をもとに、実習の目的とねらいについて理解した上で、各自一事例を選定して認定調査、社会資源調査、アセスメント及び居宅サービス計画等作成の実習を行う。
アセスメントから明らかになった生活の目標と課題について、自立支援の理念を具現化し、利用者の生活の目標を実現するための居宅サービス計画等の原案作成の演習等をとおして理解をすすめる。生活の目標を実現するためのサービス資源の活用方法、予測される生活の状況、課題解決の視点と方法、具体化するための技術等についての講義及び演習を行う。また、サービスの実施状況の確認方法等についての知識を得る。利用者ならびにサービス事業者に交付することに留意し、利用者が理解できる表現を心がけると同時にケアプランに組み込んだ個別サービス計画であることを理解する。作成した計画は原案であり、確定するにはサービス担当者会議を経る必要があることを強調する。
・実習オリエンテーション(講義1時間)
介護支援サービス(ケアマネジメント)の基礎技術に関する実習
これまでの講義や演習をもとに、実習の目的とねらいについて理解した上で、各自一事例を選定して認定調査、社会資源調査、アセスメント及び居宅サービス計画等作成の実習を行う。
【後期第1日目】
・アセスメント、居宅サービス計画等作成演習(演習6時間)
実習をとおして各自が行った事例のアセスメントと作成した居宅サービス計画等をもとに、主訴の把握、生活機能とその背景の把握、利用者の状況等の事例検討等を行うことにより、アセスメント等の理解を深め、生活の目標に向けたサービス及び社会資源の活用と調整を理解するための演習を行う。また、各自が実習を振り返り、介護支援専門員の機能と役割を実践する上で必要な知識と技能について、今後の学習課題の理解をすすめる。なお、当該演習には、演習を実施する際の意義や、まとめに係る講義も含むものとする。
・モニタリングの方法(講義2時間)
アセスメントにより明らかになった解決すべき課題について事後的・客観的評価を行うことにより、総合的な援助の方針及び目標設定の整合性を確認し、居宅サービス計画等の再作成を行う方法と技術についての講義を行う。経過記録とモニタリングの違いを理解し、記録のポイントについて、事例を踏まえて講義する。
実習をとおして各自が行った事例のアセスメントと作成した居宅サービス計画等をもとに、主訴の把握、生活機能とその背景の把握、利用者の状況等の事例検討等を行うことにより、アセスメント等の理解を深め、生活の目標に向けたサービス及び社会資源の活用と調整を理解するための演習を行う。また、各自が実習を振り返り、介護支援専門員の機能と役割を実践する上で必要な知識と技能について、今後の学習課題の理解をすすめる。なお、当該演習には、演習を実施する際の意義や、まとめに係る講義も含むものとする。
・モニタリングの方法(講義2時間)
アセスメントにより明らかになった解決すべき課題について事後的・客観的評価を行うことにより、総合的な援助の方針及び目標設定の整合性を確認し、居宅サービス計画等の再作成を行う方法と技術についての講義を行う。経過記録とモニタリングの違いを理解し、記録のポイントについて、事例を踏まえて講義する。
【後期第2日目】
○地域包括支援センターの概要(講義2時間)
地域包括支援センターの役割と介護支援専門員が受ける日常的な支援内容、センターへの情報提供や連携の必要性等について講義を行う。
○介護予防支援(ケアマネジメント)(講義3時間・演習4時間)
予防給付においては、利用者の生活状況を適切に把握し、それに基づき生活機能の改善可能性の評価を行い、利用者が意欲を持って必要な支援を活用しながら自立した生活を送れるようなケアマネジメントを行うことが求められている。このようなケアマネジメントを行うための基本的な考え方、プロセスについて理解する。また、各種予防給付のサービス内容等を理解するとともに、実際にケアマネジメントを行うための手法について講義を行い、介護予防サービス計画の原案作成の演習等をとおして理解をすすめる。
地域包括支援センターの役割と介護支援専門員が受ける日常的な支援内容、センターへの情報提供や連携の必要性等について講義を行う。
○介護予防支援(ケアマネジメント)(講義3時間・演習4時間)
予防給付においては、利用者の生活状況を適切に把握し、それに基づき生活機能の改善可能性の評価を行い、利用者が意欲を持って必要な支援を活用しながら自立した生活を送れるようなケアマネジメントを行うことが求められている。このようなケアマネジメントを行うための基本的な考え方、プロセスについて理解する。また、各種予防給付のサービス内容等を理解するとともに、実際にケアマネジメントを行うための手法について講義を行い、介護予防サービス計画の原案作成の演習等をとおして理解をすすめる。
【後期第3日目】
○介護支援サービス(ケアマネジメント)の展開技術
・相談面接技術の理解(講義3時間)
利用者の権利擁護の視点に立ち、自立支援を図る上で必要なアセスメントを行うための相談面接技術の修得についての講義を行う。なお、必要に応じて演習を実施してもよい。
・チームアプローチ演習(演習3時間)
ロールプレイ等の演習をとおして、それぞれのサービス提供者等専門職チームによる相互理解を図ることの重要性やアセスメントにより明らかにされた内容を共有し、アセスメントの客観性を担保することの重要性について理解するための演習を行う。
また、利用者の自己決定と自立支援に不可欠な適正な利用者の同意の取得のプロセス手法等をロールプレイ等の演習をとおして理解する。
○意見交換、講評(1時間)
実習後のアセスメント及び居宅サービス計画等作成演習において、グループ又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて今後の学習課題を理解するための講評を行う。
次回は11月20日(火)更新予定です。
・相談面接技術の理解(講義3時間)
利用者の権利擁護の視点に立ち、自立支援を図る上で必要なアセスメントを行うための相談面接技術の修得についての講義を行う。なお、必要に応じて演習を実施してもよい。
・チームアプローチ演習(演習3時間)
ロールプレイ等の演習をとおして、それぞれのサービス提供者等専門職チームによる相互理解を図ることの重要性やアセスメントにより明らかにされた内容を共有し、アセスメントの客観性を担保することの重要性について理解するための演習を行う。
また、利用者の自己決定と自立支援に不可欠な適正な利用者の同意の取得のプロセス手法等をロールプレイ等の演習をとおして理解する。
○意見交換、講評(1時間)
実習後のアセスメント及び居宅サービス計画等作成演習において、グループ又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて今後の学習課題を理解するための講評を行う。
次回は11月20日(火)更新予定です。
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けあサポ 福祉専門職サポーターズ
「技術の基本・ケアマネジメント実践ノート」
「困ったときのQ&A・ケアマネジメント全般」
「プロフェッショナルブログ・高室成幸の『ケアマネさん、いらっしゃい!』」
中央法規出版
「特集・ケアマネジャーさん必読書籍」
「保健・医療・福祉のクロスオーバーマガジン『ケアマネジャー』」
日本介護支援専門員協会