毎回旬な話題を提供する「キャッチ・アップ」。第1回・第2回は、皆さんの関心も高い、資格制度のあり方をめぐる法改正について、わかりやすく解説します。
Vol.2 資格制度改正で、私たちの仕事はどう変わる?(2)社会福祉士
「社会福祉士及び介護福祉士等の一部を改正する法律案」のポイント
社会福祉士の改正規定は?
社会福祉士の改正規定は以下のとおりになります。
「つなぐ」役割明示〜定義規定
社会福祉士は、従来規定されているように相談援助が業務の中心であることもふまえつつ、各サービス提供者や関係者との連絡調整という「つなぐ」役割が明示され、求められる社会福祉士像をより現実的に記したものに見直されています。
現行
「専門的知識・技術をもって、福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと(「相談援助」)を業とする者」
↓
改正案
「専門的知識・技術をもって、福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うこと(「相談援助」)を業とする者」
地域に即した創意工夫を。レベルアップをめざす〜義務規定
社会福祉士も介護福祉士同様、「誠実義務」「資質向上の責務」規定の追加と「連携」に関する記述の具体化が行われています。特に「連携」の部分では、地域ネットワークや地域資源の開発など、社会福祉士の幅広い役割を踏まえて、「地域に即した創意と工夫を行いつつ」福祉サービス提供者と連携するという記述が盛り込まれています。
現場で使える高い実践力を〜資格取得規定
社会福祉士の資格取得法の見直しは、現場で高い実践力を有するための資格にすることがねらいです。
こちらもルート別にまとめてみましょう。
こちらもルート別にまとめてみましょう。
「福祉系大学ルート」
福祉系大学等で指定科目履修+国家試験
⇒福祉系大学等で指定科目履修(実習等に基準設定)+国家試験
「養成施設ルート」
養成施設1年以上(1050時間)+国家試験
⇒養成施設1年以上(1200時間程度)+国家試験
「行政職ルート」
児童福祉司等5年以上+国家試験
⇒児童福祉司等4年以上+養成施設6か月以上(600時間程度)+国家試験
福祉系大学等で指定科目履修+国家試験
⇒福祉系大学等で指定科目履修(実習等に基準設定)+国家試験
「養成施設ルート」
養成施設1年以上(1050時間)+国家試験
⇒養成施設1年以上(1200時間程度)+国家試験
「行政職ルート」
児童福祉司等5年以上+国家試験
⇒児童福祉司等4年以上+養成施設6か月以上(600時間程度)+国家試験
特に「福祉系大学ルート」では、実践力アップのため実習部分等の基準が設定されています。カリキュラム策定のための準備期間がある関係で、実施は平成21年度からになります。
「行政職ルート」の養成課程は、通信等も含めたバリエーションのあるものにするとされ、こちらも経過措置が5年(公布後5年目の年度までは養成課程不要)となっています。
「行政職ルート」の養成課程は、通信等も含めたバリエーションのあるものにするとされ、こちらも経過措置が5年(公布後5年目の年度までは養成課程不要)となっています。
社会福祉士をもっと世に!〜任用・活用の促進
1.社会福祉主事から社会福祉士へ
社会福祉主事養成課程を修了後、2年間の実務経験+6か月の養成課程を経れば、社会福祉士国家試験の受験資格が与えられることになり、「社会福祉主事から社会福祉士へ」というルートがつくられます。新教育カリキュラムの実施にあわせ、平成21年度より施行される予定です。
2.任用資格の拡大
現在、社会福祉士になれば児童福祉司の任用資格が得られる、ということになっていますが、これに加えて、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司についても、社会福祉士の任用資格として位置づけられる予定です。これにより、社会福祉士が活躍できる場の拡大につながることが予想されます。
社会福祉主事養成課程を修了後、2年間の実務経験+6か月の養成課程を経れば、社会福祉士国家試験の受験資格が与えられることになり、「社会福祉主事から社会福祉士へ」というルートがつくられます。新教育カリキュラムの実施にあわせ、平成21年度より施行される予定です。
2.任用資格の拡大
現在、社会福祉士になれば児童福祉司の任用資格が得られる、ということになっていますが、これに加えて、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司についても、社会福祉士の任用資格として位置づけられる予定です。これにより、社会福祉士が活躍できる場の拡大につながることが予想されます。
資格制度改正についてのまとめ
今回の「社会福祉士及び介護福祉士等の一部を改正する法律案」では、介護福祉士・社会福祉士それぞれの「定義」、「義務」、「資格取得要件」について規定することで、本来の役割を明確化し、質の向上を図っていくという内容が盛り込まれたものとなりました。
今後、国家試験・教育カリキュラムの見直し内容、特に介護福祉士については介護技術講習や基礎研修、「専門介護福祉士」といった具体的な案件も早急に検討することとされています。
また、介護についてもう一つの大きなテーマである「介護の担い手の人材確保」については、法改正とは別に福祉部会で引き続き検討することとなりました。まずは質的なレベルアップがあり、それに伴って社会的な評価をする、ということのようです。平成21年度の介護報酬の見直しに向け、職場での待遇などについての議論が展開されるものと思われます。
社会福祉士と介護福祉士のレベルアップにより、それに見合う評価がなされ、それぞれの役割が有効に機能する結果となる改正であってほしいものです。
今後も、制度についての動向を随時レポートしていきます。
今後、国家試験・教育カリキュラムの見直し内容、特に介護福祉士については介護技術講習や基礎研修、「専門介護福祉士」といった具体的な案件も早急に検討することとされています。
また、介護についてもう一つの大きなテーマである「介護の担い手の人材確保」については、法改正とは別に福祉部会で引き続き検討することとなりました。まずは質的なレベルアップがあり、それに伴って社会的な評価をする、ということのようです。平成21年度の介護報酬の見直しに向け、職場での待遇などについての議論が展開されるものと思われます。
社会福祉士と介護福祉士のレベルアップにより、それに見合う評価がなされ、それぞれの役割が有効に機能する結果となる改正であってほしいものです。
今後も、制度についての動向を随時レポートしていきます。