今月の特集 高齢期の住まい
第2回 有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅で、どのような介護を受けられるのでしょうか?
ところで、やはり気になるのは、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅でどのような介護を受けられるのか、だと思います。
第2回では、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅で利用できる(介護保険サービスを含めた)サービスについてご紹介します。
介護保険サービスを利用するには2通りの方法
有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅で利用できる介護保険サービスには次の2つがあります。
1つが「特定施設入居者生活介護」で、もう1つが、訪問介護などの「居宅サービス」です。「居宅サービス」は、ご自宅で生活する場合と同様、ケアマネジャーに「居宅サービス計画(ケアプラン)」をつくってもらい(自身でつくることもできます)、利用します。
特定施設入居者生活介護では、お住まいになっている有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅の職員が介護を提供します。自身の身体の状態や、希望などをふまえ事前に立てられた計画をもとに介護が提供され、生活を送るうえで必要となる介護はその施設のなかで完結します。介護にかかわる利用料は(要介護度による)1か月の定額です 。
「居宅サービス」は、ケアマネジャーと相談しながら作成したケアプランにそって、訪問介護やデイサービスなどを利用することになります。利用料はそれぞれの居宅サービスごとに決められており、利用した回数を積み上げていくことになります。また要介護度によって上限額が決められており、それを超えた場合は全額が自己負担となります。
1つが「特定施設入居者生活介護」で、もう1つが、訪問介護などの「居宅サービス」です。「居宅サービス」は、ご自宅で生活する場合と同様、ケアマネジャーに「居宅サービス計画(ケアプラン)」をつくってもらい(自身でつくることもできます)、利用します。
特定施設入居者生活介護では、お住まいになっている有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅の職員が介護を提供します。自身の身体の状態や、希望などをふまえ事前に立てられた計画をもとに介護が提供され、生活を送るうえで必要となる介護はその施設のなかで完結します。介護にかかわる利用料は(要介護度による)1か月の定額です 。
「居宅サービス」は、ケアマネジャーと相談しながら作成したケアプランにそって、訪問介護やデイサービスなどを利用することになります。利用料はそれぞれの居宅サービスごとに決められており、利用した回数を積み上げていくことになります。また要介護度によって上限額が決められており、それを超えた場合は全額が自己負担となります。
「特定施設入居者生活介護」が提供されるのは
それでは、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅のうち、どのような場合に「特定施設入居者生活介護」が提供されるのでしょうか。
いずれも、「特定施設入居者生活介護」を提供するには、あらかじめ決められた従業者や設備、運営に関する基準を満たしている必要があり、かつ都道府県の担当部署に申請、受理されている施設に限ります。
なお、有料老人ホームの場合は「介護付有料老人ホーム」がこれに当たります。「特定施設入居者生活介護」を提供していない有料老人ホームは「介護付」をうたうことはできません。
いずれも、「特定施設入居者生活介護」を提供するには、あらかじめ決められた従業者や設備、運営に関する基準を満たしている必要があり、かつ都道府県の担当部署に申請、受理されている施設に限ります。
なお、有料老人ホームの場合は「介護付有料老人ホーム」がこれに当たります。「特定施設入居者生活介護」を提供していない有料老人ホームは「介護付」をうたうことはできません。
介護保険サービス以外に提供されるサービス
さて、「特定施設入居者生活介護」を提供していない有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅では、自身で必要な介護保険サービスを選ぶことはお話したとおりです(有料老人ホームの場合では「住宅型有料老人ホーム」がこれに当たります)。
すると、次に気になるのは、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅それぞれが独自に(介護保険の対象とならない)提供するサービスはどのようなものか、ということだと思います。
すると、次に気になるのは、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅それぞれが独自に(介護保険の対象とならない)提供するサービスはどのようなものか、ということだと思います。
有料老人ホーム | 食事の提供のほか、管理費に含まれるのが生活相談や安否の確認、緊急時の対応サービスです。なお、提携する有料老人ホームに住み替えて「特定施設入居者生活介護」を利用することができる場合もあります。 |
ケアハウス | 主なサービスは食事と入浴サービスの提供と生活相談などです。居室には、緊急時の連絡をするための緊急通報設備があります。 |
高齢者専用賃貸住宅 | 主に安否確認、緊急時の連絡、生活相談などを行っています。 高齢者専用賃貸住宅は、文字通りもっぱら高齢者を対象とする「賃貸住宅」です。家賃のほか、その事業者がどのようなサービスを附帯させているのか、その利用額はいくらかなどは、事業者との契約によります。 |
介護が必要な場合はどれがよいか
このようにみていくと、介護が必要となった場合の安心感を求めるのであれば「特定施設入居者生活介護」を提供する有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅がもっともメリットが高いといえます。
しかし、介護は人と人のいわゆる“相性”というべきものが大きなウエイトを占めます。「特定施設入居者生活介護」を提供する有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅の場合、もしもそこで提供される介護が自分の意に添うようなものでなければ、苦労することになるかもしれません。
一方、特定施設入居者生活介護を提供しない有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅は、“気に入らない”サービスであれば、変更することが可能ですが、きめの細かいサービスは期待できません。
しかし、介護は人と人のいわゆる“相性”というべきものが大きなウエイトを占めます。「特定施設入居者生活介護」を提供する有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅の場合、もしもそこで提供される介護が自分の意に添うようなものでなければ、苦労することになるかもしれません。
一方、特定施設入居者生活介護を提供しない有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅は、“気に入らない”サービスであれば、変更することが可能ですが、きめの細かいサービスは期待できません。
介護以外の特徴は
次に、特定施設入居者生活介護の提供があるかないか、という視点を離れて、有料老人ホーム、ケアハウス、高齢者専用賃貸住宅の特徴を比較してみたいと思います。
有料老人ホーム、ケアハウスでは、特定施設入居者生活介護の提供の有無にかかわらず、職員が常に駐在しており、緊急の場合にはすぐに駆けつけてくれるというのは大きな安心感です。また、決まった時間に栄養管理の行き届いた食事が提供されるので、食事づくりに不安を感じていたり、不規則な食事をしたりしている人にとっては望ましいといえます。
一方、食事、入浴の場所や時間が決められているなど、いわゆる“集団生活”でもあり、そこでの生活には不便や窮屈さを感じることもあるかもしれません。
また、高齢者専用賃貸住宅では、多くの場合、それぞれの住戸に必要な生活設備が整えられている場合が多く、自身の生活スタイルを大切にしたまま生活することができます。元気なうちから住み替えを考え、他人から必要以上に干渉されることはないけれど毎日の見守りやちょっと体調を崩したときに支えてくれるようなサービスを期待したいという場合に選択肢となるでしょう。
有料老人ホーム、ケアハウスでは、特定施設入居者生活介護の提供の有無にかかわらず、職員が常に駐在しており、緊急の場合にはすぐに駆けつけてくれるというのは大きな安心感です。また、決まった時間に栄養管理の行き届いた食事が提供されるので、食事づくりに不安を感じていたり、不規則な食事をしたりしている人にとっては望ましいといえます。
一方、食事、入浴の場所や時間が決められているなど、いわゆる“集団生活”でもあり、そこでの生活には不便や窮屈さを感じることもあるかもしれません。
また、高齢者専用賃貸住宅では、多くの場合、それぞれの住戸に必要な生活設備が整えられている場合が多く、自身の生活スタイルを大切にしたまま生活することができます。元気なうちから住み替えを考え、他人から必要以上に干渉されることはないけれど毎日の見守りやちょっと体調を崩したときに支えてくれるようなサービスを期待したいという場合に選択肢となるでしょう。
第3回 高齢期の住まいの選び方は?
取材協力者
シニアライフ情報センター
高齢者の「在宅からの住み替え」をお手伝いしている非営利団体(NPO)。
1992年の発足以来、高齢者の安心居住を目指し、消費者の立場と視点から、安心して老後の生活を託せる公・民の「高齢者の住まい」の情報を幅広く集めている。
収集した豊富な情報を整理分析して、必要とされる方々に提供し、セミナーや見学会を通して見る目を養って頂くとともに、面談によるきめ細かな相談も行っている。
〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-10-7 406
TEL:03-5350-8491
http://www.senior-life.org
E-Mail:i-senior@tb3.so-net.ne.jp
高齢者の「在宅からの住み替え」をお手伝いしている非営利団体(NPO)。
1992年の発足以来、高齢者の安心居住を目指し、消費者の立場と視点から、安心して老後の生活を託せる公・民の「高齢者の住まい」の情報を幅広く集めている。
収集した豊富な情報を整理分析して、必要とされる方々に提供し、セミナーや見学会を通して見る目を養って頂くとともに、面談によるきめ細かな相談も行っている。
〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-10-7 406
TEL:03-5350-8491
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E-Mail:i-senior@tb3.so-net.ne.jp