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もっと知りたい！訪問看護のこと

第３回　訪問看護師さんの１日に密着！　前編
～大島訪問看護ステーション

　いつもテキパキと丁寧に看護やケアをしてくれる訪問看護師さん。とても忙しそうですが、どのようなスケジュールで訪問されているのでしょうか？　第３、４回目では、訪問看護師さんの１日に密着して、お仕事の様子をレポートします。
　今回、同行させていただいたのは、東京都江東区にある大島訪問看護ステーションの武笠恵さんです。武笠さんは訪問看護師になって10年目のベテランです。

朝の出勤

　毎朝８時45分頃に出勤し、ユニフォームに着替えてから、週末の電話対応の記録を日報にはさんだり、本日訪問するお宅の順番を確認したりします。
　９時から朝のミーティングです。和やかな雰囲気の中、担当の利用者さんの目標や問題点、起こりやすい症状等を確認します。みんなで利用者さんの情報を共有し、問題点についてはアドバイスを出し合ったりします。
　ミーティングはだいたい10時くらいまで行い、出かける準備をして、10時半にはステーションを出発します。

午前中の訪問看護へ

　大島訪問看護ステーションでは、すべての訪問先に自転車でうかがいます。晴れの日は気持ちいいですが、雨の日や暑い日は大変だといいます。

　自転車で５分。10時30分に１軒目のお宅に到着しました。ご夫婦で２人暮らしをされているＩさん。奥さまが主介護者となり旦那さまを介護されています。「夫は体が大きくて、体をふくのも大変なんです。訪問看護師さんがいなかったら、とても一人じゃ介護できません。本当にありがたいです」と奥さまは感謝していました。
　昨晩の様子などを自然な会話の中でうかがい、まず血圧などのバイタルチェック。そして、ベッド上で頭を洗い、全身を清拭。「Ｉさん、洗いますよー」。Ｔさんは病気のため会話が難しい状態ですが、ケアする間、きちんと声をかける姿が印象的でした。
　お下を清潔にし、摘便を行ってから新しいオムツに替えると、Ｔさんも気持ちよさそうな表情です。そして、足を洗い、口腔ケアをして１時間の訪問看護の終了です。
　記録をつけながら、「痰が絡んで心配なの」と相談する奥さまに、薬のアドバイスや食前にアイスマッサージをすすめるなど、少しも無駄な時間はありません。不安な顔をしていた奥さまも安心した様子でした。訪問看護師と話をすることが、家族の励ましとストレス解消につながっているようでした。

　自転車で移動し、次のお宅に11：50に到着しました。２軒目に訪れたのは、膠原病を抱えながら一人暮らしをしているＮさん宅。
　普段はお風呂場で傷の手当てをするそうですが、この日は夏バテ気味で体力が落ちているので、ベッド上で行うことになりました。電子レンジで温めた温タオルを手足に巻き、血液循環を促し、古い薬を拭きとってから薬を塗っていきます。
　食欲が落ちているというＮさん。さりげなく昨日食べたものなどをうかがい、水分補給を介助して、「がんばって食べましょうね」と食事をすることをすすめながら、傷の手当てをしました。

ベッドの上で、傷の手当てをしています。

お昼休憩

　12時50分頃Ｎさん宅を後にすると、やっとお昼休みです。途中のお弁当屋さんでご飯を買い、ステーションに戻って遅いランチをとります。みんなと食事をしながら情報交換をしたり、書類を整理します。
　食後、午前中に訪問した方の記録をまとめます。記録には、今日行ったこと、家族の反応、次回うかがう際の注意点（訪問看護師への伝言）などを書くそうです。