全国に広がる
認知症の人の見守り・SOSネットワーク
第1回 認知症の人の見守り・SOSネットワークとは?
行方不明者の数は年間2万3000人、そのうち1000人が死亡・未発見
繰り返される認知症の人の徘徊・行方不明事故――。
平成16年の警察庁の調べによると、全国での高齢者の行方不明(捜索依頼)数は、2万3668件。そのうち、発見あるいは自分で帰宅された方は2万2763人、死亡あるいは未発見は905人でした。この調査では、行方不明になられた方が認知症の診断がついている高齢者なのかまではわかりませんが、年間2万3000人以上の高齢者が行方不明になり、そのうち1000人近い人が死亡・未発見という衝撃的な事実が明らかになりました。加えて、すべての人が警察に届け出ているとは限りませんので、実際の徘徊・行方不明事故はさらに多いものと考えられます。
平成16年の警察庁の調べによると、全国での高齢者の行方不明(捜索依頼)数は、2万3668件。そのうち、発見あるいは自分で帰宅された方は2万2763人、死亡あるいは未発見は905人でした。この調査では、行方不明になられた方が認知症の診断がついている高齢者なのかまではわかりませんが、年間2万3000人以上の高齢者が行方不明になり、そのうち1000人近い人が死亡・未発見という衝撃的な事実が明らかになりました。加えて、すべての人が警察に届け出ているとは限りませんので、実際の徘徊・行方不明事故はさらに多いものと考えられます。
全国で広がる認知症の人の見守り・SOSネットワーク
このような現状に対して、厚生労働省も平成22年度より「地域支え合い体制づくり事業」を実施し、国として「徘徊・見守りSOSネットワークの構築」を積極的に推進し、予算面でも後押ししています。この流れの中で自治においてもネットワークを構築しようという動きが活発化しており、取り組みが全国のすべての自治体・地域に広がることへの期待が高まっています。
行方不明ゼロのまちを目指して
認知症の人の増加に伴って、今後も行方不明は増加することが予測されていますが、行政や警察、一部の人だけの力では、未然に防いだり早期に発見することは困難を極めています。今、幅広い立場の市民が参加するネットワークを育て、温かい目に見守られ、安心して外出できる地域、迷っても声をかけてもらい、自宅に無事に帰れるような行方不明ゼロのまちづくりが目指されています。
なお、徘徊・行方不明になる認知症の人は、無目的に歩いているわけではありません。このため「徘徊」という言葉を使うことに抵抗を感じる家族も多くいらっしゃいます。ただ、ここではこれに置き換える適当な言葉がないため、「徘徊・行方不明」という言葉を使わせていただきます。