認知症予防にも効果!
「共想法」で、ほのぼの会話
第3回 「共想法」を日常生活に活かす方法
前回は、共想法の実施方法について具体的にご紹介しました。
今回は、共想法を日常生活に活かす方法についてご紹介したいと思います。
今回は、共想法を日常生活に活かす方法についてご紹介したいと思います。
自分のコミュニケーション傾向を知る
日常生活の中でも、数人のグループでの会話においてタイミングよく発言したり、バランスよく他人の発言を促したりすることはむずかしいものです。例えば、皆さんは、次のような状況に心当たりはないでしょうか。
●話し始めたら止まらず、一人でずっと話し続けてしまう
●人の話に割って入ることが苦手で、言いたいことがあっても発言のタイミングを逃してしまう
●自分が言いたいことを表す、適切な言葉を見つけるのに時間がかかり、後から「ああ言えばよかった」と後悔する
●人の話を聞いているとすぐに発言したくなってしまい、いつの間にか自分の話をはじめてしまう
●人の話を聞いていると、つい別のことを思い浮かべてしまい、気づくと話についていけなくなっている
●人の話に興味がなく、実はあまりよく聞いていない
●話し始めたら止まらず、一人でずっと話し続けてしまう
●人の話に割って入ることが苦手で、言いたいことがあっても発言のタイミングを逃してしまう
●自分が言いたいことを表す、適切な言葉を見つけるのに時間がかかり、後から「ああ言えばよかった」と後悔する
●人の話を聞いているとすぐに発言したくなってしまい、いつの間にか自分の話をはじめてしまう
●人の話を聞いていると、つい別のことを思い浮かべてしまい、気づくと話についていけなくなっている
●人の話に興味がなく、実はあまりよく聞いていない
コミュニケーションの偏り
コミュニケーションにおいて、話すときに使う脳の機能と聞くときに使う脳の機能は異なると言われています。したがって、どちらか一方だけを使い続けると、使わないほうの機能が衰える危険が高まります。つまり、話してばかりの人は、周囲の人の話を聞いて理解する機会が少なくなるため、いざ話を聞こうとしても話についていけないということが起こり得ます。また、聞いてばかりの人は、自分の考えや気持ちを整理して表現する機会が少なくなるため、いざ話そうとしても言葉が見つからないということが起こり得ます。
「共想法」の活用法
上記の問題を解決するのに、「共想法」を活用してみてはいかがでしょうか。共想法は、話すことと聞くことの両方をバランスよく行う会話法として、自分のコミュニケーションの傾向や偏りを知り、課題を解決するのに役立ちます。
まず、気がつくと長く話し続けてしまう人の場合、共想法では、あらかじめ一人当たりの持ち時間が決まっているため、自分で時間を意識することができ、スムーズに次の人にバトンタッチすることができます。もしも本人が気付かずに話し続けている場合でも、周りの人が時計を指差すなど、さりげなく時間の超過を伝えることができます。また、自分から話すことが苦手な人や話に割って入るのが苦手な人の場合、共想法では、話す場面と聞く場面、質問する場面が明確に分かれており、話す順番も明らかなため、話に割って入る必要がないうえに、あらかじめ心の準備ができます。テーマも決まっており、自分で準備した素材(写真)もあるので、より話しやすくなります。さらに、「質問の時間」があるため、必然的にきちんと話を聞くことになります。
このように「共想法」では、(1)持ち時間と順序を決める、(2)話題提供と質疑応答の時間を分ける、(3)事前にテーマに沿った素材を準備し、話題を考えておく、等により、参加者全員が会話にバランスよく参加することができるようになります。
「共想法」を用いて、実際に好きなものごとなどの日常的なテーマで会話をしてみると、慣れないうちは多少、ぎこちない感じになりますが、慣れてくると自然に皆が参加でき、全員が聞くことと話すことのバランスがとれるようになります。皆さんも写真を持ち寄って、試してみてはいかがでしょうか。
次回(最終回)は、「面白い話を見つける方法」について、認知症予防への効果を含めてご紹介したいと思います。
まず、気がつくと長く話し続けてしまう人の場合、共想法では、あらかじめ一人当たりの持ち時間が決まっているため、自分で時間を意識することができ、スムーズに次の人にバトンタッチすることができます。もしも本人が気付かずに話し続けている場合でも、周りの人が時計を指差すなど、さりげなく時間の超過を伝えることができます。また、自分から話すことが苦手な人や話に割って入るのが苦手な人の場合、共想法では、話す場面と聞く場面、質問する場面が明確に分かれており、話す順番も明らかなため、話に割って入る必要がないうえに、あらかじめ心の準備ができます。テーマも決まっており、自分で準備した素材(写真)もあるので、より話しやすくなります。さらに、「質問の時間」があるため、必然的にきちんと話を聞くことになります。
このように「共想法」では、(1)持ち時間と順序を決める、(2)話題提供と質疑応答の時間を分ける、(3)事前にテーマに沿った素材を準備し、話題を考えておく、等により、参加者全員が会話にバランスよく参加することができるようになります。
「共想法」を用いて、実際に好きなものごとなどの日常的なテーマで会話をしてみると、慣れないうちは多少、ぎこちない感じになりますが、慣れてくると自然に皆が参加でき、全員が聞くことと話すことのバランスがとれるようになります。皆さんも写真を持ち寄って、試してみてはいかがでしょうか。
次回(最終回)は、「面白い話を見つける方法」について、認知症予防への効果を含めてご紹介したいと思います。
ご協力いただいた方
■大武美保子先生
東京大学人工物工学研究センター准教授。認知症をもつ祖母との会話をヒントに、写真を見てほのぼの会話をする「共想法」を考案。2007年に研究拠点「ほのぼの研究所」を設立し、翌年NPO法人化、代表理事を務める。共想法を日常生活の中で実践し、高齢者が本来持っている力を引き出し、認知症予防や介護、脳のリハビリテーションに役立てるサービスを、平均年齢73歳、最高87歳の市民研究員、福祉、介護、医療関係者と共に開発中。
現在、介護専門職の総合情報誌「おはよう21」(中央法規)にて、好評連載中。