これでばっちり! 熱中症と脱水症対策
第2回 脱水症のメカニズム
今回のけあサポ‘sEYEでは、介護専門職の総合情報誌『おはよう21』の8月号特集「知っておきたい脱水症の予防と対策」をもとに、熱中症と脱水症対策についてお伝えしています。
第2回目は、脱水症についてです。
第2回目は、脱水症についてです。
脱水症とは
脱水症を簡単にいうと、「身体の水分(体液)が異常に減少した状態」のことです。
成人における1日の水分のバランスは、以下の通りです。
成人における1日の水分のバランスは、以下の通りです。
1日あたりの水分 摂取量と体内での 水分産生量 | 飲料水:500〜1000ml | 1500〜 2500ml |
食物に含まれる水分:700〜1200ml | ||
代謝水:300ml | ||
1日あたりの水分 排泄量 | 皮膚と呼吸で失う水分:900ml | 1500〜 2600ml |
便:100〜200ml | ||
尿:500〜1500ml |
このように、健康的な状態であれば、1日あたりの水分の収支バランスはとれているのですが、何らかの理由で、水分の摂取量の減少、水分の排泄量の増加、あるいはその両方が起こると、脱水症となる訳です。
脱水症は電解質も失われている
脱水症になると、水分だけではなく、電解質(ナトリウムやカリウム)も失われてしまいます。身体の水分が不足すると、脳にある口渇中枢神経が刺激され、のどの渇きを感じます。そのような時に、ナトリウムがほとんど入っていないような飲料(水、お茶、ソフトドリンク)やナトリウム濃度の低いスポーツドリンクなどで水分補給を行うと、血液をはじめとする体液のナトリウム濃度が薄くなってしまい、状態を悪化させてしまいます。
脱水症の予防や治療としての水分補給には、「経口補水液」と呼ばれるナトリウム濃度が高く、糖分が低めの飲料を飲む必要があります。
脱水症の予防や治療としての水分補給には、「経口補水液」と呼ばれるナトリウム濃度が高く、糖分が低めの飲料を飲む必要があります。
高齢者と脱水症
特に高齢者は、成人に比べて脱水症が起こりやすいことが知られています。その理由として、
(1)加齢に伴う体液量の減少
(2)代謝水の産生低下
(3)水分摂取量の減少
(4)加齢に伴う腎臓の働きの低下
(5)水分喪失過多
(6)薬剤による水分摂取意欲の減退
などが、挙げられます。
また、食塩欠乏性(低張性)脱水症の場合は、のどの渇きや口の中の乾燥がないため、本人も気がつかずに脱水症が進行しまっていることもあります。
以下に、高齢者の脱水症のチェック項目を挙げます。チェックがたくさんついた場合には、早目の対応が必要です。
(1)加齢に伴う体液量の減少
(2)代謝水の産生低下
(3)水分摂取量の減少
(4)加齢に伴う腎臓の働きの低下
(5)水分喪失過多
(6)薬剤による水分摂取意欲の減退
などが、挙げられます。
また、食塩欠乏性(低張性)脱水症の場合は、のどの渇きや口の中の乾燥がないため、本人も気がつかずに脱水症が進行しまっていることもあります。
以下に、高齢者の脱水症のチェック項目を挙げます。チェックがたくさんついた場合には、早目の対応が必要です。
Check! | |
○なんとなく元気がない | □ |
○言葉数が少ない | □ |
○落ち着きがない | □ |
○食欲がなく、食事の量が減っている | □ |
○眠りがち | □ |
○暑い場所に長時間いた | □ |
○舌の赤み表面に亀裂があったり、白くおおわれている | □ |
○皮膚に張りがない | □ |
○手足が冷たい | □ |
○脇の下が乾いている | □ |
○爪を押したとき、色が白からピンクに戻るのに2秒以上かかる | □ |
○おしっこの回数や量が少ない、色が濃い | □ |
○便秘気味、あるいは便がかたい | □ |
○下痢や嘔吐がみられる | □ |
○微熱(37℃程度)が続いている | □ |
○体重が減っている | □ |
○血圧が低くなっている | □ |
○脈拍が早くなっている | □ |
次回は、脱水症の予防法についてお伝えします。