もっと知りたい!訪問看護のこと
第2回 上手に訪問看護を利用しよう
医療ニーズの高い方が自宅で安心して暮らしていくためのサービスである訪問看護。すでに利用している方も多いと思いますが、今回の特集では、改めて訪問看護サービスの魅力に迫ります。第2回目の今回は、Q&A方式で上手な使いかたをご紹介します。なお、回答は、大島訪問看護ステーション所長の玉田典子さんにお話しいただきました。
【Q】夜中に急に調子が悪くなったら来てくれるの?
【A】はい。訪問看護は24時間365日、いつでも、何回でも提供されます。
訪問看護サービスの提供は、基本的にはケアプランに従って計画的に提供されますが、急変等、緊急時に対応するサービスとして、「緊急時訪問看護」があります。これは、訪問看護ステーションの場合、1カ月につき540単位で契約でき、いつでも訪問看護師に電話をして、指示を仰いだり、緊急に訪問してもらうことができるサービスです。夜間を含めていつでも看護師と連絡がとれ、場合によっては訪問してもらえるということは、利用者の大きな安心感になっています。
【A】はい。訪問看護は24時間365日、いつでも、何回でも提供されます。
訪問看護サービスの提供は、基本的にはケアプランに従って計画的に提供されますが、急変等、緊急時に対応するサービスとして、「緊急時訪問看護」があります。これは、訪問看護ステーションの場合、1カ月につき540単位で契約でき、いつでも訪問看護師に電話をして、指示を仰いだり、緊急に訪問してもらうことができるサービスです。夜間を含めていつでも看護師と連絡がとれ、場合によっては訪問してもらえるということは、利用者の大きな安心感になっています。
【Q】買い物や食事作りはしてくれるの?
【A】いいえ。基本的に買い物などは訪問看護では行いません。
しかし、たとえば水分を摂らなければ脱水症になってしまう可能性のある利用者が、「サイダーなら飲むんだけど…」と言った場合、それを準備したり、ごはんが食べやすいようにおにぎりにしたり、環境を整えることもあるます。これは、訪問看護の特徴の1つである「予防的な関わり」にあたります。より自立した健康的な生活を送るために必要と思われる支援を訪問看護では提供します。
【A】いいえ。基本的に買い物などは訪問看護では行いません。
しかし、たとえば水分を摂らなければ脱水症になってしまう可能性のある利用者が、「サイダーなら飲むんだけど…」と言った場合、それを準備したり、ごはんが食べやすいようにおにぎりにしたり、環境を整えることもあるます。これは、訪問看護の特徴の1つである「予防的な関わり」にあたります。より自立した健康的な生活を送るために必要と思われる支援を訪問看護では提供します。
【Q】同居する家族の体調も管理してくれるの?
【A】はい。介護を担う家族を支援することも訪問看護の特徴の1つです。
老々介護(高齢者が高齢者を介護する)世帯が増えている昨今では、介護する家族の健康を確認することも訪問看護の重要な役割になってきました。看護師が家族の病気を見つけて医師につなげる例もあります。
【A】はい。介護を担う家族を支援することも訪問看護の特徴の1つです。
老々介護(高齢者が高齢者を介護する)世帯が増えている昨今では、介護する家族の健康を確認することも訪問看護の重要な役割になってきました。看護師が家族の病気を見つけて医師につなげる例もあります。
【Q】サービス内容は自分で決められるの?
【A】はい。訪問看護は本人と家族の自己決定が基本です。
訪問看護は、サービスを提供する前に「訪問看護計画」を立てて、その看護計画に則ってサービスを提供します。この計画は、ケアプランとともに、本人と家族の意向を中心にすえて立案しますので、サービス内容に希望を反映することは可能です。「こんなこと、お願いできるかしら…」と思うことでも、まずは相談してみましょう。
【A】はい。訪問看護は本人と家族の自己決定が基本です。
訪問看護は、サービスを提供する前に「訪問看護計画」を立てて、その看護計画に則ってサービスを提供します。この計画は、ケアプランとともに、本人と家族の意向を中心にすえて立案しますので、サービス内容に希望を反映することは可能です。「こんなこと、お願いできるかしら…」と思うことでも、まずは相談してみましょう。
【Q】最期まで看てくれるの?(看取りについて)
【A】はい。看取りのケアは訪問看護の必須のサービスです。
ここ数年、病院ではなく自分の家で死を望む人が増えてきました。そのような時代背景もあり、がんの患者さんなどでは、疼痛(痛み)コントロールを中心に訪問看護サービスを頻回に利用して、在宅で最期を迎える人が増えてきています。
【A】はい。看取りのケアは訪問看護の必須のサービスです。
ここ数年、病院ではなく自分の家で死を望む人が増えてきました。そのような時代背景もあり、がんの患者さんなどでは、疼痛(痛み)コントロールを中心に訪問看護サービスを頻回に利用して、在宅で最期を迎える人が増えてきています。
事例:末期がんの方の看取り
大島訪問看護ステーションでは、「末期がんの患者を支える」ことを目標にしており、多くの方の死に立ち会ってきました。ある末期がんの利用者(Aさん)とのかかわりを紹介します。
Aさんは末期の胃がんと診断されたため、これ以上入院して治療できなくなったので、自宅で療養することになりました。退院と同時に、訪問看護サービスを毎日、1時間の利用することになりました。サービス内容は、体を看る、清潔の保持、陰部洗浄、着替え、おむつ交換、体位変換、マッサージ、口腔ケア、痛みのコントロール、家族の相談等、多岐にわたりました。
がんの進行とともに、マット等福祉用具の見直しを行い、家族に進行に伴う症状の変化について説明も行いました。
死の数日前には、不安を訴える家族から、何度も電話がありましたが、その都度、症状を説明し、安心してもらうように関わりました。死の直前には、訪問回数が1日に2、3回と増えて行きました。
Aさんが天寿を全うしたときには、看護師が死化粧をほどこし、整髪も行いました。最期の着替えに選んだ洋服は、建築業という仕事に誇りをもっていたAさんらしく、作業するときの服を着せてあげたそうです。ただ悲しいだけはなく、家族の笑顔に囲まれた旅立ちになったそうです。
このように、利用者と深くかかわることは看護師にとっても精神的な負担が大きいことですが、「その人が残してくれたものをきちんと受け止めて、次の人に向き合う」力になると玉田さんはいいます。
訪問看護の魅力を玉田さんに伺うと、「病院では、退院した後のことはわかりづらいけれど、在宅では本当のその人の姿、生き方に触れ、最期までかかわらせていただける。その人の生き方に触れるチャンスをいただき、死の考え方やとらえ方を教えていただけることは、人として、自分自身が育てられることです」と語る。最期まで、住み慣れた我が家でともに歩んでくれる医療従事者がいることは、利用者にとっても安心感や心強さを感じることでしょう。
さて、次回は、そんな訪問看護師さんの1日をレポートします。
大島訪問看護ステーションでは、「末期がんの患者を支える」ことを目標にしており、多くの方の死に立ち会ってきました。ある末期がんの利用者(Aさん)とのかかわりを紹介します。
Aさんは末期の胃がんと診断されたため、これ以上入院して治療できなくなったので、自宅で療養することになりました。退院と同時に、訪問看護サービスを毎日、1時間の利用することになりました。サービス内容は、体を看る、清潔の保持、陰部洗浄、着替え、おむつ交換、体位変換、マッサージ、口腔ケア、痛みのコントロール、家族の相談等、多岐にわたりました。
がんの進行とともに、マット等福祉用具の見直しを行い、家族に進行に伴う症状の変化について説明も行いました。
死の数日前には、不安を訴える家族から、何度も電話がありましたが、その都度、症状を説明し、安心してもらうように関わりました。死の直前には、訪問回数が1日に2、3回と増えて行きました。
Aさんが天寿を全うしたときには、看護師が死化粧をほどこし、整髪も行いました。最期の着替えに選んだ洋服は、建築業という仕事に誇りをもっていたAさんらしく、作業するときの服を着せてあげたそうです。ただ悲しいだけはなく、家族の笑顔に囲まれた旅立ちになったそうです。
このように、利用者と深くかかわることは看護師にとっても精神的な負担が大きいことですが、「その人が残してくれたものをきちんと受け止めて、次の人に向き合う」力になると玉田さんはいいます。
訪問看護の魅力を玉田さんに伺うと、「病院では、退院した後のことはわかりづらいけれど、在宅では本当のその人の姿、生き方に触れ、最期までかかわらせていただける。その人の生き方に触れるチャンスをいただき、死の考え方やとらえ方を教えていただけることは、人として、自分自身が育てられることです」と語る。最期まで、住み慣れた我が家でともに歩んでくれる医療従事者がいることは、利用者にとっても安心感や心強さを感じることでしょう。
さて、次回は、そんな訪問看護師さんの1日をレポートします。
お話を聞いた方
玉田典子さん
(大島訪問看護ステーション所長)