医療と介護をあわせたデイサービス「療養通所介護」
第3回 療養通所介護ってこんなところ 1
〜療養通所介護事業所 鳩ヶ谷
胃瘻や気管切開をしている方は、状態が安定していても、通所介護(デイサービス)の利用を断られることがあります。一方家族も、普段の本人の状態を知らない人がケアをするデイサービスには抵抗があります。
このような事情が重なり、本人も家族も外出できずひきこもりがちになったり、介護を抱え込んで体を壊してしまうということが実際に起きています。
こうした問題を解決する介護保険サービスが療養通所介護です。普段、訪問看護で関わっている看護師が行うデイサービスならば、本人も家族も、そして看護・介護する専門職も、みんなが安心して過ごせます。
さて、第3、4回目では、療養通所介護の1日をレポートします。
今回おじゃましたのは、埼玉県鳩ヶ谷市にある療養通所介護事業所・鳩ヶ谷さんです。鳩ヶ谷さんは、訪問看護事業、居宅介護支援事業も行っています。療養通所介護事業は、2008年4月から、毎週火・木曜日の週2回行っています。
このような事情が重なり、本人も家族も外出できずひきこもりがちになったり、介護を抱え込んで体を壊してしまうということが実際に起きています。
こうした問題を解決する介護保険サービスが療養通所介護です。普段、訪問看護で関わっている看護師が行うデイサービスならば、本人も家族も、そして看護・介護する専門職も、みんなが安心して過ごせます。
さて、第3、4回目では、療養通所介護の1日をレポートします。
今回おじゃましたのは、埼玉県鳩ヶ谷市にある療養通所介護事業所・鳩ヶ谷さんです。鳩ヶ谷さんは、訪問看護事業、居宅介護支援事業も行っています。療養通所介護事業は、2008年4月から、毎週火・木曜日の週2回行っています。
朝の送迎
3月にしては肌寒いこの日、療養通所介護事業所・鳩ヶ谷では、朝8時から3人の職員(看護師、介護福祉士、ホームヘルパー)がてきぱきと準備をしていました。室内はピンクのカーテンや猫のぬいぐるみのクリップ、季節の花が飾られた室内は、暖かみを感じさせます。
今日の利用者は4人です。年齢は63歳から86歳と幅広く、状態は様々ですが、医療ニーズが高い方ばかりで、全員が要介護5です。
今日の利用者は4人です。年齢は63歳から86歳と幅広く、状態は様々ですが、医療ニーズが高い方ばかりで、全員が要介護5です。
朝8時45分、送迎の出発です。運転席にはホームヘルパーの田口順子さん、助手席には看護師の高橋保子さんが乗り込みました。普段、高橋さんは、訪問看護師として利用者さんの家を訪問しています。
肌で感じる外出の喜び
9時30分、3人目の方の送迎が終わり事業所に戻ると、旦那様の車で通うIさんが、すでにベッドの上で休まれていました。Iさんは寝たきりで、気管切開をしているため、デイサービスやショートステイは断られてしまうそうです。
旦那様に話を伺うと、「看護師さんが長時間訪問してくれるサービスはないから、私も妻も外出できるのは療養通所介護だけ。このサービスができるまでは、24時間ずっと付き添っていました。ここの訪問看護とは14年のお付き合いだから、安心して妻を預けられます。今は週に1回、5時間くらいだけど、映画を観たり、美術館に行ったり、心置きなく息抜きができるようになりました。療養通所介護は本人のためにもなるけど、家族が助かるんじゃないかな。もっとサービスが広がればいいと思う。宝くじが当たったら、家の近くに支店を作ってもらうよ!」と、サービスの拡充を切に願っていました。
Iさんは事業所でも1日をベッドの上で過ごします。しかし、外出していることを肌で感じているようで、療養通所介護でよい緊張感を得るため、その日の夜はぐっすり寝てくれるそうです。自宅から事業所へ。このちょっとした外出が、生活にリズムとハリを与えてくれるとともに、旦那様の大切なレスパイトになっています。
旦那様に話を伺うと、「看護師さんが長時間訪問してくれるサービスはないから、私も妻も外出できるのは療養通所介護だけ。このサービスができるまでは、24時間ずっと付き添っていました。ここの訪問看護とは14年のお付き合いだから、安心して妻を預けられます。今は週に1回、5時間くらいだけど、映画を観たり、美術館に行ったり、心置きなく息抜きができるようになりました。療養通所介護は本人のためにもなるけど、家族が助かるんじゃないかな。もっとサービスが広がればいいと思う。宝くじが当たったら、家の近くに支店を作ってもらうよ!」と、サービスの拡充を切に願っていました。
Iさんは事業所でも1日をベッドの上で過ごします。しかし、外出していることを肌で感じているようで、療養通所介護でよい緊張感を得るため、その日の夜はぐっすり寝てくれるそうです。自宅から事業所へ。このちょっとした外出が、生活にリズムとハリを与えてくれるとともに、旦那様の大切なレスパイトになっています。
各自の過ごし方で
童謡が好きなOさんは、自分の歌を吹き込んだテープを持参し、それに合わせて一緒に歌っています。Sさんもテレビを見たり、入浴したりとそれぞれの時間を過ごしました。
もちろんこの間にも、排泄介助や摘便、たんの吸引など、細やかに関わっています。穏やかな時間ながらも、目と心を配ることは忘れません。Iさんが、ほんの小さく「こほっ」と言ったのを聞き逃さず、高橋さんが痰の吸引に向かいました。このように、療養通所介護では集団で行動することはありませんが、一人ひとりが安心して自分のペースで過ごせるように、看護師や介護職が支援してくれます。
さて、お昼になりました。その模様は次回紹介します。
取材先
[住所]
埼玉県鳩ヶ谷市坂下町1−8−16
[電話]
048−281−7102
[ホームページ]
http://www.nurse-saitama.jp/26page_3.html