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もっと知りたい!訪問診療のこと
第3回 訪問診療の現場をレポート(1)
今月のけあサポ’sEYEは、患者さんの家にお医者さんが定期的に診療に来てくれる訪問診療を取り上げています。
第3・4回目は、たかせクリニックの院長、高瀬義昌先生の楽しい訪問診療の様子をレポートします。
第3・4回目は、たかせクリニックの院長、高瀬義昌先生の楽しい訪問診療の様子をレポートします。
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たかせクリニックの様子
訪問診療の現場をお伝えする前に、たかせクリニックの様子を紹介します。
東京都大田区、民家がひしめく町の一角にたかせクリニックはありました。その入口は、一見しただけではクリニックだとは思えない、簡素なものです。なかに入ってみれば、そこに広がる光景はまさに事務所。たかせクリニックは訪問診療を専門としているため、診察用のベッドやレントゲンなどの診療設備はありません。この事務所(クリニック)で、患者さんを診察することはないのです。
東京都大田区、民家がひしめく町の一角にたかせクリニックはありました。その入口は、一見しただけではクリニックだとは思えない、簡素なものです。なかに入ってみれば、そこに広がる光景はまさに事務所。たかせクリニックは訪問診療を専門としているため、診察用のベッドやレントゲンなどの診療設備はありません。この事務所(クリニック)で、患者さんを診察することはないのです。
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3人1組で出発
基本的にたかせクリニックの訪問診療は、お医者さん、看護師さん、ドライバーの3人が1組になって訪問診療に伺います。今回の取材に協力いただいたのは、高瀬先生、看護師の石橋さん、ドライバーの坂井さんの3人です。愛車に乗り込み、さあ出発です。。
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家族への接し方
1軒目の患者さんは、脊髄小脳変性症(小脳や脊髄性の運動失調を主症状とする神経変性疾患)の旦那さんです。旦那さんの疾患のせいか、当初、ここの奥さんはうつ状態でした。そこで、訪問診療で旦那さんの診療をしながら奥さんの話に耳を傾け、奥さんの心身の健康も気遣うことで、改善されました。
訪問診療は、対象となる患者さんだけを診るのではなく、その人をとりまく環境や家族についても、総合的に目を配る必要があります。
奥さんが出してくれた水出しのお茶を、何度も「美味しい!」と言いながら飲み、奥さんとの会話を楽しんでいる高瀬先生を見ていると、奥さんの状態が良くなったことも合点がいきました。
訪問診療は、対象となる患者さんだけを診るのではなく、その人をとりまく環境や家族についても、総合的に目を配る必要があります。
奥さんが出してくれた水出しのお茶を、何度も「美味しい!」と言いながら飲み、奥さんとの会話を楽しんでいる高瀬先生を見ていると、奥さんの状態が良くなったことも合点がいきました。
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ヘルパーへの気遣い
2軒目の患者さんは、アーノルドキアリ症候群(小脳、橋、延髄が脊柱管内に落ち込んでいる奇形)のお子さんです。 訪問診療の対象は高齢者だけでなく、このようなお子さんも含まれます。高瀬先生は以前小児科で診療していた経験があり、子どもの診療はお手のものです。
ここのお宅に伺った時には、高瀬先生がよく知っているヘルパーさんがちょうど訪問でいらしていました。ヘルパーさんとの会話のなかから他職種との連携がうまくいっている様子がうかがえました。
訪問診療と同時に高瀬先生が積極的に行っているのが、夏場の脱水・熱中症対策です。高齢者のみならず、ヘルパーや訪問看護師の脱水症が顕著なこの季節。高瀬先生は自身で作成したパンフレットを活用して、患者さんやご家族、訪問中のヘルパーや看護師にも脱水症に関する注意をうながします。
ここのお宅に伺った時には、高瀬先生がよく知っているヘルパーさんがちょうど訪問でいらしていました。ヘルパーさんとの会話のなかから他職種との連携がうまくいっている様子がうかがえました。
訪問診療と同時に高瀬先生が積極的に行っているのが、夏場の脱水・熱中症対策です。高齢者のみならず、ヘルパーや訪問看護師の脱水症が顕著なこの季節。高瀬先生は自身で作成したパンフレットを活用して、患者さんやご家族、訪問中のヘルパーや看護師にも脱水症に関する注意をうながします。
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高瀬先生監修のパンフレット
このあとも、3軒目、4軒目…と高瀬先生の訪問診療は続きます。より一層訪問診療の魅力を感じることができるこの続きは、第4回でレポートします。
ご協力いただいた方
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高瀬義昌先生
(たかせクリニック院長)