もっと知りたい!訪問診療のこと
第4回 訪問診療の現場をレポート(2)
今月のけあサポ’sEYEは、患者さんの家にお医者さんが定期的に診療に来てくれる訪問診療を取り上げています。
第4回目は、前回に引き続きたかせクリニックの院長、高瀬義昌先生の楽しい訪問診療の様子をレポートします。
第4回目は、前回に引き続きたかせクリニックの院長、高瀬義昌先生の楽しい訪問診療の様子をレポートします。
急な要請にも対応
3軒目の患者さんは、寝たきりで軽い認知症のお母さんです。発熱という連絡を受けて、急きょ訪問することになりました。このお宅では、娘さんがお母さんの介護をしています。
訪問した時には、他事業所のベテラン訪問看護師さんがちょうどいらしていました。高瀬先生、看護師の石橋さん、訪問看護師の吉井さんという最強タッグで、お母さんの診療を行います。訪問診療は、ヘルパーや訪問看護師、ケアマネジャーといった、他職種との連携が欠かせません。
訪問した時には、他事業所のベテラン訪問看護師さんがちょうどいらしていました。高瀬先生、看護師の石橋さん、訪問看護師の吉井さんという最強タッグで、お母さんの診療を行います。訪問診療は、ヘルパーや訪問看護師、ケアマネジャーといった、他職種との連携が欠かせません。
家族を癒す話術
4軒目の患者さんは、骨粗しょう症で軽い認知症のお母さんです。お母さんは転倒して、今までに5回ほど骨折しました。仕事が休みの日に娘さんが面倒をみていますが、不在時にまた転倒するのではと不安になり、近所の宅老所でみてもらうことになりました。今は、在宅から宅老所に移ろうとしている移行期です。しかし、お母さんはその宅老所にいることを嫌がり、「帰りたい」とこぼすそうです。その言葉を聞くと、娘さんは胸が痛くなり、「やっぱり娘の私がみないと…」と思ってしまいます。
同じような悩みを抱えている家庭介護者は多いのではないでしょうか。しかし、高瀬先生は「今がふんばりどころ。胸が痛んでもお母さんの面倒をみるのが難しいのだから、宅老所にお願いしないと」と娘さんに言います。
こんな真面目な一面もある高瀬先生ですが、本来、診療中の会話のほとんどは笑いで溢れています。このお宅でも、先生の好きなバイクの話で大盛り上がり。お母さんも、娘さんも高瀬先生の陽気な話になんだか癒されていたようです。
同じような悩みを抱えている家庭介護者は多いのではないでしょうか。しかし、高瀬先生は「今がふんばりどころ。胸が痛んでもお母さんの面倒をみるのが難しいのだから、宅老所にお願いしないと」と娘さんに言います。
こんな真面目な一面もある高瀬先生ですが、本来、診療中の会話のほとんどは笑いで溢れています。このお宅でも、先生の好きなバイクの話で大盛り上がり。お母さんも、娘さんも高瀬先生の陽気な話になんだか癒されていたようです。
利用者さんの涙
5軒目の患者さんは、高瀬先生が初めて訪問する人でした。独居、生活保護、糖尿病、透析患者、認知症という、まさに現代を象徴しているかのような環境の男性です。訪問した時には、ちょうど担当のケアマネさんがいらしていました。
高瀬先生はこの男性に、国はどこなのか、どんな仕事をしていたのかなど親しく話かけ、さまざまな情報を引き出していました。そして現状の問題点を挙げて、ケアマネさんと看護師さんに皆の共通の課題として、問題点を認識させました。
最後にはすっかりうちとけて、「これから一緒に頑張ろう」と握手をすると、男性から涙がぽろり。高瀬先生との会話によっていろいろな感情が湧いてきたのではないでしょうか。その場にいた皆の心が温まった瞬間でした。
高瀬先生はこの男性に、国はどこなのか、どんな仕事をしていたのかなど親しく話かけ、さまざまな情報を引き出していました。そして現状の問題点を挙げて、ケアマネさんと看護師さんに皆の共通の課題として、問題点を認識させました。
最後にはすっかりうちとけて、「これから一緒に頑張ろう」と握手をすると、男性から涙がぽろり。高瀬先生との会話によっていろいろな感情が湧いてきたのではないでしょうか。その場にいた皆の心が温まった瞬間でした。
訪問診療の本当の魅力
これで今日の診療は終わりかと思いきや、3軒目の発熱したお母さんの様子が気になり、再度訪問することになりました。お母さんはすっかり元気になって、ご飯を食べているところでした。
これで、今日の診療は終了です。
高瀬先生と一緒に5軒のお宅を訪問してみて、訪問診療の魅力は、自宅に定期的にお医者さんが診療に来ることだけではないということがわかりました。訪問診療医は、何らかの理由で病院に行けない患者さんやその家族を心身ともに癒してくれるのです。訪問診療医は、従来の敷居が高いというお医者さんの概念を覆してくれる、温かいお医者さんです。
さあ、家族の介護で悩んでいる皆さん、家族のためにも自分のためにも訪問診療を利用してみてはいかがでしょうか。
これで、今日の診療は終了です。
高瀬先生と一緒に5軒のお宅を訪問してみて、訪問診療の魅力は、自宅に定期的にお医者さんが診療に来ることだけではないということがわかりました。訪問診療医は、何らかの理由で病院に行けない患者さんやその家族を心身ともに癒してくれるのです。訪問診療医は、従来の敷居が高いというお医者さんの概念を覆してくれる、温かいお医者さんです。
さあ、家族の介護で悩んでいる皆さん、家族のためにも自分のためにも訪問診療を利用してみてはいかがでしょうか。
ご協力いただいた方
高瀬義昌先生
(たかせクリニック院長)