介護保険制度の改正について-平成24年
第１回 制度改正案の概要
第５期介護保険事業計画(平成24年４月〜)へ向けた介護保険法等の改正案「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」が今国会で成立しました。
今回の制度改正の大きな方向性としては「地域包括ケアシステムの確立」が挙げられます。平成17年の介護保険法の改正では夜間対応型訪問介護や小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスが導入されましたが、今回の改正はそれよりもさらに一歩踏み込んだ改正になっています。団塊の世代が75歳以上となり、特に大都市圏での高齢化がピークを迎えるといわれる2025年問題を視野に入れ、高齢者が住みなれた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが切れ目無く提供できるように、「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」や「複合型サービス」等の創設が明記されています。
そこで５月の「けあサポ's EYE」では、この介護保険法の改正案について特集を組み、家庭で介護をされている方々に是非知っておいて頂きたい項目について詳しくお伝えをしていきます。
まず第１回目は今回の制度改正案の全体の概要をお伝えします。
今回の制度改正の大きな方向性としては「地域包括ケアシステムの確立」が挙げられます。平成17年の介護保険法の改正では夜間対応型訪問介護や小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスが導入されましたが、今回の改正はそれよりもさらに一歩踏み込んだ改正になっています。団塊の世代が75歳以上となり、特に大都市圏での高齢化がピークを迎えるといわれる2025年問題を視野に入れ、高齢者が住みなれた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが切れ目無く提供できるように、「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」や「複合型サービス」等の創設が明記されています。
そこで５月の「けあサポ's EYE」では、この介護保険法の改正案について特集を組み、家庭で介護をされている方々に是非知っておいて頂きたい項目について詳しくお伝えをしていきます。
まず第１回目は今回の制度改正案の全体の概要をお伝えします。
介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案の概要
1 医療と介護の連携の強化等
| （１） | 医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)を推進 |
| （２） | 日常生活圏域ごとに地域ニーズや課題の把握を踏まえた介護保険事業計画を策定 |
| （３） | 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスや複合型サービスを創設 |
| （４） | 保険者の判断による予防給付と生活支援サービスの総合的な実施を可能にする |
| （５） | 介護療養病床の廃止期限(平成24年3月末)を猶予 |
2 介護人材の確保とサービスの質の向上
| （１） | 介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施を可能とする |
| （２） | 介護福祉士の資格取得方法の見直し(平成24年4月実施予定)を延期 |
| （３） | 介護事業所における労働法規の遵守を徹底、事業所指定の欠格要件及び取消要件に労働基準法等違反者を追加 |
| （４） | 公表前の調査実施の義務付け廃止など介護サービス情報公表制度の見直しを実施 |
3 高齢者の住まいの整備等
| （１） | 有料老人ホーム等における前払金の返還に関する利用者保護規定を追加 |
| （２） | 社会医療法人による特別養護老人ホームの開設を可能とする ※厚生労働省と国土交通省の連携によるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進 |
4 認知症対策の推進
| （１） | 市民後見人の育成及び活用など、市町村における高齢者の権利擁護を推進 |
| （２） | 市町村の介護保健事業計画において地域の実情に応じた認知症支援策を盛り込む |
5 保険者による主体的な取組の推進
| （１） | 介護保健事業計画と医療サービス、住まいに関する計画との調和を確保 |
| （２） | 地域密着型サービスについて、公募・選考による指定を可能とする。 |
