医療と介護をあわせたデイサービス「療養通所介護」
第2回 療養通所介護を利用してみよう
医療ニーズの高い方のための通所介護(デイサービス)である「療養通所介護」。通所介護に通いたいけど、医療ニーズが高く利用をためらっている人にぜひ利用していただきたい介護保険サービスです。
第2回目の今回は、利用するにはどうしたらいいかについて、上手な使い方も含めて紹介します。
第2回目の今回は、利用するにはどうしたらいいかについて、上手な使い方も含めて紹介します。
利用するにはどうしたらいいの?
「療養通所介護」は介護保険サービスの種類でいうと、「通所介護」に含まれるサービスです。利用するには他の介護保険サービスと同様に、ケアマネジャーが作成するケアプランに組み入れ、介護保険で利用します。
利用料は要介護度に関係なく、3―6時間の利用で1回1,000単位、6−8時間の利用で1回1,500単位です。小規模型「通所介護」と比べると、要介護5では、6−8時間利用が1,320単位ですから、この利用料で、看護師がほぼマンツーマンで関わってくれるので、利用者にとっては、「お得」なサービスと言えるのではないでしょうか。
また、家族にとっては、看護師に医療の相談ができる場になります。訪問看護では1時間という短い間に必要な医療行為を行わなければならないので、ゆっくりと話をする時間がありませんが、療養通所介護ならゆったりした時間の中で相談も可能です。
このほか、退院してからの2ヶ月間だけという使い方もできます。ストーマを作ったり、留置カテーテルになって退院し、慣れない医療行為を自宅で行うのは本人も家族も不安です。療養通所介護なら、看護師と一緒に練習しながら慣れていくことも可能です。その後通常の通所介護に切り替えも可能です。
このように、個別の関わりを特徴とする療養通所介護では、その人に合わせて多様な利用方法があります。
利用料は要介護度に関係なく、3―6時間の利用で1回1,000単位、6−8時間の利用で1回1,500単位です。小規模型「通所介護」と比べると、要介護5では、6−8時間利用が1,320単位ですから、この利用料で、看護師がほぼマンツーマンで関わってくれるので、利用者にとっては、「お得」なサービスと言えるのではないでしょうか。
また、家族にとっては、看護師に医療の相談ができる場になります。訪問看護では1時間という短い間に必要な医療行為を行わなければならないので、ゆっくりと話をする時間がありませんが、療養通所介護ならゆったりした時間の中で相談も可能です。
このほか、退院してからの2ヶ月間だけという使い方もできます。ストーマを作ったり、留置カテーテルになって退院し、慣れない医療行為を自宅で行うのは本人も家族も不安です。療養通所介護なら、看護師と一緒に練習しながら慣れていくことも可能です。その後通常の通所介護に切り替えも可能です。
このように、個別の関わりを特徴とする療養通所介護では、その人に合わせて多様な利用方法があります。
ケアは誰がするの?
療養通所介護を利用する方は、医療ニーズの高い方と書きました。ですから、その方の状態をよく知っている医療従事者に関わってもらうことも、安心して利用する上では大切なことです。
療養通所介護は訪問看護ステーションと連携して行います。普段利用している顔なじみの訪問看護師が、療養通所介護にも従事していることが多いので、主治医との連携も良くとれており、利用者の経過がわかる看護師によるケアを受けることができます。
このほか、療養通所介護ならではの特徴を図にまとめました。
療養通所介護は訪問看護ステーションと連携して行います。普段利用している顔なじみの訪問看護師が、療養通所介護にも従事していることが多いので、主治医との連携も良くとれており、利用者の経過がわかる看護師によるケアを受けることができます。
このほか、療養通所介護ならではの特徴を図にまとめました。
どこでやってるの?
療養通所介護事業所で行っています。この事業所は訪問看護ステーションや老人保健施設内に併設されていることが多いのですが、療養通所介護専用の部屋で行います。
ただ、療養通所介護を行っている事業所は全国で約70か所と、その数が少ないのが課題です。これは、経営を成り立たせるにはあまりにも介護報酬が低く、サービス提供に事業所が踏みとどまっていることが大きな原因です。
とはいえ、医療ニーズの高い方、そして介護しているご家族には、とても大切なサービスです。利用するうちに、「健康状態が改善、または安定した」「家族の生活の質が向上した」という調査結果もありますし、家族が介護に疲れ果て、「もう入院(施設入所)しかない……」というケースを救ったという事例も届いています。ぜひ、利用者の皆さまから、市町村に問い合わせるなど、療養通所介護の必要性を訴えてみてはいかがでしょうか。
なお、療養通所介護は地域密着型サービスではないので、県単位で利用できます。お近くにサービスを提供している事業所があるかどうかは、ケアマネジャーに聞いてみてください。
次回は、療養通所介護の1日をレポートします。
ただ、療養通所介護を行っている事業所は全国で約70か所と、その数が少ないのが課題です。これは、経営を成り立たせるにはあまりにも介護報酬が低く、サービス提供に事業所が踏みとどまっていることが大きな原因です。
とはいえ、医療ニーズの高い方、そして介護しているご家族には、とても大切なサービスです。利用するうちに、「健康状態が改善、または安定した」「家族の生活の質が向上した」という調査結果もありますし、家族が介護に疲れ果て、「もう入院(施設入所)しかない……」というケースを救ったという事例も届いています。ぜひ、利用者の皆さまから、市町村に問い合わせるなど、療養通所介護の必要性を訴えてみてはいかがでしょうか。
なお、療養通所介護は地域密着型サービスではないので、県単位で利用できます。お近くにサービスを提供している事業所があるかどうかは、ケアマネジャーに聞いてみてください。
次回は、療養通所介護の1日をレポートします。
お話を聞いた方
佐藤美穂子
(日本訪問看護振興財団常務理事)
参考図書
『始めてみませんか 療養通所介護事業』
(財)日本訪問看護振興財団
・4ページの「場所:8m2」は「6.4m2」に変更になりました。
・4ページの「定員:1日5人以下」は「8人」に変更になりました。