認知症の人の歴史を学びませんか
第1回 認知症の人はどのような場所で生きてきたのか
かつて認知症の人は家に閉じ込められ、隠されて生活していました。「呆け老人は家の恥」とされていたからです。しかし現在では、認知症の人も自分のやりたいことをしながら生き生きと暮らしています。
今回の特集では、より認知症に関する理解を深めていただくため、これまで認知症の人がどのような所で生活し、生きてきたのかの歴史を取り上げます。
認知症の人の歴史を追究し、多くの講演をしてきた宮崎和加子さんの著書『認知症の人の歴史を学びませんか』(中央法規出版、2011年1月刊行)の内容をもとにお伝えします。
今回の特集では、より認知症に関する理解を深めていただくため、これまで認知症の人がどのような所で生活し、生きてきたのかの歴史を取り上げます。
認知症の人の歴史を追究し、多くの講演をしてきた宮崎和加子さんの著書『認知症の人の歴史を学びませんか』(中央法規出版、2011年1月刊行)の内容をもとにお伝えします。
認知症の人の人数
現在、認知症の人は日本に200万人以上いるといわれています。将来的には高齢者だけでなく、若年性認知症など年齢に関係なく認知症の状態になる人が増えるといわれています。
認知症の人が生活する場
では、認知症の人はどのような場所で生活しているのでしょうか。それは、以下のグラフの通りです。
半数以上の人が、訪問サービスや通所サービス、家族の支援などを受けて在宅で生活しています。グラフの「その他」には、精神病院や有料老人ホームなどが含まれています。
認知症の人の居場所は時代とともに変わります。1970年より以前は、在宅か精神病院しか選択肢がありませんでしたが、その後、1980年代から老人病院、1990年代から療養型医療施設・特別養護老人ホーム・老人保健施設・宅老所・小規模多機能施設など、2000年以降に認知症グループホーム・高齢者賃貸住宅・有料老人ホームなど、認知症の人が暮らす場も増えていきました。
「認知症の人の居場所が精神病院?」と疑問に思う方がいるかもしれませんが、以前は「認知症は精神病」とされていたため、認知症の人は治療の対象として、当たり前のように入院させられていたのです。
現在は、認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護などで、治療のための入院ではなく、暮らしの場として生活することができますが、今に至るまでの道のりは平たんではありませんでした。
もし自分で選択できるとすれば、あなたが認知症になった時、どこで暮らしていきたいですか。認知症の人の数が増えている現在、これは他人事ではありません。自分に置き換えて考えてみてください。
次回も認知症の人がどのような所で生活し、生きてきたのかを掘り下げていきます。
認知症の人の居場所は時代とともに変わります。1970年より以前は、在宅か精神病院しか選択肢がありませんでしたが、その後、1980年代から老人病院、1990年代から療養型医療施設・特別養護老人ホーム・老人保健施設・宅老所・小規模多機能施設など、2000年以降に認知症グループホーム・高齢者賃貸住宅・有料老人ホームなど、認知症の人が暮らす場も増えていきました。
「認知症の人の居場所が精神病院?」と疑問に思う方がいるかもしれませんが、以前は「認知症は精神病」とされていたため、認知症の人は治療の対象として、当たり前のように入院させられていたのです。
現在は、認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護などで、治療のための入院ではなく、暮らしの場として生活することができますが、今に至るまでの道のりは平たんではありませんでした。
もし自分で選択できるとすれば、あなたが認知症になった時、どこで暮らしていきたいですか。認知症の人の数が増えている現在、これは他人事ではありません。自分に置き換えて考えてみてください。
次回も認知症の人がどのような所で生活し、生きてきたのかを掘り下げていきます。