もっと知りたい通所リハビリテーションのこと
第3回 通所リハビリテーションの実際その1
今回は通所リハビリテーションの実際の様子をお伝えします。取材に伺ったのは、医療法人社団永生会が運営する「スマイル永生」という通所リハビリテーション事業所です。
4つのクラス
「スマイル永生」のプログラムには、「活動クラス」「運動クラス」「失語クラス」「介護予防クラス」の4つがあります(「介護予防クラス」は要支援1、2の人が対象)。ここでは、「活動クラス」の様子をご紹介します。
「活動クラス」は月曜日の午前・午後と木曜日の午前の週3回。各回とも、昼食と入浴のない3時間のプログラムです。多くの通所リハビリテーションが、入浴や昼食をはさんで6時間程度を過ごすのに対して、比較的短時間の活動であることが特徴です。これは、3時間程度が集中して取り組めること、医療で行われるリハビリテーションの継続性を考慮したことなどが理由です。定員は各クラスとも10人〜15人程度です。
「活動クラス」は月曜日の午前・午後と木曜日の午前の週3回。各回とも、昼食と入浴のない3時間のプログラムです。多くの通所リハビリテーションが、入浴や昼食をはさんで6時間程度を過ごすのに対して、比較的短時間の活動であることが特徴です。これは、3時間程度が集中して取り組めること、医療で行われるリハビリテーションの継続性を考慮したことなどが理由です。定員は各クラスとも10人〜15人程度です。
スマイルダンス、頭柔らか体操
午前の「活動クラス」は、9時の体調確認(体温や血圧などのチェック、その日の体調の確認など)からはじまります。その後、いすに座りながら、ボールを使った体操と「スマイルダンス」を利用者と職員とで行います。ボールを使った体操は、クッション性のあるボールを片足で踏みながら、前後左右に動かすなどします。力の入れ方などにコツがいるようで、難しそうです。
「スマイルダンス」は、いくつかの歌にあわせて4種類あります。季節ごとに種類をかえて変化をつけています。日常生活で行う動作をふまえて、職員同士で意見を出し合いながらつくり上げたそうです。
「スマイルダンス」は、いくつかの歌にあわせて4種類あります。季節ごとに種類をかえて変化をつけています。日常生活で行う動作をふまえて、職員同士で意見を出し合いながらつくり上げたそうです。
続いて、水分補給の休憩を挟んだ後、頭やわらか体操。黒板に次の漢字が書かれています。みなさんは読めますか?(すべて植物もしくは果物です)
(1) 蕨
(2) 菴羅
(3) 扁桃
(4) 慈姑
(5) 鳳梨
(6) 桜桃
(7) 莢隠元
(こたえ)
(1) わらび
(2) あんら(マンゴーのこと)
(3) へんとう(アーモンドの別称)
(4) くわい
(5) ほうり(パイナップルの漢名)
(6) おうとう(バラ科サクラ属の落葉高木。果実は「サクランボ」)
(7) さやいんげん
頭柔らか体操の後は、それぞれの好みや希望、ニーズにあわせた個別のプログラム(機械を使った機能訓練や趣味活動など)に移ります。
(1) 蕨
(2) 菴羅
(3) 扁桃
(4) 慈姑
(5) 鳳梨
(6) 桜桃
(7) 莢隠元
(こたえ)
(1) わらび
(2) あんら(マンゴーのこと)
(3) へんとう(アーモンドの別称)
(4) くわい
(5) ほうり(パイナップルの漢名)
(6) おうとう(バラ科サクラ属の落葉高木。果実は「サクランボ」)
(7) さやいんげん
頭柔らか体操の後は、それぞれの好みや希望、ニーズにあわせた個別のプログラム(機械を使った機能訓練や趣味活動など)に移ります。
通所リハビリテーションの特徴と「スマイル永生」での取り組み
通所リハビリテーションには、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーションの専門職を配置することが定められており、「スマイル永生」ではそれらの専門職が、利用者の生活上の希望などをふまえて、利用者とともにプログラムの目標や種類、内容などを決めていきます。
目標を設定する際に大切なことは、利用者の実際の生活をふまえることです。利用者の“生活”をイメージすることなく、ただ、衰えた筋力を鍛えましょう、動きにくくなった関節の動く範囲を広げましょうというのでは、リハビリテーションそのものが目的となってしまいます。通所リハビリテーションでの活動は目標達成のための手段であるべきなのでしょうし、目標設定は利用者の生活をイメージしたものであることが大切です。たとえば、トイレまで歩いていきたいといった場合、その人の身体状況ばかりでなく、自宅の状況やそれに応じた動作を把握します。こうすることで、利用者の“生活”に即した取組みができるようになり(それはまさに個別的です)、結果、利用者の意欲を引き出し、リハビリテーションの効果を高めることにもつながります。そのため、「スマイル永生」では、利用者の送迎の際に、その自宅の様子などを確認することもあるそうです。
また、リハビリテーションの専門職がいることで、活動中にもきめ細かなかかわりが可能です。たとえば、趣味活動として折り紙に取り組む場合も、紙の種類や大きさ、動作や姿勢などにも配慮することができますし、身体機能を維持するにも、適切な量と質のプログラムを確保することができます。
通所リハビリテーションには、医師の配置が義務づけられていることから、適切なリスク管理ができます。生活に不自由を抱える高齢者が体操や運動に取り組む際には、その負荷が適切かどうか、体調に変化などがないかどうか慎重な見守りが必要です。通所リハビリテーションはリスク管理の体制が整っているといえます。
次回は、「スマイル永生」でのもうひとつの特徴である「失語クラス」での活動の様子を紹介します。
目標を設定する際に大切なことは、利用者の実際の生活をふまえることです。利用者の“生活”をイメージすることなく、ただ、衰えた筋力を鍛えましょう、動きにくくなった関節の動く範囲を広げましょうというのでは、リハビリテーションそのものが目的となってしまいます。通所リハビリテーションでの活動は目標達成のための手段であるべきなのでしょうし、目標設定は利用者の生活をイメージしたものであることが大切です。たとえば、トイレまで歩いていきたいといった場合、その人の身体状況ばかりでなく、自宅の状況やそれに応じた動作を把握します。こうすることで、利用者の“生活”に即した取組みができるようになり(それはまさに個別的です)、結果、利用者の意欲を引き出し、リハビリテーションの効果を高めることにもつながります。そのため、「スマイル永生」では、利用者の送迎の際に、その自宅の様子などを確認することもあるそうです。
また、リハビリテーションの専門職がいることで、活動中にもきめ細かなかかわりが可能です。たとえば、趣味活動として折り紙に取り組む場合も、紙の種類や大きさ、動作や姿勢などにも配慮することができますし、身体機能を維持するにも、適切な量と質のプログラムを確保することができます。
通所リハビリテーションには、医師の配置が義務づけられていることから、適切なリスク管理ができます。生活に不自由を抱える高齢者が体操や運動に取り組む際には、その負荷が適切かどうか、体調に変化などがないかどうか慎重な見守りが必要です。通所リハビリテーションはリスク管理の体制が整っているといえます。
次回は、「スマイル永生」でのもうひとつの特徴である「失語クラス」での活動の様子を紹介します。
取材先
介護サービススマイル永生
〒193-0942
東京都八王子市椚田町588−17
TEL:042-661-4175
FAX:042-661-7628
ホームページ:http://www.eisei.or.jp/clinic/08/index.html
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