全国に広がる
認知症の人の見守り・SOSネットワーク
第2回 家族ができる徘徊・行方不明への対応
どうして徘徊・行方不明がおこるの?
認知症の人が徘徊して行方不明になることは、本人はもちろん、家族にとっても大きな心の傷になります。不安、焦り、罪悪感……。
徘徊はアルツハイマー病の認知症の方に多く見られる周辺症状です。これは、方向感覚をつかさどる頭頂葉が侵されやすいことが原因の一つとしてあげられています。
徘徊を未然に防ぐために、ご家族の中には認知症の人を家に閉じ込めようとする人もいるかもしれませんが、これは逆効果です。なぜなら、認知症の人には「外出する目的(理由)」があるからです。それを無理矢理止めようとすればするほど、なんとかして外出しようと思うでしょう。
詳しくは第3回で述べますが、徘徊は目的があって外出した結果、場所の見当識障害から道に迷って帰れなくなってしまったり、時間や人の見当識障害から、若い頃の現実に戻って誰かを捜したり、エピソード記憶の低下から「○○しなくてはいけない」といった用件を思いつく、といったことから起こります。
徘徊はアルツハイマー病の認知症の方に多く見られる周辺症状です。これは、方向感覚をつかさどる頭頂葉が侵されやすいことが原因の一つとしてあげられています。
徘徊を未然に防ぐために、ご家族の中には認知症の人を家に閉じ込めようとする人もいるかもしれませんが、これは逆効果です。なぜなら、認知症の人には「外出する目的(理由)」があるからです。それを無理矢理止めようとすればするほど、なんとかして外出しようと思うでしょう。
詳しくは第3回で述べますが、徘徊は目的があって外出した結果、場所の見当識障害から道に迷って帰れなくなってしまったり、時間や人の見当識障害から、若い頃の現実に戻って誰かを捜したり、エピソード記憶の低下から「○○しなくてはいけない」といった用件を思いつく、といったことから起こります。
家族はどう対応したらいいの?
認知症の人が外出しようとするときは、まずはその理由を聞き、思いにそって、できるだけ一緒に歩くことが一般的によい対応と言われています。
家にいるのに「家に帰る」と言って外出しようとする人は、ここが自宅だという認識がありません。無理に止めようとせず、少し外出してもらい、家族はその後をこっそり追って、頃合いをみて「お疲れでしょうから、今日はわが家に泊まってください」などと声をかけるとよいと言われています。
定年退職している人が「会社に行く」などと言って外出する場合も、上記と同じように可能であれば少し歩いてもらって気分転換したり、外出が難しい場合は「今日は休日で会社はお休みですよ」といった声かけがよいと言われています。
いずれにしても、認知症の人にとっては本人の思いが現実の世界ですから、「何言ってるの! ここが家ですよ!」とか「あなたは退職したでしょう!」などと、事実を突き付けても混乱してしまうだけです。上記の対応は一例ですが、いったん認知症の人の思いを受け取って、本人が納得できる対応や声かけを心がけることが大切です。
家にいるのに「家に帰る」と言って外出しようとする人は、ここが自宅だという認識がありません。無理に止めようとせず、少し外出してもらい、家族はその後をこっそり追って、頃合いをみて「お疲れでしょうから、今日はわが家に泊まってください」などと声をかけるとよいと言われています。
定年退職している人が「会社に行く」などと言って外出する場合も、上記と同じように可能であれば少し歩いてもらって気分転換したり、外出が難しい場合は「今日は休日で会社はお休みですよ」といった声かけがよいと言われています。
いずれにしても、認知症の人にとっては本人の思いが現実の世界ですから、「何言ってるの! ここが家ですよ!」とか「あなたは退職したでしょう!」などと、事実を突き付けても混乱してしまうだけです。上記の対応は一例ですが、いったん認知症の人の思いを受け取って、本人が納得できる対応や声かけを心がけることが大切です。
一人で抱え込まない
認知症の人が外出してしまうことを家族だけで抱え込まないということも大切です。いくら家族と言えども、24時間365日、認知症の人と行動を共にすることはできません。もしも行方不明になっても、事故につながる前に本人を見つけてもらえるような地域の力や道具、制度を活用することも大切です。
地域の力を活用
ご近所さんに事情を話して「もしも、うちの人が一人で歩いていたら、連絡をください」とあらかじめお願いしておきましょう。ご近所さんはきっとあなたの力になってくれるはずです。また、本人がよく立ち寄りそうなところ(お店)や警察署などにも話しておくとよいと思います。認知症は誰もがなる可能性のある病気ですが、ご近所さんの温かい心や目があれば、ずっと住み慣れた地域で暮らし続けられます。隠すのではなく、みんなに協力してもらうよう働きかけましょう。
道具を活用
行方不明になっても連絡先がわかるように衣服に連絡先(ネームプレート)を縫い付けたり、ポケットに連絡先を書いた紙を入れておくといったことがなされています。ただ、衣服のネームプレートは本人の自尊心に配慮した付け方をする必要があります。
GPSなどを使って本人の位置がわかるサービスがあります。携帯電話やココセコムといった有料サービスを活用することも一つの手です。ただ、これらの物は身につけていないと役に立ちませんので、外出するときに持って出てもらうように工夫する必要がります。
また、本人の写真や特徴をまとめた用紙を作っておくことも、いざというときの対策としては重要です。
GPSなどを使って本人の位置がわかるサービスがあります。携帯電話やココセコムといった有料サービスを活用することも一つの手です。ただ、これらの物は身につけていないと役に立ちませんので、外出するときに持って出てもらうように工夫する必要がります。
また、本人の写真や特徴をまとめた用紙を作っておくことも、いざというときの対策としては重要です。
制度を活用
いくつかの市町村では「認知症の人の見守り・SOSネットワーク」を構築しています。このネットワークは認知症の人などが行方不明になったときに素早く捜し始められるよう、行政・警察署・市民などが連携してつくった連絡網・捜索体制です。ネットワークは、各地域の事情に合わせた独自のものになりますが、事前登録制度など、あらかじめ登録や準備が必要なネットワークもありますので、詳しくはお住まいの行政や地域包括支援センターの窓口にお問い合わせください。
さて、今回は「自分の家族」への対応についてまとめましたが、次回は、まちで「あれ? あの人、ひょっとして道に迷っているのかな?」と思われる方にどのように接したらよいかを紹介します。
さて、今回は「自分の家族」への対応についてまとめましたが、次回は、まちで「あれ? あの人、ひょっとして道に迷っているのかな?」と思われる方にどのように接したらよいかを紹介します。