今月の特集 介護環境に色彩を活用しよう
第2回 居住空間を彩るヒントとポイント
前回は、色彩が心身にもたらす影響・効果、高齢者が見やすい配色のパターンなどをご紹介しました。
今回は、普段生活している居住空間にどのような彩りをもたせれば快適に過ごせるか。そのヒントとポイントを考えます。
今回は、普段生活している居住空間にどのような彩りをもたせれば快適に過ごせるか。そのヒントとポイントを考えます。
生活の場としての色
毎日の生活の快適性は、日常生活を営む場所がどのような環境であるかによって大きく変わります。美しく調和のとれた空間にいれば心は安らぎ、気分よく過ごせるのに対して、雑然とした環境では気持ちも落ち着かず、イライラしやすくなります。お茶やコーヒーの味も、飲む環境によって、おいしくもまずくも感じられるのではないでしょうか。
「快適で安らぎのある生活環境」をつくるためには、部屋の間取り、形状、家具の配置に加えて、色彩にも十分な配慮が必要になります。どんなによい形であっても、色合いが悪ければ、その価値は半減してしまいます。
色は心を癒し、豊かにするだけでなく、高齢者の感情や行動にも少なからず影響を与えます。自立の補助手段、残存能力の維持という観点からも、軽視することはできないのです。
「快適で安らぎのある生活環境」をつくるためには、部屋の間取り、形状、家具の配置に加えて、色彩にも十分な配慮が必要になります。どんなによい形であっても、色合いが悪ければ、その価値は半減してしまいます。
色は心を癒し、豊かにするだけでなく、高齢者の感情や行動にも少なからず影響を与えます。自立の補助手段、残存能力の維持という観点からも、軽視することはできないのです。
居住空間にアクセントをつける
部屋全体をカラーコーディネートするとなると大変ですので、まずは身近にできることから始めてみましょう。
部屋の中を彩る場合、空間にアクセントをつけるだけでも雰囲気が大きく変わります。クッションや絵画、ランプシェード、その他小物などに彩りをもたせるのです。これらは部屋にほど良い活気を与えてくれますので、鮮やかな色や個性的な柄を選んでください。
部屋の中を彩る場合、空間にアクセントをつけるだけでも雰囲気が大きく変わります。クッションや絵画、ランプシェード、その他小物などに彩りをもたせるのです。これらは部屋にほど良い活気を与えてくれますので、鮮やかな色や個性的な柄を選んでください。
◆配色のポイント◆
彩度の強い色は、小さい面積で使います。黒に近い暗い色に赤や黄色、オレンジ色を多く使うと、コントラストが強すぎて、必要以上の緊張や疲労感を促してしまいます。認知症の方の場合には興奮感を招き、不穏を引き起こす恐れがあり、そうでない方にとっても精神上くつろぐことができません。暗すぎない落ち着いた茶色〜明るい茶色、ベージュが部屋の60〜80%を構成するくらいが最も落ち着きます。
彩度の強い色は、小さい面積で使います。黒に近い暗い色に赤や黄色、オレンジ色を多く使うと、コントラストが強すぎて、必要以上の緊張や疲労感を促してしまいます。認知症の方の場合には興奮感を招き、不穏を引き起こす恐れがあり、そうでない方にとっても精神上くつろぐことができません。暗すぎない落ち着いた茶色〜明るい茶色、ベージュが部屋の60〜80%を構成するくらいが最も落ち着きます。
寝室に適した色
寝室には、心がくつろぎ、ゆったりとリラックスできる色が適しています。特に青系統の色は沈静色と呼ばれ、精神を安定させ、安眠効果を高めるセロトニンを分泌する生理的効果があります。明るく鮮やかな青よりは、深みのある落ち着いた青がよいでしょう。
ただし青は寒色系であり、涼しさや冷たさを感じさせる色なので、多く使いすぎると空間が寒々とした印象を与えます。高齢者には冷えを感じさせやすくなるため、多用すると逆効果になるので注意してください。
青は全体の20%前後に留めて、他は温和で温かみのある色を使うのが最も良いバランスといえます。
※沈静色反対の働きをする赤、オレンジ、黄色は興奮色と呼ばれ、気分を高ぶらせるので、寝室には不向きです。暖色系を使う場合は、心身を穏やかにする柔らかいピンクがおすすめです。
ただし青は寒色系であり、涼しさや冷たさを感じさせる色なので、多く使いすぎると空間が寒々とした印象を与えます。高齢者には冷えを感じさせやすくなるため、多用すると逆効果になるので注意してください。
青は全体の20%前後に留めて、他は温和で温かみのある色を使うのが最も良いバランスといえます。
※沈静色反対の働きをする赤、オレンジ、黄色は興奮色と呼ばれ、気分を高ぶらせるので、寝室には不向きです。暖色系を使う場合は、心身を穏やかにする柔らかいピンクがおすすめです。
第3回 居住空間のイメージを変えるためには
ご協力いただいた方
カラーコンサルタント、日本ユニバーサルカラー協会理事長、日本セルフアートケア研究学会監事、明治大学公開講座講師