今月の特集 小規模多機能型居宅介護を知っていますか?
第3回 小規模多機能ホーム方南の実際
方南は、平成18年11月から小規模多機能型居宅介護として運営をスタートさせました。
方南の構造
また、方南には手すりがありません。高齢者施設には必ずと言っていいほど手すりがありますが、手すりは本当に必要なものなのか、皆さんにも是非一度考えてもらいたいとホーム長の福井幸成さんは言います。
方南での過ごし方
認知症の方優先
小規模多機能のメリットは、「通い」「泊まり」「訪問」のサービスを同じ環境で顔なじみの職員が担当するところです。環境が変わらないというのは、認知症の方に対するケアとして有効です。そこで方南では、基本的に認知症の方に利用してもらっています。
認知症の方に有効な場所だからこそ、認知症の方に優先して使ってもらいたいという気持ちからです。
認知症の方に有効な場所だからこそ、認知症の方に優先して使ってもらいたいという気持ちからです。
互助組織
方南では毎月家族全員に、1か月のうち「通い」「泊まり」「訪問」を利用したい日をあらかじめ聞いています。その聞いた利用希望をもとにして、月に1回家族会を開き、その家族会で「通い」「泊まり」「訪問」を利用したい人の人数調整を行います。人数が超過している日は、他の日に変更してもらったり、他の家族と相談して日にちを交代してもらったりしています。このように方南では、家族同士の関係を大切にし、家族同士がお互いに助け合う互助組織として機能しています。方南の機能を、登録している25人の利用者で共有するイメージです。
空き情報
小規模多機能のサービスを最大限利用してもらいたいという気持ちから、「通い」「泊まり」の定員に余裕がある日を「空き情報」として家族に発信しています。職員からしてみれば、利用者の人数が少ない方が少ない労働力ですみますし、利用料金は1か月単位の定額料金で、定員いっぱいの利用者に利用してもらっても、事業者にとっての報酬は変わりません。しかし、せっかく空いているのなら、少しでも家族の介護負担の軽減になるように利用してもらいたいと「空き情報」を発信しているのです。また、こちらから「空き情報」を提供することによって、人数が超過している時や方南で困ったことがある場合、家族の方々が協力してくれるという、家族と事業所の互助の関係も成り立っています。
小規模多機能型居宅介護への想い
ホーム長である福井さんは、ご自身がお父様を介護していた経験から、家族の気持ちや辛さが少しはわかるとおっしゃいます。加えて、本人に少しでも長く在宅生活を送ってもらうためには、家族を応援してあげることが大切だとおっしゃいます。方南で行っている小規模多機能のサービスであれば、「これなら在宅介護をやっていけるのではないか」と家族に思ってもらうことが可能です。小規模多機能は利用者を含めた世帯ごと応援できるサービスであり、在宅介護をする上では、世帯を応援することが、多くの利用者が望むのであろう自宅での生活につながるのではないでしょうか。
次回更新は、10月26日(月)を予定しています。
次回更新は、10月26日(月)を予定しています。
最終回 小規模多機能型居宅介護の利用の仕方
ご協力いただいた方
小規模多機能ホーム方南 ホーム長