今月の特集 上手に使おう! 成年後見制度
第2回 成年後見制度の類型
お年寄りや障がいのある方が、安心して生活するためのとても大切な制度である成年後見制度。前回はどのようなときに利用するか、まずはどこに相談に行くかなどを述べました。今回は、成年後見制度の種類をご紹介します。
成年後見制度の種類
成年後見制度には、大きく分けて法定後見と任意後見があります。この2つの違いは、本人の判断能力が不十分か、十分かによります。法定後見は本人の能力が不十分な場合、任意後見は本人の判断能力が十分な場合に利用できます。
法定後見制度
法定後見は、すでに判断力や記憶力が不十分なために、援助する人が今から必要な場合に利用する制度です。
種類は補助、保佐、後見の3つに分けられます。それぞれの援助者が行えることは、補助人<保佐人<成年後見人の順に多くなります。つまり、補助のほうが本人に判断能力があり、後見は判断能力がないということになります。
補助人は基本的に本人に代わって行える行為はありませんが、ピンポイントで代理権を申請して行為を行います。保佐人は契約の取消はできますが、本人の同意を得なければ、代理権はありません。対して、成年後見人は本人の同意を得ずに契約の取消権や代理権があります。
このように分けられるのは、本人が自ら行える行為は、なるべく本人に行ってもらおうという考え方に基づきます。たとえば、病気の進行とともに徐々に判断能力が低下することが予想される場合、はじめから全ての判断ができなくなるわけではありません。自分でも判断はできることはあるけれど重要な財産管理や契約行為を一人で行うには不安という場合に、判断を助けてもらうために補助人をつけます。
しかし、申立をする人の多くは、本人の判断能力が失われて、「銀行で預金がおろせない!」「施設入所の手続きができない!」など、切羽詰った状況に陥ってはじめて制度を知るため、「成年後見人」の申請をすることがほとんどだそうです。
本人に代わってできることの多い「成年後見人」は、「補助人」に比べて決定に時間がかかるだけでなく、提出する書類も多くなります。また、元気だった頃の本人の意思を尊重することも難しくなります。こうしたことから、本人の判断能力があるうちから、制度を利用することをおすすめします。
種類は補助、保佐、後見の3つに分けられます。それぞれの援助者が行えることは、補助人<保佐人<成年後見人の順に多くなります。つまり、補助のほうが本人に判断能力があり、後見は判断能力がないということになります。
補助人は基本的に本人に代わって行える行為はありませんが、ピンポイントで代理権を申請して行為を行います。保佐人は契約の取消はできますが、本人の同意を得なければ、代理権はありません。対して、成年後見人は本人の同意を得ずに契約の取消権や代理権があります。
このように分けられるのは、本人が自ら行える行為は、なるべく本人に行ってもらおうという考え方に基づきます。たとえば、病気の進行とともに徐々に判断能力が低下することが予想される場合、はじめから全ての判断ができなくなるわけではありません。自分でも判断はできることはあるけれど重要な財産管理や契約行為を一人で行うには不安という場合に、判断を助けてもらうために補助人をつけます。
しかし、申立をする人の多くは、本人の判断能力が失われて、「銀行で預金がおろせない!」「施設入所の手続きができない!」など、切羽詰った状況に陥ってはじめて制度を知るため、「成年後見人」の申請をすることがほとんどだそうです。
本人に代わってできることの多い「成年後見人」は、「補助人」に比べて決定に時間がかかるだけでなく、提出する書類も多くなります。また、元気だった頃の本人の意思を尊重することも難しくなります。こうしたことから、本人の判断能力があるうちから、制度を利用することをおすすめします。
任意後見
任意後見は、現在は判断能力が十分にあり、将来の判断能力の低下に備えて、あらかじめ任意後見人を選任し、自分の意思を公正証書にして契約を結んでおく制度です。この制度のメリットは、自分の意思を判断能力がなくなっても実行できる点です。
たとえば、財産はこのようにしてほしい、介護は誰々にお願いしたい、施設はどこどこに入りたい、お葬式はこんなふうにあげてほしいなど、自分の意思を表明できます。
任意後見人になった人は、公正証書にしたがって意思を実行しなければなりません。確実に行っているかを、任意後見監督人がチェックする仕組みになっているのが、安心です。
遺言との違いは、生きている間に実行できることや、生前に読むことができる点です。子どもに介護の手続きや支払い事務をしてもらうときに、「長男に介護の手続きをお願いしたい。そのための費用は私の貯金から使用すること」などと意思を明らかにすることで、兄弟間のトラブルを避けることができたなどの例があります。
なお、契約時には想定していなかった業務が必要になった場合、任意後見から成年後見に切り替えることもできます。
さて、次回は、成年後見制度の手続きの流れや費用についてご説明します。
たとえば、財産はこのようにしてほしい、介護は誰々にお願いしたい、施設はどこどこに入りたい、お葬式はこんなふうにあげてほしいなど、自分の意思を表明できます。
任意後見人になった人は、公正証書にしたがって意思を実行しなければなりません。確実に行っているかを、任意後見監督人がチェックする仕組みになっているのが、安心です。
遺言との違いは、生きている間に実行できることや、生前に読むことができる点です。子どもに介護の手続きや支払い事務をしてもらうときに、「長男に介護の手続きをお願いしたい。そのための費用は私の貯金から使用すること」などと意思を明らかにすることで、兄弟間のトラブルを避けることができたなどの例があります。
なお、契約時には想定していなかった業務が必要になった場合、任意後見から成年後見に切り替えることもできます。
さて、次回は、成年後見制度の手続きの流れや費用についてご説明します。
第3回 成年後見制度の手続きの流れ
お話をうかがった方
町田市役所地域福祉部福祉総務課
社会福祉士
【参考図書】
町田市社会福祉協議会「福祉サポートまちだ」